英国ではトヨタで2番目の人気予想
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
【画像】トヨタ・ヤリス・クロス 競合する欧州製コンパクト・クロスオーバーと比較 全122枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
人気に衰えはまったく見せない、クロスオーバー。自動車メーカーにとって、バンドワゴン効果を狙い、売上を伸ばすうえで外せないカテゴリーになっている。
コンパクト・クロスオーバーの分野では、トヨタは少し遅れを取っていた。だが、欧州でも認知度の高いコンパクトカーの名前を借り、車高を持ち上げたヤリス・クロスが投入された。
インパクトは大きい。英国では、通常のヤリスに次ぐ2番目の人気モデルになるだろうと予想されている。日本へは未導入ながら、2代目日産ジュークのライバルに相当する。
ヤリス・クロスが土台とするのは、ヤリスと同じTGNA-Bプラットフォーム。1.5Lのガソリン・ハイブリッドも共有している。だがサスペンションのストロークを長くし、兄貴分のRAV4とのつながりを感じさせるボディをまとっている。
特にフロントグリルやホイールアーチの処理は、RAV4での既視感がある。Bセグメントに属するクロスオーバーとしては珍しく、四輪駆動も選べる。
欧州においても、トヨタのハイブリッドSUVの1台として強力なメンバーになることは間違いない。ひと回りコンパクトで、独創的なルックスを持つクロスオーバーに生まれ変わるアイゴが2021年に追加されれば、そのラインナップは一層強化されるだろう。
今回英国で試乗したヤリス・クロスは、この地でのトップ・トリムグレードとなるダイナミック。英国価格は2万6465ポンド(396万円)が付けられている。オプションの四輪駆動だったが、こちらは2360ポンド(35万円)の別料金だ。
ハイペースでも驚くほど運転が楽しい
英国の場合、販売されるヤリス・クロスの半数を占めると予想されるのが、ミドルグレードのデザイン。こちらは、2万4140ポンド(362万円)に設定される。
英国導入を記念した、全部乗せのプリミエール・エディションも限定で用意された。こちらはお高めで、2万8185ポンド(422万円)からになる。
一般道へ出てみると、ヤリス・クロスはコンパクトSUVとしてはステアリングがダイレクトで、姿勢制御も良好。オリジナルのヤリスに通じる特長を持つ。郊外の流れの速い道でも、意外にも驚くほど運転が楽しい。
同時にヤリス・クロスが殆どを過ごすであろう、都市部の道との相性も良い。動的特性ではフォード・プーマに並べないとしても、日産ジュークよりは優れていると感じた。
トヨタとして最新版となるハイブリッドは、より性能を高めてあるが、エキサイティングさは低いまま。発進時は電気モーターだけだが、すぐに3気筒エンジンが目を覚ます。システムの完成度は高く、ヤリス・クロスのボディを苦もなく引っ張ってくれる。
0-100km/h加速は11.2秒。平均的な家族が、平均的な運転をするのに不足ない。日産ジュークやルノー・キャプチャーといった競合と、歩調を合わせる加速感だ。
CVTも大幅に改良を受けているが、アクセルペダルを深く踏み込むと、従来のように不機嫌そうなエンジンノイズが大きめに生じる。惰性走行に切り替わると、エンジンはすぐに停止する。
多くのクロスオーバー・ユーザーの場合、鋭い加速を求めることは稀なはず。気になる場面は限定的だと思う。
質感の良いスマートで機能的なインテリア
燃費効率は優れている。電気モーターで連続して走れる距離は数kmといったところだが、穏やかに市街地を流していると、電気モーターだけの時間も比較的多い。試乗車の場合、19.8km/Lの燃費と、117g/kmのCO2排出量がうたわれる。
乗り心地にはしなやかさがあるが、ダイナミック・グレードの履く18インチ・ホイールのおかげで、硬いと感じる境界線。ユーザーの殆どは、16インチか17インチのホイールを選ぶだろう、と英国のトヨタは考えているようだ。
インテリアは、スマートで機能的。素材の質感も良好だ。インフォテインメント・システムも、大幅に改善されている。9.0インチのタッチモニターがこのグレードの標準で、表示は明瞭で直感的に操作できる。
加えて、実際に押せるハードボタンもエアコンなど主要なインターフェイスに残されている。こちらも評価したい。荷室容量は、このクラスでは大きいといえる360L。でも、日産ジュークより小ぶりではある。
リアシートの空間は、大人には限定的。若いカップルや結婚したての夫婦など、コンパクト・クロスオーバーのターゲット層には不満のない広さとはいえる。
訴求力ある選択肢が新登場
英国仕様のダイナミック・グレードには、18インチ・ホイールのほかに、ルーフがブラックになる2トーン・ボディも与えられる。インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応。前席にはヒーターも内蔵される。
エントリーグレードでも、バックカメラやアダプティブ・クルーズコントロールなどが標準装備。モデルを通じて、ヤリス・クロスの装備は充実している。
ドライビング体験のダイナミックさで、競合のクロスオーバーに勝ることはないと思う。実用性の面でも、平均的な水準だ。しかし大胆な見た目と感心する燃費性能、高品質なインテリアが備わり、実力は充分。運転も、楽しいと感じさせてくれる水準にある。
昨今のコンパクト・クロスオーバーは競争が激しい。訴求力ある選択肢が、新たに登場したといえるだろう。
トヨタ・ヤリス・クロス・ダイナミック(英国仕様)のスペック
英国価格:2万6465ポンド(396万円)
全長:4180mm
全幅:1765mm
全高:1560mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:11.2秒
燃費:19.3-20.0km/L
CO2排出量:112g/km
車両重量:1175kg
パワートレイン:直列3気筒1490c自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/5500rpm(エンジン)/80ps(フロントモーター)
最大トルク:11.8kg-m/3600-4800rpm(エンジン)/14.3kg-m(フロントモーター)
ギアボックス:CVT
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