ランチア・ストラトス・ストラダーレ/グループ4コンバージョンの特徴
・5000万円からスタート
・7100万円で落札された
・予想落札額は7000~8000万円だった
・生産台数僅か492台のランチア・ストラスの中の1台
・ストラダーレ仕様からグループ4コンペティツィオーネ仕様にコンバージョン
・コンバージョン&レストア作業の各記録他、多数のヒストリードキュメントが付属
・スペシャリストの手による非常に完成度の高いグループ4コンバージョン仕様
・ランチア(フィアット社)による製造保証書付き
・稀に見る良質なコンディションを保った1台
【画像】 ランチア・ストラトス・ストラダーレ/グループ4コンバージョン【ディテール】 全16枚
ランチア・ストラトス・ストラダーレ/グループ4コンバージョンの詳細
ランチア・ストラトスはWRC(世界ラリー選手権)参戦を目的としたグループ4マシンとして開発、生産された市販スポーツカーである。
ストラトスは、もともと1970年のトリノ・ショーでベルトーネがランチア・フルヴィアHFのコンポーネンツを流用して製作したミドシップカーのデザインスタディに付けられた名前だった。
アルピーヌA110の前に苦戦を強いられていたフルヴィアHFに代わるワンオフのラリーマシンを模索していたランチア・コルセのチェーザレ・フィオリオが、その可能性に注目。ランチア、ベルトーネ双方に働きかけた結果、前代未聞のラリー専用車のプロジェクトが始動することとなった。
その際ドライバー、開発陣から上がったのは、車重1000kg以下、エンジン出力300sp以上、2シーター、ミドシップ、強化プラスティックまたはアルミの軽量ボディ、そして可能な限り短いホイールベースという、当時の常識を逸するコンセプトであった。
それらを実現するためにマルチェロ・ガンディーニ、ジャンニ・トッティ、ニコラ・マテラッツィ、マイク・パークス、ジャンパオロ・ダラーラといった錚々たる技術陣が集結。早くも1971年のトリノ・ショーでストラトスHFプロトタイプが発表されている。
エンジンに関してもランチアの最高経営責任者であるピエルーゴ・ゴッバートがジャンニ・アニエッリ、エンツォ・フェラーリへ働きかけた結果、グループ4のホモロゲに必要な500台分のフェラーリ・ディーノV6ユニットの供給も決まり、1972年11月のツール・ド・コルスでコンペティション・デビューを果たしている。
その後生産化が遅々として進まなかったが、400台へと生産台数が緩和されたグループ4のホモロゲーションを1974年の開幕直前に取得し、WRCへのワークス参戦を開始。以降、“ストラトス劇場”とまでいわれた圧倒的な強さを発揮し、1974年、75年、76年と3年連続でWRCタイトルを獲得した。
しかしながら親会社フィアットの意向により1977年から活動を縮小。1978年をもってWRCにおけるストラトスのワークス活動は終了することとなる。
出品車は1975年6月12日にトリノのランチアS.p.A.名義で登録されたストラダーレ(シャシーナンバー:829ARO001923:以下#1923)で、登録時のライセンスプレートはM38442TOであった。
その後1977年にランチアからトリノの自動車販売店Salone Auto rivoliへと売却。個人オーナーの手に渡っている。
1987年4月、アパレルブランド“クリスティアーノ・フィッソーレ”の創業者であるクリスティアーノ・フィッソーレが#1923を購入。ジェノバでレース活動を行なっているUniversity Motorsで、トリノのストラトス・スペシャルショップなどから入手したパーツを使用しグループ4仕様へのコンバートを行なっている。
2003年に#1923はドイツ・エンスドルフでフィアット&ランチアの代理店を行なっているストラトスのスペシャルショップAutohaus Sparwaldへと売却。
その際に、機関部分の大々的なメンテナンスが行われ、オーナーとなるイギリス人のロバート・ホワイトハウスのリクエストでボディカラーが、オリジナルのブルーからアリタリア・カラーへと変更された。
イギリスに#1923を持ち帰ったホワイトハウスは、ヒストリック・ラリーに出場するため、イギリスMSA(現Motorsport UK)でFIA HTPペーパーを申請し、取得。いくつかのイベントに出走している。
2006年頃に日本に輸入された#1923は、1976年シーズンのワークスカーに合わせてボディのリファインが行われ、素晴らしいコンディションに仕上げられた。
この#1923にはランチアの製造証明書も付属しており、シャシーと搭載されているエンジンナンバー(829ARO)とがマッチングナンバーであることも証明されている。
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