現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > やっぱりハイブリッドこそ無敵! ガソリン高騰に苦しむアメリカで今さらながらキテる「日本のHV」に乗って感じた凄まじい性能

ここから本文です

やっぱりハイブリッドこそ無敵! ガソリン高騰に苦しむアメリカで今さらながらキテる「日本のHV」に乗って感じた凄まじい性能

掲載 更新 91
やっぱりハイブリッドこそ無敵! ガソリン高騰に苦しむアメリカで今さらながらキテる「日本のHV」に乗って感じた凄まじい性能

 この記事をまとめると

■HEVは日本だけでなくアメリカでも注目度が急上昇している

EV時代はまだ先の話? 環境にうるさいアメリカでも電気自動車は金持ちの道楽扱いという現実

■高いガソリン価格が続くカリフォルニアではHEV需要が爆発的に拡大中

■ホンダ・シビックHEVなどのモデルは北米市場で大きい存在になりそうだ

 ハイブリッドの波が遅れてアメリカにも

 日本国内でのHEV(ハイブリッド車)販売比率は52.2%となっており、世界各国の市場と比べても突出してHEVがよく売れている。東南アジアのタイでもすでにHEVの販売比率は20%を超えており、2022年あたりからBEV(バッテリー電気自動車)がまさに飛ぶように売れていたのだが、ここのところはHEVが勢いを失いかけているBEVにかわり、飛ぶように売れだしている。

 アメリカ全体でのHEV販売比率は12%強、アメリカ国内でBEV普及が突出しているカリフォルニア州では2024年統計で17.4%となっている。BEV普及に関しては偏りも見受けられるが、HEVの販売では全米値と比較してもカリフォルニア州が突出して数値が高くないところをみると、全米規模といっていいほどHEVが注目されているようにもみえる。カリフォルニア州では2020年におけるHEV販売比率が6.1%だったので5年で2.3倍ほどとなっている。

 全米平均や各地のガソリン価格が下落傾向で落ち着くなか、カリフォルニア州のガソリン価格は高値安定定着状態となっている。地元報道などを検索すると2035年までのICE(内燃機関)新車販売禁止へ向け、製油所の閉鎖や精製量の減産などガソリン精製の調整を進めているとのことで、当然流通量の減少傾向が今後も続くので、この高値安定傾向が改善されることは期待できそうもないようなのである。

 日本のように通勤交通費が支給されないアメリカ、とくにクルマ社会が顕著な南カリフォルニアでは、ガソリン価格の変動は家計を大きく直撃する。すでに高所得者層の居住地域などではオクタン価の高いガソリンでは、1ガロン(約3.75リットル)あたり5ドル(1リットルあたり200円強)超えが当たり前になろうとしている。そのなか、燃料代をセーブできるとしてここ数年HEVが急激に注目されているのである。

 シビックで国産ハイブリッドの実力を再確認

 そのようななか、今回南カリフォルニアを訪れた際に総走行距離約1600マイル(約2500km)にわたり、HEVを運転する機会を得た。

 運転したのは2025年モデルとなる、「ホンダ・シビックセダン・スポーツ ツーリング・ハイブリッド」。2024年に2025年モデルとしてデビューし、2025北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。2リッター直4エンジンをベースにした2モーター式となるハイブリッドユニットは、システム総合出力200hpを発生する。

 かつては、カローラやサニーなどとともに大衆車ともいわれたシビックであるが、今回試乗した現行シビックセダンは全長約4693×全幅約1800×全高約1414mmと、かなり立派になったなあと感じたのだが、南カリフォルニアで駐車場に停めるとスペース内で余白が目立つので、それでもコンパクトカーなんだと実感じた。

 試乗した印象は、とにかく気がつくといつもEVモードで走っていたということ。マイルをkm、ガロンをリットルに換算して何回か燃費計測を行ったのだが、デスバレー周辺の砂漠地帯をメインに、途中険しい峠越えなどを行った時の燃費は約21km/L、ロサンゼルス地域でフリーウェイメインでの平地走行時には約25km/Lとなり、いわゆるカタログ数値を超えていた。

 ガソリン給油時もその給油量の少なさに驚かされた。タンク半分よりやや多いぐらいで給油しても4ガロン(約15リットル)、燃料ゲージで残り2メモリぐらいで給油しても7ガロン(約26リットル)しか入らないのである。燃料タンク容量を調べてみると約40リットルであった。カタログ数値での燃費をベースに換算すると、タンク満タンでの航続距離は840kmとなる。とにかく一度満タンにすると、ガソリンがなかなか減らない、アメリカのひとたちもこのような「魔法」を一度味わえば2度と離れることはできないだろう。

