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日本でもポルシェがスープラの3倍? 激減した国産スポーツカーと大衆ブランドの絶滅危機

 スバルのBRZがモデルチェンジし、新型フェアレディZが発表された一方で、ホンダのNSXが生産終了、日産 GT-Rも厳しい状況になった。パワーユニットの大転換機を迎えた2021年、かつて若者たちが憧れ、オヤジたちが乗り回した国産スポーツカーは存亡の危機を迎えている。

 一方で、フェラーリをはじめとした超高級ブランドでは、今もこれからも輝かしいスポーツカーが生き残っていくことは確実視されている。

本当の本当にこれが最後!?? 世界最高峰の純ガソリンスポーツカー 日産GT-R 2022仕様発表! 価格は1082万円~

 そこで、どんな形なら国産スポーツカーが輝き続けることができるのか、EVスポーツカーはアリなのか、今とこれからの大衆スポーツカーのあり方について、自動車評論家の清水草一が考えた。

文/清水草一 写真/フォッケウルフ

【画像ギャラリー】国産スポーツカーの生き残り術を探る!

■大衆ブランドが販売するスポーツカーは「絶滅寸前」

スープラはこのBMW Z4の兄弟車として復活!

 スポーツカー冬の時代が到来して久しい。バブルが崩壊してからスポーツカーはずっと冬の時代。数えきれないほどの国産スポーツカー/スポーツクーペが消滅した。最近では、ホンダNSXとS660の生産終了が発表され、日産GT-Rも、次期型があるのかないのか微妙な状況だ。

 スポーツカーはかつて最もカッコいいクルマのカタチとされ、憧れだったが、現在その憧れは、それほど普遍的なものではなくなった(ここでいうスポーツカーには、ホットハッチやスポーツセダン等は含みません)。

 その一方で、国産メーカーのスポーツカーへの情熱は、依然として絶えてはいない。トヨタはBMWとの協業でスープラを復活させ、スバルとの協業では86/BRZをモデルチェンジ。レクサスにはLCやRCもある。日産は新型フェアレディZを発表した。マツダはロードスターを30年間大事に育てている。

 この状況は、世界的に見れば、涙ぐましい努力としか言いようがない。いまやスポーツカーを作っているのは、ドイツ御三家およびスポーツカー専業メーカー、あるいは超高級ブランドが主で、それを除けばほんの一握りに過ぎないのだ。一覧を見てみよう。

むしろこの時代に復活してきたアルピーヌA110は称賛したい

【イタリア】
・マセラティ MC20(超高級?)
・アルファロメオ 4C

【フランス】
・アルピーヌ A110

【アメリカ】
・シボレー コルベット/カマロ
・フォード マスタング
・ダッジ チャレンジャー

 なんと、たったのこれだけ! 大衆車ブランドにおけるスポーツカーは、コルベットが年間2万台以上、マスタングが6万台以上売れている北米を除いて、世界的にほぼ絶滅しようとしているのだ。

2019年に日本でも発表され、この春からデリバリがスタートしている新型コルベット

 そんななか、国産メーカーは、まがりなりにもこれだけの数のスポーツカーを作っているのだから、ビジネス抜きのクルマへの愛としか言いようがない!

■スポーツカー業界は腕時計業界とそっくり?

 一方で、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどの高級スポーツカーは隆盛を極め、販売台数をどんどん拡大しているのだから皮肉だ。

フェラーリのような高級スポーツカーは進化が止まらない!

