A1市街地グランプリ GOTSU2020が行なわれ、大井偉史が日本で初開催となった公道レースのウイナーとなった。
このA1市街地グランプリ GOTSU2020は、約7年前から構想がスタート。長い時間をかけて準備が進められてきた。日本で初めて、公道を使ってのレースを開催するのだから、それも当然と言える。
■A1市街地GP、日本初の公道レースの走行がスタート。関口雄飛「歴史的な瞬間」
今年は新型コロナウイルスの影響もあり、当初1.7kmのコースで行なわれる予定だったが、これが778mに縮小されるなど、直前まで変更が行なわれた。またウイルス感染予防対策として、観戦エリアへの入場者数も著しく制限されたが、コース沿いの商店や住宅から多くの人が顔を出し、マシンの走行シーンを観戦した。
レースに勝ったのは、FIA-F4やヴィッツレースに出場経験のある大井偉史だ。
「前から気になっていて、出たいなと思っていたレースでした。雰囲気がすごく良いなと思いました」
そう大井は語った。
「レース中、ずっと手を振ってくれるんですよ。レース中も手を振り返しちゃおうかと思うくらいで……和むんですよ。フィニッシュ後めちゃくちゃ手を振りました」
「コースは思っていたよりも狭いです。6コーナーはブレーキングで跳ねますし、レコードラインも本当にバンピーです。ちょっとリスキーなコーナーもあって面白かったです」
「公道コースなので、初めは路面が出来上がっていなかったのですが、走れば走るほど、分かるくらいにそれが改善していきました。砂や埃が掃除されるんだと思うんですよね」
大井はこれで、日本の公道レース初代ウイナーになったわけである。これについて尋ねると、次のように語った。
「ぜひ次も出たいです。面白かったですし、初めてのレイアウト……すごくイコールで、フェアなのかなと思いました。普段練習ができませんから、本当の実力が出るかなと思います」
これを機に、カートだけでなくより大きいサイズのレーシングマシンによる公道レースが、日本で開催される可能性が高まると思うか……そう尋ねると、大井は「日本の公道レースを、もっと見たい」と語った。
「日本よりももっと小さな国でもやっているじゃないですか。だから、日本でもできないわけがないという安易な考え方ですけどね。実現すれば、今後モータースポーツの楽しみが増えるなと思います。観る側としても、走る側としても、それは楽しみだなと思います」
なお今回は、公道を閉鎖してレースを開催した、日本では初めての例となった。レース中、衝撃吸収バリアにマシンを接触させるシーンはあったものの重大な事故も発生せず。また、260人集まったボランティアスタッフの働きもあり、定められた6時間の道路使用可能時間内に、設営・撤収を含む全ての作業が完了した。また、地元からも多くの好意的が意見が聞かれるなど、とてもポジティブなイメージの大会になったと言えよう。
また地元を中心に10社以上のメディアが取材に訪れ、NHKの松江放送局では、特集番組も放送予定だという。
次回のA1市街地グランプリがどこで行なわれるのか、そして江津で再び公道レースが開催されることがあるのか、それについては現時点では未定だ。しかし再度開催を求める声、そして他の自治体からの開催希望の声が挙がってくることもありそうだ。
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