MotoGPは後半戦最初の一戦となるイギリスGPから、フロントとリヤのタイヤ内圧を監視し、違反した場合にはペナルティを科すことになった。しかしアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は、その結果レースが退屈になると予想している。
全車に同一の計測システムが導入され、最低内圧(フロント1.9bar、リヤ1.7bar)に違反した者に対して罰則が与えられることになる。
■MotoGP、延期続いていたタイヤ最低内圧の監視をイギリスGPでスタート。違反者にはタイムペナルティ予定
当初このシステムは今季開幕から導入される予定だった。ただ、システムのテストと検証が続けられて、イギリスGPから監視が開始されることになった。
タイヤの内圧が高くなれば、タイヤが膨らむことでグリップは低下してしまう。そのためチームは内圧を低く保ちたいが、そうなるとタイヤが破損する可能性も高くなる。タイヤ内圧の監視は、そうした事態を避けるための安全対策なのだ。
だがエスパルガロは、タイヤの内圧が高くなりすぎないようにするため、レースでライダーが苦しむことになると考えている。
木曜日、シルバーストンでmotorsport.comの取材に応じたエスパルガロは、この新ルールについて「レースをより退屈なものにするためには良いアイデアだ」と語った。
「とても素晴らしいアイデアだよ。100%確実に、バイク同士の間隔が1秒くらいまで広がるからね」
「オランダGPの後にも言ったように……あの時はブラッド(ビンダー/KTM)より速かったんだけど、彼のブレーキングがすごく遅くてオーバーテイクできなかった。タイヤの内圧も高かったから、最終ラップに彼に近づいてオーバーテイクを試みるまで、ずっと1秒差でレースを戦っていたんだ」
フロントタイヤの内圧が手に負えなくなるまでのマージンは1barしかないと指摘。エスパルガロは、内圧の最低値は1.78~1.8barほどまで下げるべきだと提案した。
またエスパルガロは、安全対策として考案されたルール変更が逆に危険な事態を招き、それがミシュランの要求によって押し通されることになったのはなぜかと尋ねられ、次のように答えた。
「その質問は僕が彼らにした質問なんだ。バルセロナのターン1に2.2(bar)で到達したらどうなるか。どうやってバイクを止めるんだ? 誰かにぶつからないようにするためには? もっとスペースが必要になる」
一方でKTMのジャック・ミラーは、チームから安全だと保証されているため、問題ないと考えているという。
「僕としては、ドゥカティの方がより致命的な問題だと考えている。KTMではあまり気にならない」とミラーは言う。
「でも、エンジニアと話をして、彼らのフィードバックを理解し、ルールや罰則のことを聞くと……ある種の心配を覚えるのは確かだ」
「だから彼らが正しいことを祈っているし、僕たちは安全だから問題なくウインドウの中にいるはずだ」
プラマックのヨハン・ザルコは、この新ルールが支配的な強さを見せているドゥカティのアドバンテージを制限するためのものだと示唆したが、同じくドゥカティ陣営のマルコ・ベッツェッキ(VR46)はこれに反論。次のように述べた。
「僕としてはメーカーの問題ではない」
「レースでどのポジションにいるかだ。レースをリードしていたりトップグループにいる時と、中団にいる時は違うからね」
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
【MotoGP】スズキとヤマハは同じ直4エンジンだけど全く違う! 来季ヤマハ加入のリンス「全く違うクルマだ……でも走り始めから快適に感じられた」
ウイリアムズはなぜローガン・サージェントとの契約を1年延長したのか? 背景から考えるふたつの理由
野尻智紀、集まったファンの前でF1ドライブ! レッドブル・ホンダRB16Bと岩佐歩夢駆るSF23がもてぎで共演
2023年も未勝利に終わったハミルトン。“8月以降マシン開発をしていない”レッドブルF1の優位性を懸念
F1の予選フォーマットは「時代遅れ」とアロンソ。トラフィックの管理やトラックリミットなどのストレスに辟易
みんなのコメント