トヨタのセダン・イノベーションの一環として企画され、人気を集めたラウム。当時のコンパクトカーとしては珍しく、両側スライドドアを採用し、細部にわたってユーザー思いの技術を組み込んだ一台だ。ラウムには、今でも目を引く機能や機構が満載。使い勝手の良いクルマのポイントを、ラウムを通して振り返ってみたい。
文:佐々木 亘/画像:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】時代を先取りした機能が盛りだくさん!! やっぱトヨタ ラウム最高すぎるでしょ……!!(10枚)
ドアにこだわったラウム
1997年に登場したラウムは、ロングホイールベースに両側スライドドアという、居住性にほぼ全振りしたようなクルマだった。車名はドイツの「空間(RAUM)」から付けられたもの。その名の通りに、居住性や空間に関するこだわりが、随所にみられる。
まずは居住性の第一歩目、乗り降りの部分。これはスライドドアを採用することによって、ヒンジドアよりも大きく改善した。
ドア開閉空間が少なく済んで、開口部も広い。また、スライドドアにはオープンロック機構が備わり、坂道でも勝手にドアが閉まらないといった工夫があった。さらに、スライドドアにはパワーウィンドウが備えられているのだが、これもこの時代としては珍しかった。
そして、ヒンジ形式で開閉するフロントドアにも工夫が。なんとドアヒンジの取付角度が従来車よりも約7度傾いている。
これによって、ドアの上部がより大きく開閉することができるようになっているのだ。荷物を持ったりリュックを背負ったりしながら乗り込む際にも、荷物が引っかからずにスムーズに乗り込むことができる。
さらにバックドアにも工夫が。このクラスのワゴンでは今でも珍しいだろう、横開き式なのだ。車両後方が狭い状態でも、開閉しやすいバックドアである。
ドアへのこだわりが尋常ではないラウム。快適な室内空間へ誘う入り口も、ラウムの哲学では快適でなければならない。
充実の室内空間
小さなボディだが、室内は非常に広いラウム。特に室内を自在に移動できるウォークスルーが当時のセミコンパクトワゴンとしては異例の採用となり、抜群の使い勝手を誇るのだ。現在の軽ハイトワゴンやトールワゴンで当たり前になっている機能を、ラウムは10年も20年も間から採用していた。
さらに現代のトールワゴンとは一線を画しているのが、車両全高の低さ。初代ラウムは1535mmとほぼ全ての立体駐車場へ収まるサイズ感なのである。こうした高いスペース効率を誇るファミリーカーがもっと増えても良いと思う。
時代を大きく先取りしながら、後輩たちに有益な機能を示し続けてきたラウム。現代のファミリーカーたちも、思わず「うむうむ」と唸ってしまうだろう。
ランクル250で使われている技術はラウムが発祥?
初代ラウムは自動車修理費用の低減にも目を向けたクルマだ。バンパーには上下2分割方式を採用して、軽い損傷時には交換部品を小さくできる。この工夫は部品代を安くし、修理にかかる時間も減らしてくれるのだ。
同じような発想は、これ以降のSUVやコンパクトミニバンに数多く取り入れられた。素地のフェンダーアーチモールや、ランドクルーザー250で注目を浴びたフロントバンパーの分割思想も、ラウムが発祥といっていいと思う。
2代目になっても、独特の空間へのこだわりは変わらず、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインを取り入れてさらに魅力を高めたラウム。
ルーミーが好調に売れている今、ラウムのような高効率なクルマが増えても面白そう。2011年に姿を消したラウム、後継のスペイドも今では姿を消している。ルーミーは背が高すぎて乗れないという人のために、ラウム復活を熱望したい。
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みんなのコメント
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子供が小さく、カミさんも運転に自信がない頃、コンパクトでスライドドア、後席ウォークスルーはめちゃくちゃドンピシャでしたが、いかんせん走りが…
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