 この状況は、腕時計業界と非常に似通っている。70年代、日本の腕時計メーカーはクオーツ技術で世界を席巻し、スイス製の機械式腕時計を絶滅寸前にまで追いやった。それは90年代、スカイラインGT-RやNSX、ランエボ、インプレッサが世界を席巻し、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェが会社存続の危機に見舞われた図式とそっくりである。

 ところが現在、その構図はほぼ逆転。生産個数を見ると、スイス製は世界のわずか2%だが、売上高では5割以上を占めている。腕時計業界は、スイス製の高級機械式腕時計と、その他の汎用品に完全に二極分化したのだ。

 スポーツカー業界はもっと極端で、売上高はもちろん、もはや生産台数でも、スーパーカー系が大衆車系と拮抗している。スイス製機械式時計が、宝飾品として完全に息を吹き返したのと同様、伝統的なスポーツカーブランドも、世界的な金余り現象とマッチして、宝飾品として驀進を続けている。

2022年いっぱいでの生産終了が決まった2代目NSX

 かつて国産クオーツ腕時計も国産スポーツカーも、性能(正確性や信頼性、速さ等)で他を圧倒したが、そういった性能が当たり前のものになると、宝飾品としての価値がすべてを握るようになった。その観点からすると、1000万円以上の国産スポーツカーが生き残るのは難しい。NSXが生産終了になったのは当然で、GT-Rも厳しいだろう。

 新型フェアレディZの価格は、500万円台から600万円くらいと噂されている。これはスープラのV6ターボの731万円に比べると大幅に安く、断然お買い得だが、台数は望めない。出してくれるだけで本当にありがたいですが……。

■ポルシェはスープラの3倍売れた⁉ 国産スポーツの現在地と今後

 今年上半期のスープラの国内販売台数は611台。一方フェラーリは566台、ランボルギーニも271台売れている。ポルシェはなんと3924台! ポルシェの場合は半分強がSUVだが、それでも911/ボクスター/ケイマンが、合計してスープラの3倍売れているわけで、大衆車ブランドのスポーツカーが、いかに追い詰められているかがわかる。

 最も台数が売れている国産スポーツカーが、マツダ ロードスターだ。今年上半期の販売台数は3237台。価格帯は260万円からで、だいたいフェラーリの10分の1だが、台数でフェラーリの6倍近く売れたのだから、売上高ではいいセンで戦っている。

4代目となる現行型ロードスター。歴代モデルとも世界的にファンを獲得している

 ロードスターの善戦は、世界的にも同様だ。2020年3月期のロードスターのグローバル販売台数は、2万6630台。フェラーリが約1万台だから、その3倍近い。内訳を見ると、日本国内が4518台。北米が9758台、欧州が11340台(日欧米を除く地域で878台)。

 ブランド意識の高い欧州で一番売れているのだから、本当に涙が出る。ロードスターには、フェラーリなどの欧州製超高級スポーツカーとはまったく対極の魅力があり、価格はそれらの10分の1。ここに国産スポーツカーの勝機がありまそうだ。というか、ここにしかないだろう。

 新型BRZの価格は、ロードスターより若干上で308万円からだが、おおむね同水準にある。86/BRZはデザインが凡庸なので、海外でロードスターほどの健闘は難しいだろうが、先代同様、先進国の一部クルマ好きの心に食い込み、日本車の意地を見せてくれるのではないだろうか?

国産スポーツカーを応援する筆者と先行きが不透明なGT-R

 とは言うものの、それも電動化されるまで。EVスポーツカーは有望との声もあるが、個人的には疑問だ。モーターには内燃エンジンほどの官能性はなく、EVになってまで、人々がスポーツカーにしがみつく理由はないように思える。テスラの1号車・テスラ ロードスターの加速は衝撃的だったが、すぐに飽きた。その後メジャーなピュアEVスポーツカーは出ていない。

 2030年以降、欧州やカリフォルニア州でCO2排出ゼロが義務化されたら、ポルシェが計画しているような高価なカーボンフリーガソリン(水素ガソリン)でしか、スポーツカーは生き残れなくなるだろう。トヨタが開発中の水素エンジンもあるが、まったくの未知数だ。そうなったら、スポーツカーは超高級車だけになる可能性が高く、国産スポーツカーも終わりを迎える。乗るなら今しかない!

【画像ギャラリー】国産スポーツカーの生き残り術を探る!

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