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テスタロッサにルッソ……「昔の名前で出ています」 フェラーリは昔のネーミングを復活させるのが大好きだった

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テスタロッサにルッソ……「昔の名前で出ています」 フェラーリは昔のネーミングを復活させるのが大好きだった

 この記事をまとめると

■フェラーリは自社の古き良きネーミングや称号を使うのを好む傾向がある

エンジンの快音がウリのフェラーリもついにBEVを出す! そこに「フェラーリらしさ」はあるのか今ある情報をまとめた

■具体的な車種をピックアップしてネーミングの意味と由来を解説する

■ネーミングを復活させるにしても残されたビッグネームはもう多くはない

 往年のネーミングにこだわってきたフェラーリの歴史

 フェラーリから先日、「SF90ストラダーレ」の後継車となる「849テスタロッサ」が発表された。その詳細は、すでに先日もリポートしたとおりなので、ここで再度それを解説しようとは思わないけれど、驚いたのはそれに「テスタロッサ」の名が与えられていたことだ。今回は、フェラーリがどれだけ昔のネーミングや称号をリバイバルして使うのが好きなのか、という話をしよう。

 まずはその「テスタロッサ」からだ。テスタロッサという車名から多くの人が最初にイメージするのは1984年に誕生した、180度V型12気筒エンジンをミッドシップし、ボディサイドの美しいフィンを特徴とする先代テスタロッサだろう。さらに時間をさかのぼれば、1958年の世界スポーツカー選手権において、フェラーリにマニファクチャラーズタイトルを獲得させる原動力となった「250テスタロッサ」もある。

 また、このテスタロッサの略称である「TR」は、1956年の「500TR」に始まり、1957年の「500TRC」、1962年の「330TR」にも使用されているが、それもまた1991年にテスタロッサのマイナーチェンジ版である「512TR」で復活を遂げている。

 500TRより前の1953年に、2リッターの直列4気筒エンジンを搭載して登場した「500モンディアル」の名前も、1980年に3リッターのV型8気筒エンジンをミッドシップする2+2モデル、「モンディアル8」でリバイバルした。モンディアルとは「世界」を意味する言葉。運動性能とともに高い実用性を誇るモンディアルは世界戦略車でもあったのだ。

 先代のテスタロッサが発表された1984年には、フェラーリにとっては至宝ともいえる「GTO」の称号を掲げたモデルも誕生した。「GTO(288GTO)」がそれで、これは1962年から1964年までに39台が生産された、「250GTO」以来となるリバイバル。

 さらにフェラーリは、2010年にはサーキット専用車の「599XX」をロードバージョンとして公認させるというシナリオのもとで、「599GTO」を生み出している。ちなみに両車の生産台数は、(288)GTOが272台、599GTOは599台とされる。

 フェラーリが作る高級グランツーリスモ

 2002年に発表された「575Mマラネロ」のオープン仕様として、2005年に559台が限定販売された「スーパーアメリカ」の名も、そもそもはフェラーリが1950年代から1960年代にかけて生産していた高性能でかつ高級なGTに与えられていたネーミングだった。

 1962年にはこのGTシリーズの下に「250GT ベルリネッタ・ルッソ」が誕生するが、高級を意味するルッソという言葉が、2016年にそれまでの「FF」の後継車となる「GTC4 ルッソ」に受け継がれたのは記憶に新しいところだろう。

 2008年に誕生した2+2クーペカブリオレに与えられた「カリフォルニア」という車名も、フェラーリのファンには特別な響きをもって迎えられたに違いない。1957年に登場した「250GTカリフォルニア」や、1966年デビューの「365カリフォルニア」など、フェラーリが生み出すオープンカーはどれも流麗なものばかりだったのだから。

 話を前で触れたスーパーアメリカのラインに戻そう。それまでの「400スーパーアメリカ」は、さらに高性能なGTを求めるカスタマーのために1964年に「500スーパーファスト」へと進化を遂げることになるのだが、フェラーリはこのスーパーファストのネーミングも、2017年に12気筒モデルの「812スーパーファスト」でリバイバルしている。

 ちなみにその前身となる「F12ベルリネッタ」では、かつて1956年から1959年まで生産された「250GT」に与えられた愛称、「TdF」(ツール・ド・フランス)を掲げた799台の高性能仕様が限定販売された。

 フェラーリが自らの歴史を讃え、過去のモデルをモチーフとした刺激的な限定車を、特別なカスタマーのために販売するICONA(イーコナ)シリーズからは、すでに「モンツァSP1」、「モンツァSP2」、「デイトナSP3」の3モデルが登場しているが、モンツァの名は1954年の「250モンツァ」や「750モンツァ」、あるいは1956年の「860モンツァ」などから受け継がれたもの。一方のデイトナは、1968年に誕生した「365GTB/4」の愛称だ。

 はたしてフェラーリは、これからどのようなネーミングを復活させ、ファンを喜ばせてくれるというのか。残されたビッグネームは、もうさほど多くはないはずだ。

文:WEB CARTOP 山崎元裕
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みんなのコメント

15件
  • AE613400
    商標の有効活用でしょうね。Hondaなどは四輪と二輪で行ったり来たりすることもある。インテグラとかビートなど。
  • 藍流頓瀬奈
    かくいううちのバモスも先代は360cc時代から飛んで660cc、世紀末に蘇っている。
    商標の問題からか新しい名前考えるより過去使っていた商標再利用したほうがトラブルになりにくい。
    ホンダやスズキなら二輪が四輪に四輪が二輪にと跨がって使われる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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