現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > サイズ、パワー共にベストなクルマ!? 1.6リッター高性能コンパクトカー5選

ここから本文です

サイズ、パワー共にベストなクルマ!? 1.6リッター高性能コンパクトカー5選

掲載 更新 21
サイズ、パワー共にベストなクルマ!? 1.6リッター高性能コンパクトカー5選

■テンロクFFスポーツコンパクトを振り返る

 現在販売中の国産コンパクトカーは、1.5リッター以下のエンジンを搭載しているモデルがほとんどです。なかには1リッター未満のモデルも存在します。

ドッカンターボのじゃじゃ馬ばかり 高性能コンパクトカー5選

 これは日本の税制に沿ったものでで、1.5リッター以下、1リッター以下というのが、自動車税の区分だからです。

 一方で、かつては1.6リッターエンジンを搭載したFFコンパクトカーが多数存在し、激しいパワー競争が繰り広げられていました。

 そこで、1.6リッターエンジンを搭載した往年の高性能FFコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「カローラFX」

 1984年にトヨタ「カローラ」の派生車として発売された「カローラFX」は、トップグレードの「GT」は1.6リッター直列4気筒DOHCの「4A-GELU型」エンジンを搭載し、欧州のハッチバック車のような洗練されたスタイルでFF派から人気となりました。

 搭載された4A-GELU型エンジンは、「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」と同スペックで、最高出力130馬力を6600rpmで発揮する高回転型ユニットです。

 同時期のライバルといえばホンダ「シビック」で、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する「Si」グレードは、ロングストロークにより中低回転域のトルクが高いのが特徴で、カローラFX GTはもちろんレビン/トレノをも脅かす存在となります。

 そして、カローラFXやレビンが参戦した1980年代後半の全日本ツーリングカー選手権にシビックSiが投入されたことで、1993年に同レースが終焉するまで1.6リッタークラスにおけるトヨタ対ホンダの熾烈な争いが繰り広げられました。

●ホンダ「シビックSiR」

 1989年にホンダは可変バルブタイミングリフトシステム「VTEC」を開発し、自然吸気ながら1.6リッターで160馬力を発揮するエンジン「B16A型」を「インテグラ XSi」に搭載します。

 そして、この1.6リッター最強のエンジンを、インテグラよりも軽量な4代目「シビック」に搭載した「SiR」が発売され、スポーツドライビングを好むユーザーに幅広く受け入れられました。

 B16A型は、当時の市販車では驚異的ともいえる8000rpmという回転数を許容したことで、スピードに魅せられた若者たちを虜にします。

 ハイパワーかつ高回転型のエンジンを搭載したシビックSiRは、当時常勝を誇っていたホンダF1や、全日本ツーリングカー選手権に出場したことで、シビック=スポーツモデルという図式が、世間一般により浸透していきました。

●日産「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」

 1978年に日産「チェリーF-II」の後継車として登場した「パルサー」に、1990年には世界ラリー選手権へ出場するためのベース車として「パルサーGTI-R」が追加されるなど、高性能モデルを展開します。

 そのなかでも、1997年に発売された「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1」は、車名にある通り「N1」カテゴリーのレースで勝つことを目的に開発されました。

 N1マシンはレギュレーションで改造範囲が最小限に抑えられており、ベース車のポテンシャルがそのままレースの成績を左右することになります。

 そこで、打倒ホンダ「シビックタイプR」を目標に、日産とオーテックジャパンがタッグを組み、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1を開発。

 搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒DOHCの「SR16VE型」で、最高出力はクラストップの200馬力を達成しました。

 さらに、1998年には「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1 VersionII」を発売し、シャシ性能を向上するとともに車体の軽量化を図り、さらに戦闘力を上げます。

 しかし、実際のレースではシャシ性能で勝るシビックタイプRにコーナリングスピードで分があり、打倒とはならなかったようです。

 なお、パルサーセリエ/ルキノ VZ-R・N1、同VersionIIともに限定車で、合計500台しか販売されず、いまではかなりの希少車となっています。

■意外と知られていないダイハツの1.6リッターホットハッチとは!?