 燃費性能だけではなく2リッターエンジンにモーターアシストが加わるので加速性能も秀逸であり、フリーウェイでの本線合流時や、郊外で大型トレーラーを追い抜くときにその凄さが感じられる。郊外でのとくにフリーウェイや砂漠の一本道などではクルーズコントロールが必需品であり、これがないとたちまち膝がガクガクと鳴きだしてしまうのだが、シビックのそれはACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)となっており、追い越しをかけようと半身ほど隣の車線に移動させたとたん気持ちよく加速してくれるだけではなく、減速も非常にスムースであり、前方に大型トレーラーがいて、それに近づくなかで設定速度から緩やかに減速ははじまったら追い越しをかけるという自分なりのリズムを確立することができ、快適な高速走行を楽しむことができた。

 過去に純ガソリン車日系コンパクトカーを借り、デスバレー最寄りのフリーウェイのインターチェンジ近くで満タンにして、デスバレー周辺をドライブして戻ってくると燃料タンクがほぼ空っぽとなった。小排気量で燃費のいいエンジンであっても、燃料タンク容量が少ないため、遠乗りする時はそれより排気量も大きくなり、当然燃費性能もやや劣る。

 だが、燃料タンク容量がたっぷりしている1クラス上のクルマを選び航続距離を稼いでいたのだが、今回シビックを運転してみると燃費性能は文句なくよく、おまけにストレスを感じさせないパフォーマンスを両立しており、さらにコンパクトカーなのにスペック上では1タンクで約800kmも走るのだから「これで十分」となるケースも多いのではないかと感じた。

 ボディサイズはともかくとしても、HEVの普及により排気量のダウンサイズ化にスピードがかかると同時に幅広いカテゴリーでHEVが普及すれば、BEVを無理やり普及させるよりは、トータルで見ればコスパだけではなくタイパもいい選択になるのではないかと今回強く感じた。

