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最近の軽自動車が高いのは「日本一売れてるクルマ」のせい!? 「ヘタなコンパクトカーより高い説」を探った

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最近の軽自動車が高いのは「日本一売れてるクルマ」のせい!? 「ヘタなコンパクトカーより高い説」を探った

 この記事をまとめると

■軽自動車は新車販売の40%を占める

「軽はターボじゃないと話にならない」とかいつの時代の話? いまどきの「ターボじゃない」軽自動車は十分走るぜ!!

■スーパーハイト軽は人気モデルで軽乗用車の販売のうちの50%がこのカテゴリーだ

■価格の値上がりには不動の人気を誇るN-BOXの影響がある

 軽のスーパーハイトワゴンはなぜ高い?

 いまは軽自動車が国内で新車として売られるクルマの40%近くを占める。このなかでも、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンがとくに人気を高めている。新車として売られる軽乗用車の約50%がスーパーハイトワゴンだ。

 スーパーハイトワゴンの1番の注目車種はホンダN-BOXだ。先代型が登場した2017年以降、N-BOXはほぼ毎年、国内年間販売ランキングの総合1位を獲得している。

 また、軽自動車で販売2位のスズキ・スペーシア、3位のダイハツ・タントもスーパーハイトワゴンだ。このほか日産ルークス、三菱デリカミニもこのタイプで、堅調に売れている。

 しかし最近は、軽自動車のスーパーハイトワゴンについて「価格が高い」という意見を聞く。

 確かに最近のクルマは頻繁に値上げを実施する。原材料費や輸送費が高騰しているためだ。いまのクルマは安全装備や運転支援機能が充実するため、軽自動車に限らず、車両価格が15年ほど前の1.2~1.5倍に高まった。

 そして、「スーパーハイトワゴンの価格が高い」と感じさせる直接の理由として、ベストセラーになるN-BOXの影響が大きい。そこで、N-BOXの過去を振り返ると、2011年に初代モデルが発売されたときの価格は、2WDの場合、もっとも安価なGが124万円で最上級のカスタムGターボパッケージは166万円であった。

 2017年にN-BOXが2代目にフルモデルチェンジされたときの価格は、もっとも安価なGホンダセンシングが138万円5640円、最上級のカスタムG・EXターボホンダセンシングは174万9600円であった。

 2023年に3代目の現行N-BOXが発売されたときの価格は、もっとも安価な標準ボディが164万8900円、カスタムターボは204万9300円だ。現行N-BOXは、このあとも改良を受けたときなどに値上げされ、2025年6月下旬時点の価格は、標準ボディが173万9100円、カスタムターボは212万9600円に達する。

 この流れを振り返ると、2017年に2代目N-BOXが発売されたときの価格は、2011年の初代に比べて標準ボディが約14万円、カスタムターボは約8万円高くなった。初代から2代目の値上げは、安全装備の充実などを考えると納得できる。

 軽自動車はあまり儲からない

 問題は2023年に3代目の現行型が発売されたときの価格で、2代目が登場した2017年に比べると、標準ボディは約26万円、カスタムターボは約30万円高い。現行型では、標準ボディの装備がシンプルなグレードを廃止して、最廉価グレードの価格が高まった事情はあるが、それでも26万~30万円の値上げ幅は大きい。

 現行型の発売後も、標準ボディが約9万円、ターボは約8万円の値上げを行った。これを合計すると、2025年6月下旬の価格は、2017年の先代型と比べて標準ボディが35万円、カスタムターボは38万円高い。8年間の値上げ幅としては多額だ。

 N-BOXが大幅に値上げされた背景には、複数の理由がある。まず、すべての軽自動車に当てはまる薄利多売の価格設定だ。もともと軽自動車は、小型/普通車に比べるとメーカーや販売会社の受け取る利益が少ない。そのために、利益を削って原材料費などの高騰を吸収することは困難だ。値上げせざるを得ない。

 ふたつ目はN-BOX特有の事情だ。ホンダの関係者からは「先代N-BOXは価格のわりに高コストで、販売台数が多いのに儲からない商品だった。そこで現行型はコストと価格のバランスを見直した」という話が聞かれる。

 ちなみにN-BOXのライバル車になるスズキ・スペーシアは、標準ボディで上級に位置する(マイルド)ハイブリッドXが170万5000円だ。スペーシアカスタム(マイルド)ハイブリッドXSターボは207万3500円になる。いずれも価格はN-BOXに近いが、スペーシアはマイルドハイブリッドを搭載して、オットマンのように使える後席のマルチユースフラップ、エアコンの冷気を後席へ送るスリムサーキュレーターなどを装着する。スペーシアはN-BOXよりも装備を充実させて収納設備も豊富だから、価格が高くても納得しやすい。

 また、タントは実用装備を充実させた標準ボディのXが161万7000円で、ターボのカスタムRSは196万3500円だ。タントでは運転支援機能が5万5000円のオプション設定で一概に比較しにくいが、左側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵させて開口幅を広げるなどの工夫を凝らした。

 タントの機能と価格のバランスを見ると、スーパーハイトワゴンではもっとも割安だ。

 以上のようにスーパーハイトワゴンの価格が高まったのは事実だが、とくに人気車のN-BOXが割高になり、スーパーハイトワゴン全体に値上げされた印象が強まっている。購入時にはライバル同士を比較して、買い得度を正確に判断したい。

 また、タントカスタムRSの196万3500円のように、200万円を超えない努力も重要だ。このあたりの配慮は、軽自動車を作り慣れたダイハツやスズキが行き届いている。

文:WEB CARTOP 渡辺陽一郎
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みんなのコメント

106件
  • reg*******
    人気車種で儲けたいのはどこのメーカーも同じだし、軽自動車でもスーパーハイトだったり登録車と同等以上の装備をてんこ盛りにすれば、価格は当然高くなるわな。
    安いものがいいならアルトやミライースがある。
  • bungo4032yama
    いろんな機能付けるから高くなる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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