2026年1月に大幅改良された三菱デリカD:5は、歴代デリカD:5で初めてS-AWCを搭載した。従来モデルも悪路に強い電子制御4WDだったが、新型は前後だけでなく左右の駆動・制動力まで統合制御する。では、走りは具体的に何が変わったのか?
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新型パジェロにもS-AWCを搭載ってマジ!? デリカD:5の悪路走行ショットもご覧アレ!(17枚)
従来の電子制御4WDに「曲がる力」をプラス!
従来のデリカD:5も、FFをベースに必要に応じて後輪へトルクを配分する電子制御4WDを採用していた。走行モードは2WD、4WDオート、4WDロックの3種類。オンロードから悪路まで対応できる実力派だったが、基本的には前後輪への駆動力配分を選ぶ仕組みだった。
2026年型が新採用したS-AWCは、電子制御4WDにAYC、ASC、ABSを組み合わせた車両運動統合制御システムだ。前後輪への駆動力配分に加え、左右輪のブレーキも制御し、「走る・曲がる・止まる」をまとめてコントロールする。
進化のポイントは、ブレーキを利用するAYCの追加だ。素早くハンドルを切ったときや滑りやすい路面を曲がるとき、左右輪のブレーキ力を調整して旋回する力を発生。背が高く、車両重量が約2tに達するデリカD:5でも、狙ったラインをたどりやすくしてくれる。
これは雪道や未舗装路だけに効く技術ではない。雨の高速道路や車線変更、曲がりくねった道でも車体の姿勢を安定させ、ドライバーの操作に対して素直に動く。単に「スタックしにくい4WD」から、日常でも安心して曲がれる4WDへ進化したわけだ。
路面で選べる4モード! 急な下り坂にも対応
走行モードも、従来の駆動方式を選ぶ3種類から、用途がわかりやすいECO、NORMAL、GRAVEL、SNOWの4種類へ刷新された。
ECOは前輪駆動で走行し、空調も省エネ制御して燃費を優先。NORMALは路面状況に応じて四輪の駆動力と制動力を調整し、走りと燃費を両立する普段使いの基本モードだ。
GRAVELは後輪への駆動力配分を強め、砂利道やぬかるみで走破性を高める。スタックから脱出したい場面でも頼もしい。SNOWは雪道や凍結路でスリップを抑え、カーブで車体が外側へ膨らみにくい制御となる。各モードでは前後の駆動力配分だけでなく、アクセルレスポンスなども専用に調整される。
さらに、急な下り坂で車速を一定に保つヒルディセントコントロールも新採用。ドライバーはアクセルやブレーキ操作に追われず、ハンドル操作へ集中できる。
もちろん、S-AWCがあれば無理な速度で曲がれたり、普通のタイヤで深い雪道を走れたりするわけではない。それでも、家族と荷物を載せるミニバンだからこそ、滑りやすい路面での安定性向上は大きな意味を持つ。2026年型デリカD:5の4WDは、悪路走破性だけでなく、普段の安心感まで一段引き上げたのだ。
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令和の走るシーラカンスがデリカD:5