大きく異なるホットハッチの運転体験
エンジンやシャシーを共有する、シトロエン・サクソ VTSとプジョー106 GTi。しかし、運転体験は大きく異なる。前者は、より機敏で刺激的。後者は、より大人で許容範囲が広い。それでも、どちらも巨大な喜びを提供してくれる。
【画像】小さなお宝 シトロエン・サクソ VTSとプジョー106 GTi AXに205 現行C3と208も 全105枚
軽量なボディに鋭く回る自然吸気エンジンと、すこぶる敏捷なシャシー。興奮した小動物のように、驚くほどのエネルギッシュさでサーキットを駆け回れる。ちなみに、新車時の標準タイヤは、106 GTiの方がハイグリップだった。
歴代のオーナーは、アクセルオフの荷重移動でリアタイヤが浮きかける、リフトオフ・オーバーステアに肝を冷やしてきたかもしれない。かくして、30年を経た2025年の印象はどんなものだろう。
鋭く回る4気筒 スズメバチのように鋭敏
2台に共通するのは、背筋を正したような運転姿勢と、オフセットし窮屈に並んだ3枚のペダル。アクセルは小さいが、反応は正確で、ヒール&トゥでシフトダウンしやすい。ステアリングホイールは握りやすく、イエーガー社製のメーターは見やすい。
インテリアが現代的な方は、サクソ VTS。106 GTiのダッシュボードには、10年前と同じ部品が散りばめられている。ベースモデルの登場が1991年と、サクソより5年も早かったことが影響しているのだろう。
106 GTiの4気筒エンジンは、硬質なサウンドを放出しながら鋭く回る。身のこなしは、スズメバチのように鋭敏。ステアリングはハッとするほどクイックで、手のひらへ伝わる感触も豊かだ。四本のタイヤのグリップ力が、絶妙にバランスしている。
最大トルクは14.7kg-mでしかないが、車重は961kg。期待以上の瞬発力を披露する。シフトレバーの感触には、若干の引っ掛かりがあるものの、爽快で気持ち良い。今でも現役と呼べる、速さがある。
不意を突かれるように積極的な回頭性
サクソ VTSは、更に敏捷。積極的なコーナリングは、不意を突かれるよう。アクセルペダルを僅かに戻すと、リアの荷重は明確に軽くなる。更にきっかけを与えれば、テールが流れ出す。もし路面が濡れていたら、暴れっぽい挙動に感じられたかもしれない。
反面、中毒性は一層強い。ステアリングホイールを握っていると、つい攻めたくなる。今回の車両のエンジンはリビルド直後で、5000rpm以下という制限付きだったが、加速力はかなり情熱的。シフトレバーの感触も滑らか。洗練された印象を伴う。
どちらも、小さく軽いクルマのメリットを思い切り実感できる。タイヤは14インチの185/55で、乗り心地にも感心する。全幅が狭いから、アスファルトの剥がれた穴もスイスイ避けられる。
反面、110km/h巡航時の回転数は、3000rpm。高速道路での旅行には、多少の我慢が必要かもしれない。雨天時や冬場には、進行するサビにも気は抜けない。
2025年でも通用する30年前の面白さ
ユーロNCAPの結果は期待できないが、2台にはエアバッグやABSは備わる。パワーウィンドウやパワーステアリングといった、豪華装備も付いている。新車時から、価値ある小型車といって良かった。
筆者が強く共感したのは、サクソ VTS。それでも、106 GTiの精緻な操縦性も捨てがたい。タイヤやガソリンを大量に消費せず、近所のサーキットで輝ける強みは共通している。格上のモデルで自慢げなドライバーを、悔しがらせることも可能だろう。
30年前に若者を魅了した面白さは、2025年でもまったく通用する。1990年代にホットハッチの救世主として誕生した2台は、今でもドライバーを救う存在といえる。状態の良い1台を、筆者もそれぞれ探したくなった。
ちなみに現在のシトロエンとプジョーも、ステランティス・グループとして多くのコンポーネントを共有。プジョーは、GTiを復活させると明言している。e-208で。アバルト600eの技術を利用し、240psの電動ホットハッチが誕生する見込みだ。
1990年代のフレンチ・ホットハッチ 2台のスペック
プジョー106 GTi(1999年式/英国仕様)
全長:3565mm
全幅:1615mm
全高:1365mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:8.2秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:961kg
パワートレイン:直列4気筒1587cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/6600rpm
最大トルク:14.7kg-m/5200rpm
ギアボックス:5速マニュアル(前輪駆動)
シトロエン・サクソ VTS(1997年式/英国仕様)
全長:3718mm
全幅:1595mm
全高:1379mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:975kg
パワートレイン:直列4気筒1587cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:121ps/6600rpm
最大トルク:14.7kg-m/5200rpm
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みんなのコメント
実際は言う程早く無いし、壊れるからね。