キッチンカー事業の初動阻む壁
キッチンカーの出店は一見すると手軽に思える。しかし、実際に動き出すと想像以上に障壁が多い。とくに大きな課題は、「出せる場所がない」ことだ。
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道路や公園などの公共空間では、原則として営業が認められていない。出店には営業許可が必要になるが、それを取得したからといって、すぐに営業できるとは限らない。許可を取ったのに場所が見つからず、結局出店できないケースも少なくない。
制度上は可能でも、現場では通用しない。そうした実務上のギャップが、事業の立ち上げを難しくしている。営業許可さえ取れば何とかなると考えていた事業者ほど、最初の一歩でつまずきやすい。
本稿では、このギャップの実情を、制度と運用の両面から整理していく。キッチンカービジネスの現実を、より具体的に見ていきたい。
公共空間の営業許可実態
とりわけ大きな壁となるのが場所の問題である。
キッチンカーの営業場所として思い浮かぶのは、
・駅前広場
・商店街の一角
・都市公園
などの公共空間だ。こうした場所で営業するには、複数の異なる機関からそれぞれ別の許可を取る必要がある。
例えば道路での出店には、警察署が発行する道路使用許可が必須となる。公園の場合は、公園管理者から設置管理許可を得なければならない。これらの許可制度は一見してわかりにくい。加えて、それぞれの許可には根拠となる法律が異なる。
食品営業許可は食品衛生法に基づき、保健所が設備や衛生状態をチェックする。道路使用許可は道路交通法に基づき、交通や歩行者への影響を警察が審査する。道路占用許可は道路法に基づき、道路の構造や維持管理の観点から別部署が判断を下す。
国道なら国土交通省、都道府県道なら各都道府県、市町村道なら市区町村が担当する。公園利用の場合は都市公園法が根拠となり、別の審査が発生する。
このように、営業場所によって取得すべき許可は大きく異なるのだ。
公共空間長期独占の実態
制度の複雑さだけがハードルではない。自治体ごとに運用実態が大きく異なるのだ。ある市で許可がスムーズに下りても、隣の市では却下されることも珍しくない。法律の条文は全国共通でも、現場の判断は地域ごとに異なる。これは法解釈に
「遊び」
を持たせるためだ。遊びがなければ、地域特性に対応できない問題が生じる。さらに、ローカルルールとして条例も影響力を持つ。安全確保や通行妨害を理由に拒否されることもある。
加えて、Park-PFI制度による公共空間の長期独占も壁となっている。Park-PFI制度とは、公共施設等運営事業法に基づく公園等の整備・運営に民間資金を活用する制度である。PFI(Private Finance Initiative)は、民間資金やノウハウを活用し、公共インフラや施設の整備・運営を行う仕組みを指す。
選定された事業者には最長20年の事業権が与えられ、公園の優良立地が囲い込まれる。認定計画者以外は、公園内の公募対象エリアに設置管理許可を申請できない。よい場所があっても、残るのは商業価値の低いエリアだけとなる。こうした複雑な事情が、キッチンカー業界への参入障壁となっている可能性が高い。
根回し重視の申請成功メソッド
安定的に出店を続ける事業者には共通の特徴がある。
まず、時間帯の選び方が挙げられる。交通量が少ない早朝や夜間を選び、交通への影響を最小限に抑えている。これにより、警察や自治体の懸念を軽減しているのだ。
次に、許可申請の前段階で条件をすり合わせる手法も多い。書類上の根拠だけでなく、現場の関係者と事前に話を通す根回しを重視した戦略である。
また、出店場所に対する柔軟性も重要だ。人気エリアやイベントに固執せず、住宅地や平日の穴場を狙い、許可のハードルを下げている。さらに、現地に足を運び、管理機関と直接会って対話する
「現場主義」
を徹底している点も大きい。こうした地道な努力の積み重ねが成功のカギとなっている。
出店成否を握る現場力
その一方で、追い風となる制度も登場している。前述のPark-PFI制度は、大きなビジネスチャンスでもある。この制度は2017年に都市公園法を根拠として施行された比較的新しい仕組みだ。
これまでに約200件の認定実績があるが、未実施の公園も多く、新規参入の余地は十分に残されている。制度を正しく理解し、条件を満たした事業者にとっては、長期的な安定経営にもつながる可能性がある。
また一部の自治体では、キッチンカー出店に関するルールが明文化されつつある。たとえば大阪市では、2021年の法改正を機に「大阪市露店による食品営業取扱要綱」が見直された。
さらに2022年以降は、大阪府内で取得した営業許可が府内全域で有効となっている。設備基準や営業許可の種類が整理されたことで、営業地域の自由度も広がった。
民間と行政の連携体制が整えば、そのエリアでの新規参入はよりスムーズになる。結局のところ、出店の可否は申請以前の段階でほぼ決まっているといってよい。
営業許可はあくまで出発点にすぎない。
・場所選び
・時間帯
・制度理解
・現場対応
といった一連の準備が、出店の成否を左右する。実情に即した地道な準備の積み重ねこそが、成功への近道となる。
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みんなのコメント
長居せず、20分程で売り切ってサッサと撤退する。
一体売っていたのは誰だったのだろうか。