現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 250cc直4ヒストリープレイバック・スズキ編【世界初の量産モデルはスズキから】

ここから本文です

250cc直4ヒストリープレイバック・スズキ編【世界初の量産モデルはスズキから】

掲載 12
250cc直4ヒストリープレイバック・スズキ編【世界初の量産モデルはスズキから】

クオーター4気筒グレートヒーローズ

約30年ぶりに復活する250cc4気筒マシン・カワサキ Ninja ZX-25R。本特集では往年のZXR250(’90)の実力を再検証してきたが、その当時このカテゴリーで覇を競い合ったライバル車たちの存在も忘れてはならない。本ページでは、世界で初めて250cc直4マシンを量産したスズキの歴史的展開について解説する。

「量産ロータリー&直4 DOHCほか」編~時代を切り拓いた革新のマシンたち~[1965-1984]

●文:沼尾宏明/宮田健一 ●写真:真弓悟史

〈特集〉250cc4気筒・音速伝説

世界初の量産250cc直4。VC機構で完熟へ

250ccクラス世界初の直4エンジンを実現したのは、’59年のホンダRC160。しかし、RCはあくまでワークスレーサー。そのコストは計り知れないものだった。そんな遠い存在だったエンジンを、’83に世界で初めて市販車クラスにもたらしてくれたのがスズキ。しかも、水冷というのは空冷だったホンダRCから20年以上を数えるにふさわしい当時の最新トレンドだった。

’83スズキGS250FWに搭載された世界初の水冷250直4は、DOHC2バルブと、車体幅を詰めるために2バレルとした2連装キャブレターを採用し、最高出力36psを発揮。これは当時の250クラスを席巻していたヤマハRZやホンダVTを1ps上回るものだった。

ただ、排ガス規制が今ほど厳しくなかった当時では、パワー競争においても技術面や生産コスト面においても2ストの方が4ストより圧倒的に有利だった。スズキ自らクラスの頂上対決は2ストのRG250Γに任せ、250cc直4が表舞台に立つのはGSX-R250が登場する’87年まで少々遅れることとなった。

4バルブ化で高回転性能が飛躍的に伸びたGSX-R250のエンジンは、その後にバンディットやカタナ、アクロスといったマシンにも転用され熟成を重ねていく。そして、よく回る代わりに低中速トルクが細くなってしまいがちという250直4の弱点も、可変バルブタイミングのVC機構で克服してみせたのだ。

世界初の量産250cc直4は’83スズキから

◆’83 GS250FW:スズキ250直4の始まりはいきなり水冷で実現

高まるクラス人気に、250にも高性能の直4を求める声が急増。それに応えたのがスズキだった。世界初の水冷250cc直4は、RZやVTより1ps多い36psを発揮。角断面のスチールフレームやアンチノーズダイブ機構、それにフロント16インチタイヤなど、当時先端のセールスポイントも併せ持っていた。’84年型で2psアップの38psとなったが、ライバルたちの進化ぶりがそれをはるかに上回っていたため、250にもGSX-Rの登場が待ち望まれることとなった。

―― 【’83 SUZUKI GS250FW】■水冷並列4気筒DOHC2バルブ 249cc 36ps/11000rpm 2.3kg-m/10000rpm 158kg(乾燥) ■タイヤF=100/90-16 R=100/90-18 ●当時価格:47万9000円 ※諸元&価格はハーフカウル仕様

―― 世界初の水冷250直4には、2バレルのキャブレターが2連装でセットされ、ピークパワーは1万1000回転で発生していた。

当時のライバルはVT250F&RZ250他 GS250FWが出た当時は、VT250FやRZ250Rが2大巨頭として250の頂点をめぐりシノギを削っていた。これらに勝つためにメカニック的にも格上となる直4エンジンの採用は必然的なものだった。が、スズキは超過激2ストRG250Γの開発も並行し、GSの2か月前に発売。GSはΓ人気に食われてしまった感があった。

―― [YM’83/6月号テストより]

GS250FWの直4は、その後パワーアップしてGF250シリーズに採用されていった。軽量化も行われたが、せっかくの「世界初250直4」という肩書きも、ネイキッドやツアラー然としたスタイルから、当時のレプリカブームの中で主流となることはなかった。