文:WEB CARTOP 小林敦志
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

PHEVのSUVが400万円以下で購入できる衝撃! BYDより発売された最新SUV「SEALION6」のコスパがヤバすぎた撃上陸
PHEVのSUVが400万円以下で購入できる衝撃! BYDより発売された最新SUV「SEALION6」のコスパがヤバすぎた撃上陸
WEB CARTOP
ポルシェのハイブリッドはひと味違う! 速さを追求するための「e-Turbo」を積んだ911の超絶レスポンスが圧巻
ポルシェのハイブリッドはひと味違う! 速さを追求するための「e-Turbo」を積んだ911の超絶レスポンスが圧巻
WEB CARTOP
「カローラらしさ」を排除したが……それでいい! 歴代カローラセダンを乗り継ぐマニアのライターが「カローラコンセプト」を激推しするワケ
「カローラらしさ」を排除したが……それでいい! 歴代カローラセダンを乗り継ぐマニアのライターが「カローラコンセプト」を激推しするワケ
WEB CARTOP
かつては280馬力の自主規制があった登録車もいまじゃ600馬力だってOK! だったらなぜ軽自動車の「64馬力自主規制」は撤廃されないのか?
かつては280馬力の自主規制があった登録車もいまじゃ600馬力だってOK! だったらなぜ軽自動車の「64馬力自主規制」は撤廃されないのか?
WEB CARTOP
いまやほとんどのクルマのホイールがアルミ製! そもそも「アルミホイール」がなぜ重宝されるのか?
いまやほとんどのクルマのホイールがアルミ製! そもそも「アルミホイール」がなぜ重宝されるのか?
WEB CARTOP
プラグインなのに価格は国産ハイブリッド並み!! フル装備のPHEVが398万2000円!!! BYDシーライオン6にシーライオン7オーナーが速攻試乗!!!
プラグインなのに価格は国産ハイブリッド並み!! フル装備のPHEVが398万2000円!!! BYDシーライオン6にシーライオン7オーナーが速攻試乗!!!
ベストカーWeb
V12のNAエンジンにMTを組み合わせた「最新」ハイパーカーってマジか! しかも800馬力で1トン切りの「ガラジスティGP1」がクルマ好きの夢すぎる
V12のNAエンジンにMTを組み合わせた「最新」ハイパーカーってマジか! しかも800馬力で1トン切りの「ガラジスティGP1」がクルマ好きの夢すぎる
WEB CARTOP
気がつけばホンダが輸入車メーカーになりつつある!? CR-VにWR-Vにオデッセイにアコード……登録車の約3分の1が海外生産の輸入モデルだった!!
気がつけばホンダが輸入車メーカーになりつつある!? CR-VにWR-Vにオデッセイにアコード……登録車の約3分の1が海外生産の輸入モデルだった!!
WEB CARTOP
最上位のスポーツグレードだけに注目してないか? じつは「素グレード」も走りが最高なクルマを挙げてみた
最上位のスポーツグレードだけに注目してないか? じつは「素グレード」も走りが最高なクルマを挙げてみた
WEB CARTOP
ホンダCR-Vがついに日本で復活! パワートレインはハイブリッドのみ! 荷室もリヤシートも広くてラグジュアリーっぷりマシマシ!!
ホンダCR-Vがついに日本で復活! パワートレインはハイブリッドのみ! 荷室もリヤシートも広くてラグジュアリーっぷりマシマシ!!
WEB CARTOP
まさかの新車価格超え!? カワサキ「Ninja ZX-10R」中古相場が高騰 SNSでも話題に
まさかの新車価格超え!? カワサキ「Ninja ZX-10R」中古相場が高騰 SNSでも話題に
バイクのニュース
日本における三菱の顔は間違いなくデリカD:5! フルモデルチェンジせずともずーっと売れ続ける怪物ミニバンの秘密
日本における三菱の顔は間違いなくデリカD:5! フルモデルチェンジせずともずーっと売れ続ける怪物ミニバンの秘密
WEB CARTOP
日産「新型エルグランド」は“540万円”超え!? ボディ大型化で「アルファード」に対抗か! 超パワフルな「1.5リッター3気筒ターボ×e-POWER」搭載で“高級ミニバンの頂点”へ!
日産「新型エルグランド」は“540万円”超え!? ボディ大型化で「アルファード」に対抗か! 超パワフルな「1.5リッター3気筒ターボ×e-POWER」搭載で“高級ミニバンの頂点”へ!
くるまのニュース
S-AWCの三菱! シンメトリカルAWDのスバル! WRCで鍛えられた最強4WDをもつ2社のメカを解説
S-AWCの三菱! シンメトリカルAWDのスバル! WRCで鍛えられた最強4WDをもつ2社のメカを解説
WEB CARTOP
ステーションワゴン絶滅の危機にファンは何乗りゃいい? ワゴン好きを満足させるワゴン以外のクルマを探してみた
ステーションワゴン絶滅の危機にファンは何乗りゃいい? ワゴン好きを満足させるワゴン以外のクルマを探してみた
WEB CARTOP
新型 ホンダCR-V(2) 気張らなければサイレント&スムーズ 選びたいと思える仕上がり
新型 ホンダCR-V(2) 気張らなければサイレント&スムーズ 選びたいと思える仕上がり
AUTOCAR JAPAN
フェラーリもアストンも防弾仕様化で世界のVIPから注文殺到! アメリカ元特殊部隊出身者の「アドアーマー社」の作るクルマがスゴイ!!
フェラーリもアストンも防弾仕様化で世界のVIPから注文殺到! アメリカ元特殊部隊出身者の「アドアーマー社」の作るクルマがスゴイ!!
WEB CARTOP
BYDが日本導入した「BYD SEALION 6」はエンジン付きのハイブリッドSUV!
BYDが日本導入した「BYD SEALION 6」はエンジン付きのハイブリッドSUV!
AutoBild Japan

みんなのコメント

91件
  • ike********
    技術的なことを言うとハイブリッド車のバッテリの方がEV車のバッテリよりも寿命が長く、価格も安価。
    バッテリ寿命が車寿命のEV車は経済的にも環境的にも悪いということ。
    また、EV車は事故等で火災になれば消せません。
    バーベキューになりかねないリスクもある。
    日本でEV車が見向きもされないのには理由があり、国民は他国よりも賢明な判断をしていると言えます。
  • oqc********
    でもテスラやBYDにドヤ顔で乗ってる日本人見ますねw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

354 . 4万円 440 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75 . 0万円 642 . 8万円

中古車を検索
ホンダ シビック (ハッチバック)の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

354 . 4万円 440 . 3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75 . 0万円 642 . 8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村