30年もの間、軽自動車市場を牽引してきたムーヴがフルモデルチェンジ。7代目となる新型は、スライドドアの追加や最新安全装備の強化など、より完成度の高いモデルに生まれ変わった。その魅力のポイントをお伝えしよう。
→【画像】新型ムーヴは「スライドドア」だけじゃない。「上質さ」でも勝負できるハイトワゴンに進化していた【メインターゲットは子育て卒業世代】
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久
男性ユーザーもターゲット、所有する喜びや満足感を意識したハイトワゴンに進化
◆スタイリッシュさを追求したデザイン
初代が1995年に誕生し、ベーシックなハイトワゴン人気を牽引してきたムーヴが7代目へと大幅に進化した。注目すべきはやはり、後席のドアがベーシックなヒンジ式からスライド式に大きく変わったことだろう。
これは軽自動車市場において、スライドドア車が6割を占めるまでになっている事情を汲み取ったものだが、新型はメインターゲット層を60代前後の「子離れ世代」に絞り、子育て世代が喜ぶ広大な室内空間を確保するというよりは、ほどほどの全高にとどめ、所有する満足感を重視したスタイリッシュなデザインにこだわったモデルとなっている。そんな狙いもあって、新型はスライドドアによる箱型感を抑えるためAピラーを寝かせることで、端正で凛々しいデザインを実現。ジェンダーレスなハイトワゴンに仕立てられている。
―― ●新型ムーヴ グレードバリエーション&価格パワートレーングレード価格(2WD/4WD)658cc直3DOHC52ps/6.1kg-mL135万8500円/148万5000円X149万500円/161万7000円G171万6000円/184万2500円658cc直3DOHCターボ64ps/10.2kg-mRS189万7500円/202万8400円
―― 新型ムーヴは、7代目で初のスライドドアを採用。メインターゲットを子離れ世代に絞り、利便性だけでなく「所有する満足感」を重視した上質なデザインが特徴。撮影車はNAモデルのXグレード。
―― Aピラーの傾斜と、リヤにかけての伸びやかなシルエットが印象的。これによりスライドドア車でありながら箱型感を上手に抑えていることが分かる。
―― 新型ではカスタム系統が廃止されたが、多様化するユーザーの好みに対応すべく、OPで「アナザースタイル」を用意。「DANDYSPORT」と「NOBLE CHIC」の2つのスタイルが設定される。こちらは「NOBLE CHIC」。
―― こちらは「DANDYSPORT」。
◆進化したプラットフォームとパワートレーン
シャシー周りは、DNGA(Daihatsu New Global Architecture)世代のプラットフォームに刷新。エンジンは燃費性能と走行性能のバランスを最適化した最新のKF型となり、これに組み合わせるトランスミッションとして、自然吸気(NA)モデルにはスムーズな加速と良好な燃費を実現する改良型CVTが、ターボモデルには、ギヤ変速機構を加えたD-CVTが搭載されている。加えてムーヴ専用のチューニングが施されることで、市街地はもちろん高速道路を使ったロングドライブでも、快適な走りを追求していることも見どころのひとつ。
またスライドドアを採用したことで、先代と比べると車両重量は40kgほど増加しているのだが、カタログ燃費はNA車の2WDが22.6km/L(WLTCモード)、ターボ車の2WDが21.5km/L(WLTCモード)と、先代より10%ほど向上している。購入時に比較されることが多くなるタントと比べると、燃費性能はわずかだが上回っている。
―― RSはターボエンジンによる高い走行性能と専用装備で「上質さと走り」を追求した最上位モデルという位置づけ。
◆上質さと機能性を両立したインテリア
販売の行方を左右するキャビンは、デザイン性と機能性のバランスがよいレイアウトで、使われる色合いも落ち着き感がある。シートの骨格などはムーヴキャンバスから引き継いでいるが、表皮は通気性がよく肌触りのよい素材を採用。ドア側のアームレストにもシートと同素材を使用することで、全体の統一感や上質感を上手に高めている。
後席に座ってみると、頭上のゆとりは前席と同等レベル。拳3個分(身長165cmの場合)の余裕がある。足元は拳6個分もの広大なスペースで、5:5分割の後席の前後スライドも240mmと長めに確保。人と荷物に合わせてフレキシブルに使い分けられる美点も健在だ。ラゲッジ側からのスライド操作がしにくいことと、前倒しした際に少し段差が残ってしまうのは惜しいところだが、ハイトワゴンに求められる実用性能は申し分がない。
―― Xのインテリアはブラウンとベージュを基調とした落ち着いた色合いで、上質感を匠に演出している。シートは通気性がよく肌触りのよい素材を採用し、ドア側のアームレストにも同素材を使用することで統一感をプラス。
―― 5:5分割の後席は240mmのロングスライドが可能。樹脂製のバックゲートは軽量で開閉しやすく、左右にグリップも備わり、日常使いでの利便性を高めている。
―― RSのインパネは、ブラウンとブラックを基調に構成。さらにRS専用のアクセントが施されることで、上質さとスポーティさを高めている。
DNGA技術の採用で、走りのレベルも大きく向上
まず自然吸気のNAモデル、14インチタイヤ装着の「X」から試乗してみたが、発進直後からしっかりとした安定感があり、落ち着いた加速フィールからすぐにモリモリとした余裕のパワーが引き出されてくる。ステアリングの応答性も自然で、意思の通りに操作できる。高めのアイポイントがもたらす見晴らしの良さもあって、乗ってすぐに馴染むことができる運転感覚だ。
―― 【X・2WD】全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1655 ホイールベース(mm):2460 トレッド【前/後】(mm):1300/1295 最低地上高(mm):150 車両重量(kg):860 パワーユニット:658cc直列3気筒NA(52ps/6.1kg-m) ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーディングトレーリング(R) サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) タイヤ:155/65R14
次にターボエンジン+15インチタイヤ装着の「RS」に乗り換えると、こちらはパワフルな加速フィールが印象的だが、それに加えてしっかりとしたボディの剛性感や、カーブでの安定した接地感があることに気づかされる。開発陣によると、ターボ車はアクセルのスロットル特性などを最適化することで、歴代ムーヴで好評だったキビキビとした軽快感も意識しているそうで、確かに走っているうちに「あ、これはムーヴだ」と感じる瞬間がある。
―― 【RS・2WD】全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1655 ホイールベース(mm):2460 トレッド【前/後】(mm):1300/1295 最低地上高(mm):150 車両重量(kg):890 パワーユニット:658cc直列3気筒ターボ(64ps/10.2kg-m) ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーディングトレーリング(R) サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) タイヤ:165/55R15
スライドドアを備えたのは、便利さのためだけでなくもっと自由で豊かな毎日を手に入れるため。新型には、そう思わせてくれる工夫が随所に盛り込まれていたのだ。
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