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すべてがヴェイロンを凌駕 ブガッティ・シロン(1) 恐るべき1500psで420km/hのハード

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すべてがヴェイロンを凌駕 ブガッティ・シロン(1) 恐るべき1500psで420km/hのハード

あらゆる面で、ヴェイロンを上回ること

ブガッティ・シロンの設計方針は明瞭だ。あらゆる面で、ヴェイロンを上回ること。

【画像】普通に運転できることが最大の偉業 ブガッティ・シロン ヴェイロンとディーヴォ 戦前のタイプ57も 全107枚

ただし、当初発表されたシロンの最高出力と最高速度は、1500psで420km/h。1200psのヴェイロン・スーパースポーツが残した、430km/hには届いていなかった。だが実際は、リミッターで抑制されたものだった。

この小さな誤解を解くため、ブガッティは1600psで30台限定のシロン・スーパースポーツ300+を投入。フォルクスワーゲン・グループが保有するドイツのエーラレッシエン・テストコースで、490.4km/hという驚愕の記録を残している。

最高速度は、シロンにとって重要といえる。記録破りの数字によって定義される、歴史へ刻まれるべきクルマだと表現できるから。今回はオリジナルのシロンと、300+より快適性重視のシロン・スーパースポーツの2台で、その偉業を振り返ってみたい。

8.0L W16の4ターボ 最大トルク162.8kg-m

シロンは、カーボンファイバー製タブシャシーを備えた、ミドシップ・ハイパーカー。リアのサブフレームやエンジンのキャリアフレームもカーボン製で、タブシャシーとキャリアフレームは、10本のチタン製ボルトで締結される。

エンジンは、フランスのモルスハイム工場で組み立てられる8.0L W型16気筒。4本つづV型に並ぶシリンダーは上側が90度、下側が15度というバンク角を持つ。トランスミッションは、リカルド社による7速デュアルクラッチ・オートマティックだ。

ターボは4基あるが、2基は常時回転し、ターボラグを最小限に留めている。残りの2基にはバルブが備わり、アクセルペダルの角度やエンジンの回転数に応じて動作。その場合、シリンダー4本毎に各ターボへ排気ガスが送られる。

最大トルクは162.8kg-mで、2000rpmから6000rpmまでほぼフラットに生成される。スーパースポーツでは、2200rpmから7000rpmと、僅かに発生回転域が広い。

ハニカムコア構造を持つ複合素材のボディ

パワーは主にリアアクスルへ伝達され、許容しきれない場合にハルデックスカップリングが制御され、フロントアクスルにも分配される。フォルクスワーゲン・グループの量産車として世界中の環境へ対応するよう、冷却システムも巨大だ。

ターボはヴェイロンより5割ほど大きく、吸気マニホールドはカーボン製。カーボンセラミック・ブレーキディスクの直径は420mm。3軸方向で異なる素材を配合したサスペンション・ブッシュ、NACAダクト付きのアンダーボディなど、特筆すべき部分は多い。

アルミホイールは前が20インチで、後ろが21インチ。タイヤの幅は前が285mm、後ろが355mmある。超高速域での安定性を求めて、全長はスーパースポーツが250mm長い。テールパイプは縦に重ねられ、巨大なディフューザーを得ている。

ボディは、ハニカムコア構造を持つ複合素材。ヴェイロンより肉薄で、洗練されたスタイリングに魅了される。カーボンの織り目は極めて緻密で、お好みで素地が露出した状態でも納車してくれる。薄い塗膜で、透けて見えるようにもできる。

本物のレザーとメタルで満ちるインテリア

車内は本物のレザーとメタルで満ちているが、恐るべき速さを達成するため、軽量化にも余念はない。シロンの最高速度は通常380km/hに制限されており、本来の420km/hへ高めるには特別なキーが必要。ボタン式なら、更に軽く仕上がりそうに思う。

内装は、251万8000ポンド(約4億9101万円)の英国価格に相応しい。ステッチは一糸乱れず、すべての部品が緻密に組まれている。運転席と助手席は、自動車で最長とうたわれる間接照明で仕切られる。後方へ光の帯は続き、後ろの視界も二分する。

空間自体は横方向に広く、電動で調整できるシートはサポート性が素晴らしい。ステアリングホイールの位置調整は手動。スタートボタンとドライブモード・セレクター、シフトパドルは、ソリッドなハードスイッチだ。サイドブレーキは電動で制御される。

縦に長いセンターコンソールはスリム。金属は美しく削り出され、サテン風の仕上げは超高級オーディオのデザインにも通じる。

運転席からの視界は想像以上に良く、人間工学はお手本通り。ボタンを押すと、16気筒へ想像するより穏やかな響きで、巨大なエンジンが始動した。

この続きは、ブガッティ・シロン(2)にて。

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