6月5日(木)から8日(日)まで、イタリアのサルディニア島で行われた2025年WRC世界ラリー選手権の第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』。TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は4台のトヨタGRヤリス・ラリー1を出走させ、さらに兄弟チームのTGR-WRT2からも1台のトヨタGRヤリス・ラリー1が走った。
その結果、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合優勝を飾り、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が3位表彰台を獲得。開幕戦から続く連勝記録を『6』に伸ばした。また、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が4位、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が5位、サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)が7位となり、5台が入賞圏内での完走を果たした。
豊田章男会長「セブが雪辱を果たしてくれました!」苦戦続いたWRCサルディニアの勝利に歓喜/第6戦後コメント全文
■不利な出走順トップ3ながらもワン・スリー
ラリー・イタリア・サルディニアの最終日デイ3は、サービスパークの北側および南側エリアで2本のステージを各2回走行した。4本のステージの合計距離は77.78kmで、3日間でもっとも短い1日だった。ステージはすべて新しく、路面は全体的に荒れているため、絶対的な距離が短くとも最終日は選手たちにとって非常に苛酷な1日になった。
朝から青空が広がり、ステージの路面コンディションはドライ。朝7時25分にスタートした1本目のSS13では、デイ2で総合2番手のオィット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)に11.1秒差を築いていた首位オジエがベストタイムを記録し、その差を15.6秒に拡大した。
続くSS14ではロバンペラがベストタイムを記録し、オジエは2番手タイムをマーク。SS15でもオジエはタナックに次ぐ2番手タイムを記録し、最終ステージを前にふたりの差は17.2秒となった。
オルビアでの15分間のサービスを経て、最後の戦いの場となるSS16、パワーステージが始まった。昨年大会では最終ステージの直前までオジエが首位を維持していたが、最終ステージでタイヤの空気が漏れ出しペースが低下、最終的には0.2秒差でタナックに逆転を許し総合2位でラリーを終えていた。
しかし今年は、オジエがコースオフし木に接触しストップ。オジエはスムーズにリバースギアを使用してマシンをコースに戻し、7番手タイムでパワーステージを走破した。その結果ライバルであり友人でもあるタナックに7.9秒差をつけて優勝し、今シーズン3勝目を手にした。
オジエのラリー・イタリア・サルディニアでの優勝はこれで5回目となり、2004年にこのラリーがWRCに加わって以降、もっとも多くの勝利を収めたドライバーになった。オジエは今シーズン6戦中2戦を欠場しながらも、4戦3勝でドライバー選手権では2位に浮上、選手権首位のエバンスに19ポイント差で迫った。
総合2番手のタナックと44.4秒差の総合3番手で日曜日に臨んだロバンペラは、SS13とSS15で3番手タイムを、SS14ではベストタイムを記録するなど好調を維持。最終のパワーステージでは2番手タイムのライバルに8.1秒差を付けベストタイムを記録し、総合3位でフィニッシュした。さらにスーパーサンデーでも1位を獲得してボーナスポイントをフルに加算。ドライバー選手権ではオジエに先行を許したが、首位のエバンスとの差は30ポイントから20ポイントへと縮まった。
エバンスはドライバー選手権リーダーとして、金曜日のステージに不利な出走順1番手で臨み、ロードクリーニング役を担ったため大きくタイムを失うこととなった。それでも忍耐強く走り抜き、最終日も安定した走りで総合4位でフィニッシュ。スーパーサンデーとパワーステージでもボーナスポイントを獲得し、厳しい戦いを乗り越えて選手権首位の座を守った。
デイ2でステージ途中にタイヤ交換を行いタイムを失った勝田は、最終日SS14で総合7番手から総合5番手にポジションアップ。そのまま最後まで順位を守り切った。勝田が総合5位でフィニッシュしたことで、TGR-WRTは4人のドライバーがトップ5に入り、マニュファクチャラー選手権では首位をキープ。2番手のヒョンデ・シェル・モービスWRTとの差を69ポイントに拡大した。
デイ2終了時点で総合5番手だったパヤリは、デイ3オープニングのSS13でスピンし、その際にサスペンションにダメージを負い、その状態でさらに2本のステージを走行した結果、大幅にタイムを落とすことに。最終サービスを経てパワーステージを走り切り、総合7位でラリーを終えた。
5台の戦いを見守り、TGR-WRTの指揮を執ったヤリ-マティ・ラトバラチーム代表は、「このラリーで優勝できたことを本当に嬉しく思う。過去、我々にとっては決して簡単なラリーではなかったし、今年は金曜日に3台が出走順トップ3でステージに臨まなければならない状況からスタートした。しかし、それでも6戦で6勝目を挙げたのは本当に信じられないことだ」と喜びとともに大会を振り返っている。
「ラリー中は多くのドラマがあり、なぜかサルディニアのパワーステージではつねにドラマが起こるが、序盤から素晴らしいパフォーマンスを示したセブは、幸いにも勝利を手にした」
「カッレも日々パフォーマンスを向上させ、パワーステージでは素晴らしいタイムを記録しラリーをフィニッシュした。また、エルフィンは出走順がトップだったためもっとも厳しい状況で戦うことになったが、巧みな走りを続けてポイントを獲得した」
「5台のクルマがすべてリタイアすることなくフィニッシュし、ポイントを獲得したため、チャンピオンシップ全体としては非常にポジティブな週末になった」
2025年WRCの次戦は、第7戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』。1951年の初開催から歴史を重ねてきたこのクラシックラリーは、岩石が多く荒れたグラベル(未舗装路)が特徴のハードな1戦である。第7戦は6月26日(木)から29日(日)にかけて開催される予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月09日]
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