1月23日、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)はMotoGPの2020年の開催カレンダーを承認した。F1は既に日程が公表されていたため、FIMの承認により4輪と2輪のモータースポーツの頂点たる両者の開催日程が、これまで以上に重複することが確実なものとなった。
2013年と2017年には7戦が同日開催となった。そしてF1のモータースポーツ・マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンと、MotoGPの商業権を保有するドルナ・スポーツCEOのカルメロ・エスペレータが2017年に会談を持ち、F1とMotoGPの日程衝突を避けるための話し合いを行なった。
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しかしその会談の効力は長くは続かなかった。
2018年と2019年はF1とMotoGPの同日開催は6戦に減少した。しかし開幕が迫る2020年シーズンは、F1が過去最大の年間22戦に膨れ上がり、結果として10戦がMotoGPと日程の衝突を起こすことになった。
2020年のMotoGPは年間20戦。つまり2戦に1回はF1と日程が被ることになる。
最初に日程が被るのは3月22日に決勝が行なわれるF1バーレーンGPとMotoGPタイGPだ。両地域の時差は4時間であり、なんとかレース時間が被ることは避けられそうだ。
次の2戦は更に時差が大きくなる。F1ベトナムGP/MotoGPアメリカズGP、そしてF1中国GP/MotoGPアルゼンチンGPは、地球の裏側と言える地理関係のため、ファンにとっては寝不足が怖いところだが、なんとか両レースを観戦することはできるかもしれない。
日程が衝突しているリストの中で最も時差が少ない組み合わせは、F1フランスGPとMotoGPオランダGPだ。両国の間に時差は無いため、各セッション時間が衝突することが予想される。
また、F1アゼルバイジャンGP/MotoGPカタルニアGPも、同様にセッション時間が重なることが予想される。
その後、F1ベルギーGP/MotoGPイギリスGPも近隣国で日程が重複している。1時間の時差があるため、同時刻にレースがスタートすることはないだろうが、F1のレース中にMotoGPがスタートすることになるはずだ。
以降はF1アメリカGP/MotoGPオーストリアGP、F1メキシコGP/MotoGPマレーシアGP、F1ブラジル/MotoGPバレンシアと開催日程が重複する。
近年ではMotoGP側がレース開催日のスケジュールを変更し、MotoGPクラスとF1のレース開始時刻が被らないようにすることもあった。2019年MotoGPアラゴンGPはF1シンガポールGPと重複したためスタート時刻を変更している。しかし現在のところ、同様の措置を取るという話は聞かれていない。
こうしたスケジュールの衝突により、ふたつのトップカテゴリーを完全に楽しむことができないファンも出てくるはずだ。一方でもう少し気楽に過ごす事のできる週末を望む人々もいるだろう。そういう意味でも、過密スケジュールには批判の声がでてくるかもしれない。そうした事態を避けるためにも両カテゴリーの運営者には、こうした衝突を少なくする努力が求められそうだ。
決勝日 F1 MotoGP
3月22日バーレーン タイ
4月5日ベトナム アメリカズ
4月19日 中国 アルゼンチン
5月3日 オランダ スペイン
6月7日 アゼルバイジャン カタルニア
6月28日 フランス オランダ
8月30日 ベルギー イギリス
10月25日 アメリカ オーストラリア
11月1日 メキシコ マレーシア
11月15日 ブラジル バレンシア
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