なぜアストンマーティンのランス・ストロールは、F1スペインGP決勝出場を諦めたのだろうか?
転機とはったのは、ストロールがスペインGP予選で14番手となった数時間後の土曜日深夜。アストンマーティンが声明を発表し、ドライバーの欠場を明らかにした。
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「過去6週間にわたり、ランスは手と手首の痛みを感じており、彼の医療コンサルタントは、彼が2023年に受けた手術に関連していると考えている」
「その結果、彼の医療チームは明日(日曜日)のレースを欠場し、回復に専念する前にこれらの問題を治療するための処置を受けることを認めた」
■ランス・ストロールに何が起きた?
アストンマーティンの言う手術とは、2023年シーズン開幕直前に行なった手首の手術のこと。バーレーンでプレシーズンテストが行なわれる1周間前にストロールは、マラガでの自転車トレーニング中に両手首とつま先の骨折を含む大怪我を負い、MotoGPライダーへの施術で多くの実績を残す整形外科医ザビエル・ミールによる手術を受けた。
ストロールはプレシーズンテストに参加することができなかったものの、開幕戦バーレーンGPに強硬出場。痛みをこらえて6位入賞を果たした。
その後、ストロールは回復に向かったと考えられていたが、直近6週間になって右手と手首の慢性的な痛みに悩まされるようになった。正確な医学的詳細は非公開だが、ピンを入れてから何年も経ってから痛みが再発するというのはまったく珍しいことではなく、様々な神経学的理由によって引き起こされる可能性がある。
ストロールは過去数回のレース週末で痛みと戦ってきたが、スペインGP予選後には症状が悪化。チームが発表したように、この治療のために医療処置を受けることとなる。
■なぜリザーブドライバーを起用しなかったのか?
繰り返される疑問のひとつは、なぜストロールは負傷を押してまで予選に臨んだにもかかわらずレースを前に欠場したか、ということだ。
アストンマーティンのリザーブドライバーを務めるフェリペ・ドルゴビッチはバルセロナでチームに帯同しており、予選に出走していれば念願のグランプリデビューの可能性もあったが、予選後のドライバー交代は競技規則上認められていない。
ストロールが予選までマシンに留まった理由は、2023年のバーレーンとさほど変わらない。他のレーシングドライバー同様、ストロールもそれまでのイモラやモナコと同じように完走を目指して最後の最後まで必死に走り続けたのだ。
2023年のバーレーンでストロールは粘った甲斐あって6位。今年のスペインGPでは予選Q1でトップ10に入り、コンディションが悪化しているにもかかわらず限界まで走れることを示唆したが、続くQ2では14番手で敗退となり、治療を受けることが最善策だと気がついた。
「2023年、ランスがマウンテンバイクでひどい怪我を負ったことを誰もが思い出すだろう」
アストンマーティンのトラックサイド・エンジニアリング主任であるマイク・クラックは、SiriusXMにそう語った。
「当時、彼は手術を受けたが、ここ数週間は常に痛みを口にし、治まることはなかった。状況は悪化していった、ランスはレーサーだから、我々や彼の医療チームに話をしている以上に痛みを感じていたんだろう」
「昨日はもう限界に達していた。彼はすぐに精密検査を受けに行き、レースを控えた方が良いという決断を下した」
「ドライバーたちはハードな戦士だ。我々は2023年に彼のタフさを目の当たりにしているし、彼が我々に話している以上に苦しんでいたのは確かだ、彼の健診を疑問視する声には常に苦笑せざるを得ない。彼は何が何でも走りたいと思っているし、予選の後に『検査を受けなければならない』と口にすることが、彼らにとってどれだけ苦しいことか……」
■アストンマーティンがFIAから警告を受けた理由
アストンマーティンがFIAから警告を受けたのは、レギュレーションの一環として、スポーツの公平性のために義務付けられているドライバー計量が予選直後に行なわれなかったため。
その後ストロールは、追加健診のためメディカルセンターへ向かう前に、計量とメディアペンに参加したが、通常であれば予選直後にマシンが最低重量を満たしていることを確認するために計量を行なう。
レーススチュワードはストロールの状況に同情を示したが、それでもアストンマーティンがFIAに事態をすぐに報告しなかったとしてFIAは警告を与えた。
「(レギュレーションに)従わなかった理由は、予期せぬ深刻な症状が介在していたためだ」とレーススチュワードは語った。
「ドライバーの健康が最優先であることは言うまでもない。とはいえ計量手順の重要性を考えれば、チームは適切な支援を提供し、FIAチームの協力を受けてドライバーの必要な観察を実施することができるよう、関連するFIA代表に状況を即座に伝えるべきだった」
「従って、ドライバーのレギュレーション遵守を遅らせたり妨げたりするような不測の事態が発生した場合には、FIA代表団に速やかに報告するよう、今後に向けて同チームに警告を行なう」
■ストロールの復帰はいつ?
F1はヨーロッパ3連戦を終えて、次戦は2週間後のカナダGP。ストロールにとっては母国グランプリとなる。
2023年開幕戦も直近6週間も、マシンに乗り続けたいというストロールの気持ちを考えれば、当然モントリオールで開催されるホームレースでは万全の状態で臨み、6月13日(金)のフリー走行に間に合わせたいところだろう。
しかし、そのスケジュールが現実的かどうか判断を下すのは時期尚早だとアストンマーティンは考えている。
「私はエンジニアであり、医者や医療スタッフではないので何とも言えない」とクラックは付け加えた。
「このような状況では、人々のコンディションを尊重し、ランスと彼のスタッフと共に専門家に判断を委ねる必要があると思う。我々は彼らが何を言うかを待つ。状況の推移を見守り、それから適切な決断を下す」
「彼は今後数週間、さららなる検査を受けることになるだろう」
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