「カーボンニュートラル」「ZEV」「LCA」の意味は?
カーボンニュートラル、ZEV、LCA……。最近、クルマに関するニュースのなかで、よく見かける言葉だが、それぞれがどういう意味でどう関連しているのが、実はよく分かっていないという人も少なくないのではないだろうか。
新車が消えゆくのは仕方ないが……すでに所有している「ガソリン車」にすら乗れなくなる可能性!
ここではそれらがどういう風に関連しているのかを解説していこう。
まずは、カーボンニュートラルについて。カーボンとは、二酸化炭素(CO2)のことだ。ニュートラルは中立(ちゅうりつ)を意味する。
中学校の理科(化学)の時間を思い出すと、酸素と二酸化炭素をつくる実験があったと思う。火が燃えるのは空気中に酸素があるから、そして二酸化炭素は森林など自然界が吸収してくれる、といった内容の授業だったのではないだろうか。
本来、地球上では二酸化炭素が上手く循環しているが、人間が社会活動を拡大する中で、地球全体での二酸化炭素の循環のバランスが崩れてきているという解釈がある。
また、二酸化炭素は代表的な温室効果ガスといわれており、地球全体の気温が上昇する地球温暖化をもたらし、その結果として世界各地で予測が難しい様々な気象変動が発生しているという考え方が世界の主流になっている。
そうしたなか、地球温暖化に対して、世界の国や地域で共同で議論する国連のCOP(気象変動枠組条約締約国会議)に関する報道に、近年日本でも注目が集まっている。
COPなど世界的な会議で話し合われているのが、カーボンニュートラルである。地球上の二酸化炭素のバランスを俯瞰して、二酸化炭素の出る側と吸収する側を足し合わせて、理論上(実質的に)二酸化炭素の排出量をゼロにするため、人間が積極的な行動を起こそうというのだ。
カーボンニュートラルをどの立ち位置で考えるか
では、どうやってカーボンニュートラルを実現しようとしているのか?
カーボンニュートラルのための方策は大きくふたつある。ひとつは、人間がさまざまな活動を見直すことで、排出される二酸化炭素を減らすことだ。もうひとつは、森林を保護するなど自然環境に対する配慮を進めることである。
前者について、乗用車、バス・トラック、飛行機、船など輸送部門から排出されるのは全体の3割前後と言われている。残りは発電などのエネルギー関連や、各種製品をつくる製造工場からの排出だと考えられている。
その上で、クルマについての対処法は、排気ガスを減らすこと、または無くすことだ。排気ガスを減らすためには、内燃機関の負担を減らすことにつながるため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の必要性が高まる。そして、排気ガスが出ないクルマとしてEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)があり、これらはZEV(ゼロエミッションヴィークル)とも呼ばれる。
ここで問題となるのは、EVの場合でも、バッテリーなど電動化部品の製造や、クルマとしての最終組立工程で二酸化炭素は排出されており、またエネルギー源である電気をつくるために石油や天然ガスなど化石燃料を採掘、輸送、そして燃焼さえることで二酸化炭素は排出される。
こうした製品の成り立ちをトータルで考えるため、LCA(ライフサイクルアセスメント)というか考え方がある。
LCAの観点で、たとえばEVとプラグインハイブリッド車を比べて、トータルでの二酸化炭素の排出量がどうなるのか?
それは、走行に使用する電気、または車両生産工場で使用する電気を太陽光や風力による再生可能エネルギーを使うかどうかなど、メーカーやモデルによって状況は大きく違うため、一概にどちらが有利とは言い切れないと思う。
いずれにしても、カーボンニュートラルはクルマの未来にとって大きな変化をもたらすことは間違いない。
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