8月16日、タイのパタヤを拠点にAXCRアジアクロスカントリーラリー2025の最終日となるレグ8が行われ、チーム三菱ラリーアートのチャヤポン・ヨーター/ピーラポン・ソムバットウォン組(112号車ミツビシ・トライトン)が3年ぶり、2度目の総合優勝を飾った。
今年で30回目の開催を数えたAXCRは、このメモリアルイヤーを祝し例年より日程を延長したうえで、タイとカンボジアの2カ国を跨ぐ延べ3200km以上のルートを予定するも、両国の軍事衝突による影響を受けタイでの単独開催に変更された。また、開幕直前には国境近くのルートをとるレグ4とレグ6がキャンセルに。このため、ラリーは2度の休息日を挟むかたちで実質6日間で争われることとなった。
最終日の“試練”を乗り越え、三菱ラリーアートが2022年以来のAXCR総合優勝「悔しい思いをバネに1年間頑張ってきた」
■前半戦はトヨタ、ミツビシ、いすゞの三つ巴
そんな2025年大会は8月8日金曜にパタヤでのセレモニアルスタートで華々しく開幕し、翌9日土曜から競技がスタートした。ラリー初日にトップに立ったのは元7連覇王者のナタポン・アングリッツァノン(トヨタ・ガズー・レーシング・タイランド/113号車トヨタ・ハイラックス・レボ)で、2番手にミツビシ・トライトンを駆るヨーター、3番手には前年2位のスワット・ライジラピニャ(いすゞ・スパン・ヨコハマ・リキモリ・レーシング・チーム/102号車いすゞD-MAX)が続き、3メーカーによる激しい戦いを予感させた。
ベテランのアングリッツァノンはレグ2でも総合首位の座を守ったが、前半戦最後のレグ3でクルマの足回りに問題が発生し大きくタイムロス。総合11番手まで順位を落としてしまう。代わって3年ぶりの王座奪還を目指すミツビシの“エース”が新たなラリーリーダーとなる。ヨーターは13日水曜のSS5でスタックする場面があり走行再開に約20分を要したものの、後半戦初日のレグ5後も首位の座をキープした。
一方この日は、レグ3後に総合2番手に浮上していたライジラピニャが、いすゞD-MAXのフレームが折れ荷台が後方にずり落ちるトラブルに泣き優勝争いからの脱落を余儀なくされた。これにより2024年の王者、マナ・ポーンシリチャード(トヨタ・ガズー・レーシング・タイランド/101号車トヨタ・ハイラックス・レボ)が総合3番手から2番手に順位を上げている。
■最終ステージの直前、トライトンにまさかのトラブル
2度目の休息日を経て迎えた終盤戦。一騎打ちの様相を呈した首位ヨーターと2番手ポーンシリチャードの争いは、ハイラックス・レボで追い上げを図る後者に対し、後者がプレッシャーに負けず逃げ切れるかが焦点に。とくにミツビシ陣営にとっては“首位で迎えた最終日前日”に苦い思い出があるため、レグ7はなんとしてでも無事に切り抜けたい一日となった。
果たして15日金曜のSS7はポーンシリチャードが今大会2度目のベストタイムを記録したが、ヨーターもステージ2番手のタイムで応戦。ギャップを4分弱縮められながらも10分12秒のリードを保って最終日に駒を進めた。
最終決戦の舞台はパタヤのループステージ内に設定された全長69.55kmのSS8だ。短いステージながらも小さなアクシデントひとつで順位がひっくり返るタイム差であるため両チームに緊張感が漂うなか、この日もトヨタのポーンシリチャードが、ヨーターよりも早いステージタイムでフィニッシュする。
しかし、ダカールラリー2連覇を誇る増岡浩総監督が「彼はメンタルが強い」と評した男は、SSスタート前に冷却系のトラブルに見舞われながらもライバルからのおくれを2分21秒に留めて最終SSのフィニッシュ地点に現れた。112号車トライトンがその後のロードセクションを無事に走破した結果、ヨーターとチーム三菱ラリーアートにとって2022年以来、3年ぶり2度目となるAXCR総合優勝が確定した。なお、ヨーターは8月16日が38歳の誕生日。1年前の同日は首位走行中のエンジントラブルという不運に泣いたが、今年は見事に雪辱を果たしバースデーウインを飾っている。
ラリー後半戦のSS5、7、8でヨーターにプレッシャーをかけ続けたポーンシリチャードは、トップと7分51秒差の総合2位に終わり、大会連覇の夢にあと一歩およばなかった。
また、前年2位、3位のいすゞ勢はディツァポン・マニーン(いすゞ・スパン・ヨコハマ・リキモリ・レーシング・チーム/110号車いすゞD-MAX)の総合4位が最上位。T2A-D(量産クロスカントリー車両のディーゼル)クラスを制したフィーリク・イノベーション・モータースポーツのベイリー・コール(142号車フォード・ラプター)が、改造クロスカントリー車両(T1)勢の間に割って入る総合3位表彰台を獲得した。
日本人最上位は、SS5でトップタイムを記録するなどラリーを通じて速さを見せた田口勝彦/保井隆宏組(チーム三菱ラリーアート/105号車ミツビシ・トライトン)の総合5位だ。チームアワードは、チーム三菱ラリーアートが1位。同2位はトヨタ・ガズー・レーシング・タイランド、3位にいすゞ・スパン・ヨコハマ・リキモリ・レーシング・チームが入っている。
添付ファイル: AXCR2025_RESULT_Auto_LEG1+2+3+5+7+8
URL: https://cdn-image.as-web.jp/2025/08/17152850/AXCR2025_RESULT_Auto_LEG123578.pdf
[オートスポーツweb 2025年08月17日]
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新型になって3年目でやっと勝てましたね。お疲れ様でした。
これで次のステージに進める?