トヨタが2025年10月に世界初公開した新型「ランドクルーザーFJ」。全長約4.6mの比較的コンパクトなサイズと親しみやすいキャラクターで注目を集めていますが、実はこのランクルFJ、ランクル250や300とは成り立ちが少し異なるモデルでもあります。
新型ランドクルーザーFJの登場を機に、そのベースモデルのひとつであり、ジャパンモビリティショー2023への出展で話題となった「ハイラックス チャンプ」に改めて注目してみましょう。
【画像ギャラリー】比較的コンパクトなサイズと親しみやすいキャラクターで注目!! トヨタ新型「ランドクルーザーFJ」(16枚)
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、エムスリープロダクション
IMVプラットフォームを採用するランクルFJ
クラシカルな「70」、正常進化を遂げた「300」、原点回帰を掲げた「250」と、近年相次いで拡充されたトヨタのランドクルーザーシリーズ。いずれもフレームベースの頑丈な車体と高いクロカン性能をもつSUVですが、ランクルは大きく3つの血統に分別され、70は「ヘビーデューティ系」、250は「ライトデューティ系」、300は「ステーションワゴン系」に分別されます。
一方で、新型ランドクルーザーFJは、同じ「ランクル」を名乗りながらも、これらとは少し立ち位置が異なります。FJが採用しているのは、300系や250系とは別系統となるIMV(Innovative International Multipurpose Vehicle)プラットフォーム。つまりランクルFJは「ランクルの名前を持つIMV系SUV」という位置づけであり、このIMVプラットフォームの代表格が、アジアや中東、南米などで広く展開されている「ハイラックス」。なかでもタイで生産されている東南アジア市場向けの「ハイラックス チャンプ」は、日本でも2023年に開催されたジャパンモビリティショーに出展され、話題となりました。
ハイラックス チャンプは、「働くための道具」としての合理性が際立つモデル
IMVとは、各国の使用環境や経済事情に合わせて「壊れにくく、安く、使いやすい」クルマを供給するための世界戦略車のこと。2023年に登場したハイラックス チャンプも「働くための道具」としての合理性が際立っているモデルです。
全幅は1785mmに抑えられ、全長は4970mmのショート(荷室長は2312mm)と、5300mmのロング(2647mm)の2タイプを設定。とくにショートボディは最小回転半径4.9mと小回りが利き、日本の市街地でも扱いやすいサイズ感といえます。
パワートレインは2.0L/2.7Lガソリンと2.4Lディーゼルを用意。なかでもディーゼルは最大トルク400Nmを発生し、積載時でも余裕のある走りを実現します。価格もタイ市場では519,000バーツ~、日本円にすると約260万円からと、現地で販売されているハイラックス(624,000バーツ~)より3割近くも安く設定されており、実用性とコストパフォーマンスの高さが際立ちます。
フレーム車ならではの改装のしやすさによって、荷台に架装を施して移動販売や配送、作業車など、さまざまな用途に使われており、現地では人気車の一つとなっています。
「もう一つの選択肢」としてぜひとも日本導入を!!
新型ランドクルーザーFJは、この積載性と耐久性を最優先したIMV系のプラットフォームをベースに、アウトドアやレジャー用途を意識したSUVとして再構成したモデルです。IMV系のラダーフレームを短縮し、リヤサスペンションはリーフ式からコイルリジッド式へ変更。さらにボディ各部には補強が施され、悪路走破性や剛性感といった「ランクルらしい逞しさ」が与えられています。
つまりランクルFJは、250や300と同じ「ヘビーデューティ系ランクル」ではないものの、IMVという実用車の骨格に、ランクル的な価値観を上乗せしたモデル。ほかのランクルシリーズとは成り立ちが違いますが、だからこそランクルFJは、サイズや価格、使い勝手の面で現実的な選択肢となり得ますし、日本市場における「ランクルの裾野」を広げる存在にもなってくれるでしょう。
またそのベースとなったハイラックス チャンプもまた、日本において再評価される余地のある一台だと感じます。軽トラックでは物足りないが、従来のハイラックスほどの大きさも不要。そんなニーズに、ハイラックス チャンプは的確に応えてくれる存在です。タイ市場では2025年11月に「ハイラックス」の新型が発表されており、このハイラックス チャンプもいずれ新型に切り替わることでしょう。ぜひとも、遊びも仕事も本気でこなす「もう一つの選択肢」として、新型ハイラックス チャンプの日本導入も期待したいところです。
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