F1モナコGPでピエール・ガスリー(アルピーヌ)が受けたペナルティが再審請求を経て撤回され3位表彰台へ復帰したことを、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は驚愕を持って受け止めている。
ガスリーはモナコGP決勝でピットレーン速度超過を2度犯したとしてペナルティが科されていた。それを消化しないまま3番手でフィニッシュしたガスリーは、計10秒のタイムペナルティが科され、7位に降着していた。
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ただアルピーヌ側はペナルティの再審請求を実施。F1の計時システムを担当するFOMから提出された証拠から、計測方法とモナコ特有のピットレーン形状によって、ガスリーを含む5人のドライバーが実際には制限速度を超えていなかったにもかかわらず、速度超過していると誤って判定されたと認められた。その結果、ペナルティは撤回され、ガスリーはモナコGPの3位を取り戻すことができた。
この裁定に驚愕しているのがピアストリだ。彼はペナルティ撤回によって4位から5位へ降格しているが、それだけではなく先述のピットレーン速度違反で誤ってペナルティを受けたドライバーのひとりであり、さらにレース中に実際にペナルティを消化したドライバーでもあった。
ピアストリはペナルティの消化のために追加のピットストップを行なっており、それこそがガスリーの後方に落ちた理由だった。同様にペナルティを消化したことでポジションを落としたドライバーにはジョージ・ラッセル(メルセデス)がいる。なおラッセルはペナルティを正しく消化していなかったとしてドライブスルーペナルティを受け、表彰台争いの可能性を失っただけでなく、最終的にはポイント圏外に沈んでいる。
ピアストリが裁定に困惑しているのは、誤ったペナルティによってレースを損なわれたドライバーたちがいる一方で、ペナルティを消化しなかったガスリーだけが事実上恩恵を受けているように見える点だった。
「本当に信じられない決定だ」とピアストリは語った。
「同じ件で他のドライバーたちはペナルティを受けて、実際にレース中に消化している。それなのに、少なくとも5人か6人のレース結果に影響を与えたことが分かっていながら、ひとつのペナルティだけを後から取り消すなんて、驚愕だ」
「もちろん僕自身も順位を失った。でもジョージがどんな気持ちなのかを考えると、本当に気の毒だ。自分の目を疑ったよ」
「僕はペナルティを消化したからこそピエールに順位を奪われた。理屈で言えば、僕が3位であるべきだ。でも同じ理屈ならジョージが3位であるべきでもある。今や全体がめちゃくちゃになっている」
「彼らは非常に厄介な状況を作り出してしまった。どうやって収拾をつけるのか分からない。なぜなら今回できた前例によって、『ペナルティは消化せずに法的手続きに持ち込み、数ヵ月待ってからレース結果を決めればいい』ということになってしまうからだ。そんなレースを誰が望むんだ? “困惑している”というのが正しい表現だね」
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、この一件について次のように語っている。
「ペナルティを受けたマシンの中には実際にレース中に消化したものもあり、一方で消化しなかったマシンの中には後になってペナルティが取り消されたものもある。この状況は非常に難しい問題だ」
「我々はすでに上訴の意思を表明している。与えられた時間を使って検討し、正式に上訴するかどうかを決定するつもりだ。ただ現時点では、この件は極めて複雑なケースであり、我々としては上訴を検討すべきだと考えている、とだけ言っておきたい」
ガスリーのペナルティが取り消しとなったことで、アイザック・ハジャーの3位(4位へ降着)を失ったレッドブルのローレン・メキーズ代表も、裁定に困惑していると話す。
「我々が少し混乱しているのは、表彰台を失ったとか獲得したとか、そういうことではない。混乱している理由は、結局のところ、それが“控訴不可能なペナルティ”だからだ」
「レース中にはその控訴不可能なペナルティを受けたマシンと戦っており、その状況に応じて自分たちのレース戦略や戦い方も調整しているんだ」
「実際にレース中にペナルティを消化したマシンもあった。チームとして何を考え、そして自分たちの競争上の立場を守ろうとするにしても、レース終了時点で結果について明確さが確保されていることがファンのためにも非常に重要なことだと思う」
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みんなのコメント
運営側は、間違ったペナルティ発動でレースをぶち壊した責任を取るべきだし、それによって被害を受けた選手全員を救済できないなら、試合結果を安易に変更するべきではない。
正に前代未聞の不祥事であり、これほど納得のできないいい加減なレース運営は過去にも見たことがないと思う。