BMWが今季3勝目。チームWRT、1-2逃すも30号車M4 GT3が圧勝飾る／IGTC第4戦

　SROモータースポーツ・グループが展開するグローバルGTシリーズ、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの2023年シーズン第4戦が10月7日（土）にアメリカ、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催され、チームWRTの30号車BMW M4 GT3（フィリップ・エング／ドリス・ファントール／シェルドン・ファン・デル・リンデ組）が8時間レースの勝者となった。

　このレースで30号車BMWのフィニッシュドライバーを務めたファン・デル・リンデは、ジュール・グーノン／マキシミリアン・ゲーツ／ラファエル・マルチェッロのトリオが駆る77号車メルセデスAMG GT3エボ（メルセデスAMG・チーム・クラフトバンブー）に53秒110の大差をつけて圧勝している。

　前年の優勝チームであるクラフトバンブーは、予選3番手からスタートし、BMW勢の後塵を拝するかたちで3番手を走行。レース時間が残り2時間を切きったところで当時先頭を走っていたアウグスト・ファーフス駆るチームWRTの31号車が、ターン1で33号車フェラーリ296 GT3（トリアルシ・コンペティツィオーネ）と接触し左フロントサスペンションにダメージを負って後退したことで2番手に浮上した。

　31号車BMWはガレージで修復が行われた後にレースに復帰したが12周遅れとなり、最終的に総合17位／IGTCプロクラス4位に終わった。一方、予選4番手から優勝した30号車のBMWは、4時間目に規定のスティントタイム65分を11秒超過したとしてドライブスルーペナルティを受け、姉妹車のBMWとファクトリーサポートを受けるメルセデスAMGチームの背後にまわることに。

　しかし、そこからファントールのエングのリカバリーが始まり、前述のファーフスのアクシデントがあった時点で総合2番手まで挽回していた。30号車の勝利はベルギーチームにとってアメリカでの初優勝となり、BMWにとっては2月下旬に行われチームWRTがワン・ツー・フィニッシュを収めたIGTC第2戦キャラミ9時間レースと、エングもステアリングを握ったローヴェ・レーシングのM4 GT3による第3戦スパ24時間の優勝に続く今季3勝目となっている。

　総合ポディウムの最後の枠を得たのは、ルカ・ストルツ／マーロ・エンゲル／ダニエル・ジュンカデラ組999号車メルセデスAMG GT3エボ（メルセデスAMG・チーム・グループMレーシング）だ。このクルマの最終スティントを任されたストルツは、レース最終盤に同門777号車の背後に迫ったが、2位には0.530秒届かなかった。

　このインディアナポリス8時間レースがシーズン最終戦となったファナテックGT・ワールドチャレンジ・アメリカ（GTWCアメリカ）のプロクラスを制した45号車ポルシェ911 GT3 R（ライト・モータースポーツ）が総合4位に。総合5位には同クラス2位となったポルシェ911 GT3 R（RS1）が入っている。なお、助っ人にクラスウ・バッハーラーを迎えたRS1のエリック・フィルゲイラス／スティーブン・マカリアー組は、今回のシーズン最終戦でプロクラスのドライバーズチャンピオンに輝いている。チームもタイトルを獲得し“2冠”を果たした。

　IGTCのポイントランキングを見ると、BMWが今大会終了時点で133ポイントとし、GT3マニュアクチャラー選手権でメルセデスAMG（124ポイント）を9ポイントリード。ドライバー選手権ではメルセデスAMGのグーノンが76ポイントで首位に立ち、これを68ポイントのエング、62ポイントで並ぶファン・デル・リンデとファントールのBMW勢が追いかけるかたちに。ランキング4位、5位のストルツ（58ポイント）とマルチェッロ（57ポイント）までがタイトル獲得の権利を有している。

　2023年IGTC次戦第5戦はガルフ12時間だ。今季最終戦となる同イベントはアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで、12月8～10日に行われる。