この記事をまとめると
■ブリュッセルモーターショーにてヒョンデがスターリアのBEVを発表
韓国車の勢いがヤバい! バンコクで「ヒョンデ・スターリア」と「キア・カーニバル」がポスト・アルファードとして増殖中
■アジア諸国ではアルファードキラーと呼ばれるほど売れていた
■2026年上半期中に欧州と韓国で展開されるが東南アジアにも配備される可能性がある
ヒョンデのミニバンに待望のBEV追加
韓国のヒョンデ自動車は、2026年1月20日にベルギーの首都ブリュッセルで開催されていたブリュッセルモーターショーにて、同社の大型ミニバンであるスターリアのBEV(バッテリー電気自動車)版となるスターリア エレクトリックを世界初公開した。
スターリアは2021年4月に韓国で正式デビューを果たしている。筆者が初めてスターリアの実車を見たのは、新型コロナウイルス感染拡大後事実上続いていた鎖国が緩和され、コロナ禍後初めてバンコクモーターショー取材のため訪れたタイの首都バンコクであった。その当時はアルファードキラーなどとも呼ばれるぐらいによく売れていたのである。
モーターショー会場に展示してあるコンセプトカーのような近未来的スタイルに度肝を抜かれ、「こんなスタイルだから当然BEVだろう?」と思って調べてみると、当時はディーゼルエンジンのみ搭載ということで、その現実的なパワートレインにも驚かされたのをいまも覚えている。つまり、デビューから5年目にしてようやく見た目の印象どおりといえるBEVが追加されたのである(エレクトリックデビュー以前にHEV[ハイブリッド車]は追加済み)。
数年前にインドからの帰国途中に韓国の首都ソウルに立ち寄ったことがある。ソウル中央駅近くでカメラを構え、そこを通るクルマを撮影しながら1日見ていたのだ。するとスターリアは単なるミニバンとしてではなく、救急車や警察車両、幼稚園バスなど「はたらくクルマ」としても大活躍していた。タクシー仕様も用意され、実際に台湾にてスターリアのタクシーも目撃している。アルファードも日本国内だけではなく海外でもタクシーやハイヤー車両として活躍しているが、救急車や幼稚園バスなどは存在していないので、その点ではアルファードの直接的ライバルとは呼べないのかもしれない。
ただニュース映像では、混迷極めるガザ地区でもスターリアの救急車が活躍している姿が映し出されていた。単に物珍しさから売れる時期はとっくに過ぎ去っているようである。
今回は発表されただけとはいえ、2026年上半期中に欧州と韓国でまず発売される予定とのこと。東南アジア地域では中国BYDオート(比亜迪汽車)のBEV高級ミニバン、デンザD9がタイの首都バンコクや、インドネシアの首都ジャカルタではよく売れている様子。バンコクではデンザD9に限らず中国系ブランドのBEV高級ミニバンの姿をよく見かける。スターリア・エレクトリックが東南アジア市場に投入されるのも容易に察しがつく。
東南アジア市場だけを見れば、アルファードが圧倒的ステータスのなか、その存在感を不動のものにしている。あの手この手でさまざまなアジアメーカーがポストアルファードを狙うなか、BEV高級ミニバンというのがバンコクあたりでは雨後の筍のように出てきているが、インドネシアも含めデンザD9の動きは少々見逃せなくなってきている。となれば、スターリア エレクトリックが投入されるのも時間の問題だろう。
スターリアはキャラクター的に見てもアルファードの直接的なライバルとはいい切れないのだが、さまざまなメーカーが挑んでも(BEVではなくHEVとなるものの)その地位に揺るぎがないアルファードというモデルは、われわれが考えている以上に優秀なクルマである。このあたりの抑制のきいたなかでのゴージャス感の演出は日本文化に通じるところもあり、「日本人の得意とするカテゴリーなのかな」と再認識してしまった。
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