中古車購入 [2025.06.16 UP]
Honda SENSING 360+を解説する【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
文●石井昌道 写真●石井昌道、ホンダ ※ナンバープレートは、一部はめ込み合成です。
ホンダの量販モデル初!「アコード」にハンズオフ搭載 さらに賢くなったホンダセンシングに注目
2001年に世界初の自動運転レベル3を実現したレジェンドを発売するなどAD/ADAS(自動運転/安全運転支援システム)に力を入れているホンダ。先日のビジネスアップデートでは三部社長が「これからは知能化が競争領域で、ホンダの強みとしていく」といった旨の発言をしていたが、早くも新たなADASであるHonda SENSING 360+を搭載したアコードを発売した。件のレジェンドは100台限定のリース販売という限られたものだったが、今度は普及を目指している。
現在のところ多くのホンダ車が搭載しているのはベーシックなHonda SENSINGで、センサーはフロントの単眼カメラ(水平画角90°)とソナーを採用。以前は単眼カメラ(水平画角50°)+ミリ波レーダーを採用していたが、広角化したカメラと高速画像処理チップによってミリ波レーダーを取り払いながら進化させることに成功した。2000年発売の現行フィットから採用が始まった。
Honda SENSING 360+ 説明図。
レジェンドが搭載したシステムはHonda SENSING Eliteと呼ばれる。単眼カメラを2つ、ミリ波レーダーを5つ、そして高性能かつ高価でいまのところ市販車での採用は稀なLiDARを5つが外部のセンサー。さらにドライバーの状態をモニタリングするカメラと高精度地図を採用して限定的ながら自動運転レベル3を実現した。ただし価格はベース車両に比べて375万1000円高と高価だった。
Honda SENSING Eliteで得られた知見を活かして普及型ADASの進化を目指してきたが、まずは2024年発売のアコードでHonda SENSING 360を国内初採用。単眼カメラ(水平画角100°)に加えてフロント用と角コーナー用に5つのミリ波レーダーを追加して死角のない360°のセンシングを可能とし、ベーシックなHonda SENSINGの機能に、前方交差車両警報、車線変更時衝突抑制機能、車線変更支援機能が加わった。
会場に置かれていたHONDA SENSING360の技術解説パネル。
そして2025年初夏発売となるのが、Honda SENSING360+搭載のアコードだ。Honda SENSING360と外部センサーは同一だが、高精度地図とマルチGNSSアンテナ、ドライバーモニタリングカメラを追加することでハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能、レコメンド型車線変更支援機能、カーブ路外逸脱早期警報、降車時車両接近警報、ドライバー異常時対応システムが追加されている。価格は現在のHonda SENSING 360を搭載したアコードが559万9000円なのに対して599万9400円と約40万円高となっている。
Honda SENSING 360+ ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能。
もっとも特徴的なのはハンズオフ機能だろう。高速道路・自動車専用道でACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKAS(レーンキープアシスト=車線維持支援システム)を作動させているときに一定の条件を満たせばステアリングから手を離すことが可能になるのがハンズオフ。前方監視義務はあり、あくまで運転の責任はドライバーにあるが、より自動運転に近づいたとも言える。定義的には自動車レベル2だが、高度レベル2あるいはレベル2+などと呼ばれることもある。日本国内で初めて発売したのはBMWで高速道路の渋滞時のみ使用が可能なものだった。30km/h以下で使用が可能になり、60km/hになるとキャンセルされる。その他、日産プロパイロット2.0やスバル・アイサイトX、トヨタ・アドバンスト・ドライブなどもハンズオフ機能を備えている。
Honda SENSING 360+のハンズオフが他より抜きん出ているのは135km/hと高い速度まで対応していること、トンネルや雨天など悪条件にも強くハンズオフ機能の継続性が高いこと、車線内での正確なトレース性に加えて状況に合わせて自車位置を微妙に調整することなどだ。
試乗車のアコード。ハンズオフ機能は進化を感じさせるものだった。
試乗した日はあいにくの雨で時折強く降ることもあったが、ハンズオフ機能の継続性はたしかに高かった。一般的なACCやLKASなら機能がキャンセルされるような雨のなかでも淡々とハンズオフが続いていく。車線内で左右に泳ぐような傾向も見られない。高精度地図は国内の約3万kmの高速道路・自動車専用道が高精度かつ3Dデータ化されていてGNSSと組み合わせることでセンチ単位で自車位置を認識できる。カメラなどで白線を検知する一般的なLKASとは精度が大きく違うのだ。さらに、カーブではややイン側より、大型トラックを追い越すときなどは左右間を少しあけるなど、ドライバーが無意識に行っているようなアシスト操作をしてくれるので、快適な走行だった。カーナビのGoogleマップと連携しているのも特徴で目的地設定をしていれば高速道路の分岐・出口付近での車線変更を支援。近づいていくと車線変更を促してくる。これに応えて承認スイッチを押すと車線変更を支援。ハンズオフは車線変更に対応していないので、ステアリングに手を戻す必要があるが、そうすればウインカー操作は自動で行いステアリング操作のアシストもされる。ここまで高度なハンズオフ機能はレジェンドのHonda SENSING Elite以来で感動的ですらあった。高速道路のロングドライブで使用すれば疲労は大いに軽減されるだろう。
今後の展開にさらに期待が寄せられる。
さらに、2027年頃から採用が始まるという次世代ADASでは一般道と高速道路の境目がなくなる。ナビゲート・オン・オートパイロット(NOA)やエンドトゥーエンドなどとも呼ばれる、あるいは近いものになるようで、一段と知能化されて安全かつ快適な走行が可能になる。今よりも処理能力の高いSoC(システム・オン・チップ)の採用が必須で大きな電力や冷却なども求められるが、次世代e:HEVは対応可能としている。つまり現在のHonda SENSING 360+などのようにアコードのみなど限定的ではなく、e:HEV搭載車なら選択できる普及型になるようだ。今のところ一般道の高精度地図は存在しないので、センサーの高度化なども必要になるだろうが、どういうカタチで実現していくのか、今後の進化にも期待したい。
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みんなのコメント
他のメーカーもぜひ追従してほしい。
社長がやればこれ以上のデモンストレーションはないし