■一部改良で上位グレードとの差異が狭まった最廉価モデル「シエンタX」
トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」は、2025年8月に一部改良が行われました。
【画像】超カッコいい! これがトヨタ「新シエンタ」の最安グレードです! 画像で見る(30枚以上)
装備の充実や機能の向上を図った改良で、最廉価グレードは以前よりも「積極的に選びたいクルマ」へと生まれ変わっています。
シエンタは、全長4260mm×全幅1695mm×全高1695-1715mmという扱いやすい5ナンバーのコンパクトなサイズ感に、親しみの持てるエクステリアデザインが特徴的なクルマです。
外観は全幅と全高が同値のため、正面からクルマを見るとシルエットは正方形に近く見え、全体にかどを丸められた形状と相まって、柔らかくてかわいらしい印象を与えてくれます。
男性・女性のどちらも乗りやすく、ファミリーカーとしても十分に使用できる7人乗りが設定されているのも大きな魅力。ミニバンとしては、クラストップレベルの販売実績を誇るクルマです。
現行型のシエンタは2022年に登場。昨年、今年と2年連続で改良が施されました。
Z/G/Xと3種類あるグレードのうち、最廉価の7人乗りグレードが「X」のガソリン2WDモデルで、車両本体価格(消費税込み、以下同)は211万7500円です。
消費税抜きなら192万5000円と、税抜き価格が200万円を切っているのです。
心臓部には1.5リッターの直列3気筒エンジンを積み込み、ガソリンエンジン車でもWLTCモード燃費は18.3km/Lと上々です。
それでは2025年8月に行われた改良の中で、Xグレードに関係する部分を見ていきましょう。
まずは、電動パーキングブレーキの追加です。
ブレーキホールド機能も追加され、エンジンを切ってもブレーキホールドの機能設定が維持される仕組みをトヨタ車で初めて採用しました。
またレーダークルーズコントロールが全車速追従式となり、全グレードに標準装備されています。
加えて、オートエアコンが標準装備化されました。
昨年5月の改良時には、キーレスエントリーシステムがスマートエントリー(スマートキー2個付き)へ変わり、最廉価グレードでもカギを挿し込んでエンジンスタートする必要が無くなりました。
ドアのロック・アンロックが便利になり、エンジンもプッシュスタート式へ変更されています。
中間グレードであるGグレード(246万4000円/ガソリン・2WD)との差は、改良ごとに小さくなっていき、Xグレードの魅力は高まるばかりです。
■やや気になる装備差もあるが大きな問題ではない
ただ実際に使用していく中で、Gグレードとの差が気になる部分もいくつかあります。
まずスライドドアの仕様です。
Gグレードはデュアルパワースライドドアなのに対して、Xグレードは助手席側のみパワースライドドアとなります(運転席側は手動で開け閉め/オプション設定もなし)。
また、アームレスト部分にファブリック巻きが無く、プラスチック素材となるのもXグレードのみの特徴です。
ディスプレイオーディオは標準搭載されず、カバー付きのオーディオレス仕様で、スピーカーは2つだけ搭載されます。
さらにボディカラーもXは単色のみ全4色で、Gの9色(うち2トーンカラー2色)とは選択肢も狭まります。
ただXグレードを使用する際、こうしたポイントが気にならないユーザーは、買い得感を全面に感じることが出来るでしょう。
後席への乗り降りは助手席側からしかほとんどしないから、パワースライドドアドアは助手席側だけでOKといった人や、オーディオも自分好みのものを取り付けるから問題無しということであれば、Xグレードでも十分です。
※ ※ ※
ライバルのホンダ「フリード」の最廉価グレード「AIR」は262万3500円。
トヨタのミドルクラスミニバン「ノア」でも最廉価グレードの「X」は283万300円となっており、シエンタの価格競争力は圧倒的なモノとなっています。
コンパクトな7人乗りにできるだけ安く乗りたいという願いを叶えるなら、シエンタのXグレードで決まり。
国産最安ミニバンの実力は、価格以上です。(赤羽馬)
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みんなのコメント
こんなクルマを購入するのにあれこれ贅沢な装備は必要ありませんね。
とりあえず7人乗れれば最安グレードで十分です。