●三菱「ミラージュ サイボーグR」

 現行型の三菱「ミラージュ」は初代から数えて6代目にあたり、新興国向けエントリーカーとして開発されたため、スポーティなグレードは存在していません。

 しかし、歴代のミラージュのなかには、高性能エンジンを搭載したモデルが存在しました。

 1991年に発売された4代目ミラージュに、翌1992年、ホンダのVTECに対抗すべく、「4G92型」1.6リッター直列4気筒の「MIVEC」エンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグR」が追加されます。

 三菱が開発したMIVECはVTECと同じく可変バルブタイミングリフトシステムで、4G92型の最高出力は175馬力を誇り、モータースポーツの世界でシビックSiRの対抗馬になりえました。

 そして、実際のレースでもシビックを相手に善戦し、とくにアマチュアや学生が参戦していたジムカーナでは、好成績を残しています。

●ダイハツ「シャレード デ・トマソ」

 1977年に発売されたダイハツ「シャレード」は、1リッター直列3気筒SOHCエンジンを搭載した新世代のコンパクトカーです。

 オイルショックという時代背景もあり、軽自動車に近い車両価格や、低燃費なエンジンを搭載したことで大ヒット。

 そして、1981年の第24回東京モーターショーに、ダイハツと提携契約を結んだイタリアのチューナーであるデ・トマソが監修した「シャレード デ・トマソターボ」が参考出品されると好評を博し、1984年に2代目シャレードをベースにしたシャレード デ・トマソターボを発売。

 3代目では一旦シャレード デ・トマソが途絶えますが、1993年に発売された4代目で復活し、これまで1リッターターボだったエンジンは、新開発の1.6リッター直列4気筒自然吸気にアップデートされました。

 最高出力は125馬力とハイパワーなユニットではありませんでしたが、小型かつ900kg(5速MT)という軽量な車体に、ハードなスプリングとダンパーが組み込まれたストラット式4輪独立懸架や4輪ディスクブレーキ、車体剛性のアップなどのチューニングにより、高い運動性能を発揮。

 さらに、専用のエアロパーツや、ピレリタイヤ、ナルディ製ステアリング、レカロ製スポーツシートなどの装備によって、スポーツマインドあふれるコンパクトカーに仕立てられています。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種のなかでシャレード デ・トマソ以外のモデルは、すべてモータースポーツに深い関わりがあります。

 そもそも、1.6リッターという排気量は自動車税の区分からすると中途半端な存在ですが、モータースポーツの世界ではクラス分けの基準のひとつです。

 モータースポーツに参戦することで1.6リッターエンジンの高性能化が飛躍的に進みましたが、現在はメーカーのレース活動縮小や、レースそのものが消滅してしまったことで、1.6リッターエンジンは激減してしまいました。

 なお現在、国産メーカーで自然吸気の1.6リッターエンジンを展開しているのは、スバル、日産、スズキで、トヨタが2020年夏に発売する「GRヤリス」に、272馬力を誇る1.6リッター直列3気筒ターボエンジンが搭載されますが、もはや国内では少数派です。

こんな記事も読まれています

日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
くるまのニュース
レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
レクサス、新型SUV「GX550」を今秋に発売! さらに100台限定で“オーバートレイル+”も先行抽選販売へ。
くるくら
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
レクサスが新型「GX550」の限定モデル“OVERTRAIL+”を抽選で発売
@DIME
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
F2王者プルシェール、F1参戦叶わなければインディカーフル参戦も視野に? オーバル挑戦にも前向き「チャンスがあれば当然やりたいよ」
motorsport.com 日本版
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
レスポンス
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
全国各地で地震が多発! クルマまわりの防災設備をさらに強化しつつ「モバイルトイレ」にも期待【連載 桃田健史の突撃!キャンパーライフ「コンちゃんと一緒」】
LE VOLANT CARSMEET WEB
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
くるまのニュース
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
VAGUE
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
レスポンス
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
Auto Messe Web
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
Webモーターマガジン
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
motorsport.com 日本版
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
日刊自動車新聞
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
Webモーターマガジン
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web

みんなのコメント

21件
  • このシャレードが田舎の峠道(いわゆる酷道)でめっちゃ早かったのを覚えている
  • シビックはEFが好きだな
    sirもいいけどちょっと驚いたのは下級モデルの1300ccのやつ
    パワーはそんなにないが軽量、コンパクトでキビキビ気持ちよく走れるのでこれも悪くはないなあとか思った
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.1398.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0450.0万円

中古車を検索
シビック (ハッチバック)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

324.1398.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0450.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村