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プリウスPHV GTがライバルを圧倒。10秒差を築くポール・トゥ・ウインで今季初優勝【第6戦GT300決勝レポート】

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プリウスPHV GTがライバルを圧倒。10秒差を築くポール・トゥ・ウインで今季初優勝【第6戦GT300決勝レポート】

 10月24日、2021年のスーパーGTの第6戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』の決勝レースが、大分県日田市のオートポリスで行われ、GT300クラスは31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)がトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインで勝利を手にした。

 2位には今季初表彰台となるK-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南) が、3位にはドライバーズランキングトップを守る61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が続いている。

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 昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でスーパーGTの開催がなかったオートポリス。そのため、今大会は2019年9月に行われた第6戦以来約2年ぶりの九州ラウンドとなる。また、シーズン中、各車がもっともウエイトを積んだ状態で挑むラウンドとなるため、今後のタイトル争いを占う意味でも重要な一戦となった。

 前日に行われた公式予選では、サクセスウエイト(SW)0kgで挑む31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが、今季初ポールポジションを獲得した。また、2番手には第5戦を終えてランキングトップとなり、100kgのSWを積む61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが、3番手にSW:65kgの52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)と、GT300規定マシンがトップ3を占める結果となり、4番手にFIA-GT3勢最上位であり、SW:75kgを積む65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が続いた。

 なお、19番グリッドスタートとなったグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)は、グリッド試走時間終了までにコースインすることができず、ピットスタートとなった。

 公式予選が行われた前日は快晴に恵まれるも、24日は厚めの雲がオートポリスを包み、時折り日差しが差し込む天候に。気温12度、路面温度20度、湿度61%と冷え込むコンディションのなか、2周のフォーメーションラップを経て、65周の決勝レースは13時36分にスタートを迎えた。

 ポールスタートの31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの中山がホールショットを守るも、2番手スタートの61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内は早くもオーバーテイクの機会を狙うも、順位が変わるまでには至らず。

 トップの中山から3番手の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT川合までが1秒以内という僅差で2周目に入るも、その差は徐々に広がりを見せ、6周目時点で上位勢はそれぞれ1秒以上のギャップを開けながら周回を続けることに。
 
 8周目、26番手を走行していた22号車アールキューズ AMG GT3の和田久が第2ヘアピン(30R)でスピン状態となり、コースサイドのコンクリートウォールに接触、フロントに大きなダメージを受けてストップしてしまう。コースから離れたショートカットエリアまで滑るかたちで停車したが、フル・コース・イエロー(FCY)が導入され、その1周後の13時55分にはセーフティカー(SC)に切り替えられた。

 このSC導入時点で気温は16度、路面温度は21度と、スタート時より上昇を見せた。アールキューズ AMG GT3の回収、そしてGT500/GT300とそれぞれクラス別に隊列が組み直されると、13周目にはピットレーンオープンとなった。ここで244号車たかのこの湯 GR Supra GTがピットイン、燃料補給のみのスプラッシュで最後尾でコース復帰した。

 16周目にリスタートを迎えたが、上位勢の順位はスタート時から変わらず。そんななか、リスタート早々に、GT500クラスのトップを走るRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの右リヤタイヤが外れたアクシデントが発生。SC導入かと思われたが、ここではSCは入らず。

 しかし、その直後の17周目には35号車 arto RC F GT3のショーン・ウォーキンショーと、35号車のインをついた48号車植毛ケーズフロンティア GT-Rの内田優大が接触。48号車植毛ケーズフロンティア GT-Rは外側のウォールに接触し大きなダメージを受けストップするアクシデントが発生し、2度目のSCが導入されることになった。

 SC導入中の20周目には10号車GAINER TANAX with IMPUL GT-Rの星野一樹、9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrariの木村武史がピットイン。21周目には55号車ARTA NSX GT3の高木真一、87号車グランシード ランボルギーニ GT3坂口夏月が、タイヤ交換実施してコースに復帰した。

 23周目、2度目のリスタートが切られると同時に、多くの車両がピットイン。そのなかにはスプラッシュを実施した87号車グランシード ランボルギーニ GT3も含まれていたが、スタート手順違反によりドライブスルーペナルティが課せられてしまい、上位進出とはならなかった。翌周には3番手の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT、4番手の65号車LEON PYRAMID AMGもピットへと飛び込む。

 28周目には96号車K-tunes RC F GT3が、29周目には31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTと上位勢もピットインを実施。続く30周目にSUBARU BRZ R&D SPORT山内もピットに入った。61号車の第2スティントを担当する井口卓人は、31号車嵯峨の前の実質の首位のポジションでコース復帰。しかし、アウトラップでタイヤが冷えるなか、31号車、96号車阪口にかわされ実質の3番手に後退することになった。

 レースも折り返しを過ぎた37周目、31号車嵯峨は、ハイブリッドパワーと、SW:0kgの軽さも活かし、1分44~45秒という驚異的なペースで後続の96号車に12秒以上の大差をつけて周回を重ねる。一方の96号車阪口は61号車井口卓人の接近を許す展開に。2台は1秒以内の接近戦を展開する。

 最後までピットインを引っ張った11号車が40周目にピットに入り、これで31号車がトップに返り咲く。その時点で2番手96号車に対し14秒、3番手61号車に対し16秒という大差を築き周回を重ねた。その背後では52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田がペースを上げて、3番手の61号車井口の背後に接近。2台は46周目の1コーナーでサイド・バイ・サイドの戦いを見せるも、61号車井口がポジションを守り切る。

 残り3周となった59周目には61号車、52号車の背後に11号車が接近。表彰台をかけた争いは三つ巴の様相を呈することとなったが、順位は変わらず。
 
 2位との10秒という大差を築く磐石の走りを見せた31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが61周目のトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインで今季初勝利、そして現行プリウスPHVGTとしては初優勝を飾った。2位には、今季ようやくレギュラーラインアップでの参戦が叶ったK-tunes RC F GT3、3位にはポジションを守り切った61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが続いた。

 4位に52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT、5位には22番手スタートの11号車GAINER TANAX GT-R、6位にはピットスタートから追い上げを見せたグッドスマイル 初音ミク AMGが続いた。7位にはスプラッシュでポジションアップに成功した10号車GAINER TANAX with IMPUL GT-R。8位には65号車LEON PYRAMID AMG、9位には9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrari、10位の25号車HOPPY Porscheまでがポイントを獲得した。

 一方、ランキング2番手で第6戦を迎えた65号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは14位。ランキング3番手だった244号車たかのこの湯 GR Supra GTは16位でチェッカーを受けている。

 2021年のスーパーGT、次戦となる第7戦『MOTEGI GT 300km RACE』は11月6~7日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎで行われる。ウエイト搭載量が軽くなるなか、29台のマシンはどのような戦いを繰り広げるのだろうか。

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