―― 【’85 SUZUKI GF250】41ps

―― 【’86 SUZUKI GF250S】45ps

’83年のGS250FWで幕を開けたスズキ250cc直4マシンの歴史は、次ページのGSX-R250シリーズ、バンディットシリーズへと継承される。

関連タグ

こんな記事も読まれています

なんで今でもこんなカッコいいの……サンルーフの開き方なんて痺れるぜ!!  やっぱ2代目ハリアーこそ至高!!  内装のデキ伊達じゃなかったのよ!
なんで今でもこんなカッコいいの……サンルーフの開き方なんて痺れるぜ!!  やっぱ2代目ハリアーこそ至高!!  内装のデキ伊達じゃなかったのよ!
ベストカーWeb
コンパクトなのに積載性ハンパなし!? [新型WR-V]はキャンプにもピッタリ! ホンダが提供する新たなライフスタイルとは?
コンパクトなのに積載性ハンパなし!? [新型WR-V]はキャンプにもピッタリ! ホンダが提供する新たなライフスタイルとは?
ベストカーWeb
2024年3月 中古車相場 値上り・値下りランキング ランクル70、高値傾向に
2024年3月 中古車相場 値上り・値下りランキング ランクル70、高値傾向に
グーネット
【2024年3月 中古車見積ランキング】プリウス(50系)がトップに返り咲き
【2024年3月 中古車見積ランキング】プリウス(50系)がトップに返り咲き
グーネット
GTワールドチャレンジ・アジアがセパンで開幕。8台参加の日本勢はDステーションが総合6位入賞
GTワールドチャレンジ・アジアがセパンで開幕。8台参加の日本勢はDステーションが総合6位入賞
AUTOSPORT web
キャンプにオススメ!野外での“トイレ事情”を解決する「キャンパートイレ」発売
キャンプにオススメ!野外での“トイレ事情”を解決する「キャンパートイレ」発売
グーネット
三菱 コンパクトSUV「ASX」改良モデル発表 “ダイナミックシールド”強調した新デザイン
三菱 コンパクトSUV「ASX」改良モデル発表 “ダイナミックシールド”強調した新デザイン
グーネット
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
「ランクル250販売前線」悲喜こもごも?? 意外に多い「辞退客」とは? ディーラーごとに対応は千差万別だった
ベストカーWeb
テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
テスラ「モデル3」 最高速262キロ!専用デザインの新グレード「パフォーマンス」追加
グーネット
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
ヒョンデ、高性能EV「IONIC 5 N」の国内仕様車の概要を発表 4月25日から期間限定モデル「First Edition」の購入予約受付を開始
月刊自家用車WEB
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
「サーキット以外の場所でやることにも意味があったと思う」盛り上がりを見せた岩佐歩夢発案のSFキャラバンが成功裏に終了
AUTOSPORT web
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
新型スイフトスポーツも新型ワゴンRも24年夏に登場予定か!? スズキは計5台の新型を投入で戦力アップなるか
ベストカーWeb
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
Auto Messe Web
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
スーパーカーオーナーさん、いらっしゃい──新型ヒョンデ アイオニック5 N試乗記
GQ JAPAN
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
愛犬家は要チェック!?ルノー「カングー」最長1年間貸与!モニターキャンペーン実施
グーネット
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
軽からミニバンまで!車中泊にぴったりの厚さ8cmマット、新デザイン登場 ベアーズロック
グーネット
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
BMW 燃料電池車「iX5 ハイドロジェン」 日本での実証実験を2024年も継続
グーネット
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
【24’ 4/22最新】レギュラーガソリン平均価格、再び175.0円に値上がり
グーネット

みんなのコメント

12件
  • 世界初はベネリクワトロだと思う。
  • 1983年2月のRG-Γの登場で、レーサーレプリカが販売渦中になってしまいました。
    RZ350/250 今ではオーソドックなスタイルですが、1980年発売当初は、『市販レーサーTZ』のコピーに見えたのですから、私的にはGS250FWも世界耐久に出場していたGSに見えましたね。
    (1983年9月ごろに発売されたGSX-R耐久レーサーレプリカでしたね)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村