とにかく低くを突き詰めて完成させた極低プリウスのこだわりに迫る
新車の注文から納車まで、約1年。その待ち時間に“I”さんが考え続けていたのが、愛車をどんなスタイルに仕上げるかだった。目指したのは“大人っぽく乗れる”60型トヨタ「プリウス」。ショップへの相談をきっかけにT-DEMAND(Tディメンド)のエアサスを選び、ブレーキやアーム類まで同ブランドで統一していった。ただ、“I”さんのこだわりは単純に車高を落とすことではない。フロント左右で生じた約8mmの車高差をなくすため、ボディまで加工した。前車のワゴンRから続く「とにかく低く」という美学を、細部まで徹底的に突き詰めた1台を紹介しよう。
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納車までの1年間が愛車のカスタムをじっくりと考える時間になった
“I”さんがこの60型プリウスを注文したのは、新車が登場して間もない頃だった。すぐに注文を入れたものの、実際に納車されるまでには約1年を要した。待っている間、“I”さんは手元にまだない愛車をどんなクルマに仕上げるのか、じっくりと考えていた。
そこで思い描いていたのが、「大人っぽく乗りたい」というスタイルだった。派手さを追求するというより、全体をきれいにまとめながら、足元にはしっかりと個性を出す。
その方向性をもってショップへ相談に行ったところ、当初考えていたのは車高調だった。普段から乗るクルマだからこそ、まずは使いやすさを考えての選択だったという。ところが、ショップから「こういう選択肢もある」と提案されたのがエアサスだった。
そこで“I”さんのなかにあった「低くしたい」という気持ちに火がついた。
せっかくならT-DEMANDで全部やろうとフルコンプリートを決意する
エアサスという選択肢を知ったことで、カスタムの方向性は一気に変わっていった。
「他のメーカーよりもコストは掛かりますが、T-DEMANDでやってみようか、という話になりまして」
そうして完成したのが、T-DEMANDによるフルコンプリート仕様だ。エアサスだけではない。ブレーキシステムに加え、アーム類もT-DEMANDで統一した。足回りから制動系まで同じブランドで揃えることで、低車高を追求するためのベースを一気に作り上げた。
T-DEMANDは、車高を下げた状態での足回りのジオメトリーやクリアランスなどにも関わるアーム類をはじめ、ローダウンを支えるさまざまな製品を展開している。“I”さんのプリウスは、そうしたパーツを組み合わせながら、とにかく低いスタイルを狙った1台だ。
そして、ここから“I”さんならではのこだわりが始まる。
約8mmの車高差を消し去るためにフロントボディまで徹底的に加工する
エアサスによって車高を落とせるようになったプリウス。しかし、“I”さんが車高を追求していくなかで、フロントにひとつの問題が発生した。
ドライブシャフトが干渉してしまい、フロント左右で約8mmの車高差が生じていたのだ。左側を基準にして低くすると、右側だけが高くなってしまう。その差は意外なほど目立つ。
「それが嫌だったので、ボディを叩いて加工しました」
“I”さんが選んだのは、ボディ側を加工してクリアランスを確保するという方法だった。左右の高さを揃える。それは単に数字を合わせるという話ではなく、クルマを正面から見たときの姿勢や、ホイールとフェンダーの見え方まで含めて、理想のスタイルに近づけるための重要な作業だった。この部分こそ、“I”さんのプリウスを語るうえで欠かせないポイントだ。
前のワゴンRから続く低さへのこだわりをプリウスに注ぎ込む
そもそも“I”さんがここまで低さにこだわるのには理由がある。
以前乗っていたのもワゴンRで、こちらもフルカスタムを施していた。やはりエアサスを装着し、徹底的に低さを追求していたのだ。しかし、低くしたいという気持ちが強くなりすぎた結果、ショック自体を短く加工し、極端な仕様になっていたという。
その経験があるからこそ、“I”さんの「低さ」に対するこだわりは相当なものだ。今回のプリウスでも、目標は明確だった。
「とにかく低くしたい」
ただし、今回は過去の経験も踏まえている。
着地させないギリギリの低さを狙ってエアサスをセットアップする
エアサス仕様なら、停車時に車高を大きく落とすこともできる。しかし“I”さんが狙ったのは、単純な「着地」ではない。
クルマを完全に地面へ落としてしまえば、路面の形状によってはエアロを傷める可能性がある。そこで、エアロを守りながら、可能な限り低く見えるところを狙っている。つまり「低ければ低いほどいい」という単純な話ではなく、日常で使える範囲のなかで、どこまで低さを追求できるか。そこに“I”さんの今回のカスタムに対する答えがある。
ボディにはエイムゲイン・スポーツのフロント、サイド、リアを装着した。低く構えたボディラインをさらに強調しながら、エアロを壊さないギリギリの車高で走らせる。極端な低さと普段使い。一見すると相反する2つを、エアサスによって見事に両立させているのだ。
ブレーキを見せるためにSSRのプロフェッサーシリーズを選択する
低く構えたボディに合わせたホイールにも、“I”さんの明確な狙いがある。
選んだのはSSRのプロフェッサーシリーズだ。取材時に“I”さんが語っていたのは、細身のスポークによってレーシーな雰囲気を出し、同時にT-DEMANDのブレーキを見せたかったということだった。
サイズは19インチで、フロントおよびリアともに9.5Jを選択した。タイヤには225/35サイズを組み合わせている。ホイールのガンメタリックの色味に加え、リム幅やコンケイブしたディスク形状も、このプリウスの低いスタイルとよくマッチしている。
大径ホイールを履かせることだけが目的ではない。スポークの隙間からT-DEMANDのブレーキシステムを見せることで、足元そのものをカスタムの見せ場にしている。
ホイールとエアサスタンクの色味をリンクさせて美しくコーディネイトする
取材時、リアゲートを開けるとラゲッジスペースにはエアサスのタンクが見えていた。“I”さんが気に入っているのが、ここでもホイールとの一体感だ。
ガンメタリックのホイールと、シルバーのエアサスタンク。まったく同じ色ではないものの、金属感のあるトーンがリンクすることで、リアゲートを開けたときにも全体のまとまりが感じられる。普段は隠れているエアサスのタンクまで、カスタムの一部として存分に楽しんでいるわけだ。
大人っぽく乗るという答えがこの極低スタイルへと結実した
“I”さんが最初に掲げていたテーマは「大人っぽく乗りたい」だった。その言葉だけを聞けば、落ち着いた車高とシンプルなホイールを想像するかもしれない。
しかし、完成したプリウスはかなり低い。それでも、エイムゲインのエアロ、ガンメタリックのSSR、そしてT-DEMANDで統一した足回りが組み合わされることで、派手さだけを前面に押し出したスタイルにはなっていない。むしろ、細部まで計算して作り込んだからこそ、大人っぽく見えるのだ。
そして何より、このクルマには“I”さん自身の「低さ」に対する明確な価値観がある。納車を待つ1年間に考え、ショップとの相談からエアサスという選択肢を見つけ、そこからT-DEMANDのフルコンプリートへ。車高へのセッティングを妥協せず、ボディを加工してまで理想の車高を追求した。
低さというひとつのテーマを、ここまで突き詰める。それが“I”さんにとっての、このプリウスのカスタムの真髄なのだ。
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みんなのコメント
もうこの手の低さ自慢の記事は飽きました。