■中古車なのに全然乗ってない… 「距離激浅」個体は安全?
中古車検索サイトを見ていると「5年落ちで5000キロ未満」といったクルマを見かけることがあります。さらに見ていくと、「20年落ちなのに1万キロ」のようなクルマもあります。
一般的な認識として、「走行距離が少ない=使用頻度が少なく程度のいいクルマ」と考えますが、はたして狙い目なのでしょうか。中古車販売店に聞いてみました。
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中古車買うとき、誰しもが重視するものといえば、限られた予算のなかで可能な限りコンディションの良い、使用感の少ないクルマを選びたいというのが本音ではないでしょうか。
そのひとつの指標として、メーターに表示される「走行距離」があります。
できれば距離が少ない方がいいという心理は、ごく一般的なユーザーもそうですし、好きなクルマを血眼で探すクルマ好きもそれほど変わらない考えかと思われます。
結果、走行距離が少ない個体に需要が集中して相場も高くなり、その反対に過走行気味のクルマは敬遠され、価格も安くなりがちです。
実は筆者(自動車ライター 松村透)も昨年中古車を手に入れたのですが、なんだかんだいっても重視したのは走行距離でした。
とはいえ「5年落ちなのに5000キロ未満」といった具合に、極端に走行距離が少ないクルマを見つけたとして、飛びついてしまっていいものなのでしょうか。
少なすぎると、むしろ何らかの要因でトラブルがあったクルマなのではないか、早急に手放さないといけないデメリットがあるクルマだったのか…など、前のオーナーの使い方がわからない中古車だからこそ、マイナスに考えがちです。
首都圏にある中古車販売店A店のスタッフに話を聞いてみました。
「年式の割に極端に走行距離が少ないクルマを見つけた場合、メーカーの認定中古車であれば基本的に『買い』だと思いますね。
整備の記録がしっかりしていて、なおかつ認定中古車としてのお墨付きを得た個体ですし、多少割高でも飛びついてしまっていいと思います。
この手の中古車は人気がありますし、即断即決しないとすぐに他の誰かに買われてしまう可能性が高いです」
やはり、基本的には「アタリ個体」である場合が多いようです。特に、ディーラーの厳しいチェックをクリアした認定中古車の場合、特にクルマの「生い立ち」もクリーンな場合が多いといいます。
「我々のような街の中古車販売店の場合、オークション会場から仕入れる場合とユーザー様から買い取るケースが大半です。
最近のクルマはコンピューターで管理されているためメーター巻き戻しの可能性が低く、極端に走行距離が少ない中古車は『クルマを買ったけど乗る頻度が少なかった』とみなしていいと思います。
あとは、屋外駐車か屋内駐車かによってクルマのコンディションがまったく変わってきます。エンジンルームやドアの内側の汚れ具合を見れば一目瞭然です。
逆に屋外保管でこのあたりまできっちりと洗車してあるような中古車は、非常に大切に乗られてきた確率が高いのでおすすめです」(A店スタッフ)
A店スタッフの言う通り、マイナスなことがあったから距離を乗らずに手放してしまった、ということではなく、単に「乗る機会がなかった」という捉え方が正しいようです。
それを確かめるには、汚れの少なさなどをしっかりチェックすると、より不安要素も消えて納得できます。
また、整備記録などがしっかり残っていて、それらがすべてディーラーで行われてきたクルマで認定中古車であれば、ほぼ間違いのない「アタリ」のクルマかもしれません。
■クルマによっては「むしろ避けておいたほうがいい」パターンも
「距離の少ないクルマはコンディションもいい」
実はさきほどのこの定義が当てはまらない場合があるそうです。どういうことなのでしょうか。
1980年代から2000年代初頭のネオクラシックカーをメインに扱う中古車販売店B店では以下のコメントをいただきました。
「旧車およびネオクラシックカーと呼ばれるクルマであれば、メーター巻き戻し(いわゆるメーター改ざん/メーターバック)の可能性もゼロではありません。
2017年1月より、過去の車検時に記載された距離数を車検証に記載することが義務づけられ、多少なりとも厳しくはなりました。
しかしそれ以前、例えば20年前にメーターが巻き戻しされ、それから10年後に再び巻き戻された中古車が流通している可能性も否定できません。
事実、オドメーターおよびトリップメーターがアナログ式だった時代のクルマは、メーターパネルを外して巻き戻すことを専門にしている闇業者がいたほどです。
ある程度、年数が経ったクルマで極端に走行距離が少ない場合はメーター巻き戻しを疑う必要がありそうです。
かといって、証拠となるものを見つけるのは困難であることも事実なんですが…」
先程の年式新し目の認定中古車とは違い、もはやクラシックカーと呼ばれる年式のクルマは、現在に至るまでどのようなヒストリーを持っているか、全く分かりません。
もちろん、整備記録がしっかり残って新車から大切に乗られてきたワンオーナー車であれば、メーター巻き戻しの可能性も低いかもしれません。
しかし、それを証明することすら、やはり難しいのが現実。もしメーターが巻き戻っていればクルマとしての価値は低くなり、もしかしたら重整備が必要な走行距離を走ってしまっているかもしれません。
また、メーター巻き戻しがなかったとしても、「長い間眠っていた」ということは、大きなトラブルを招くことがあります。
クルマは機械です。動くことが調子を保つ秘訣でもあり、長い間動かさないでいるとオイルが循環しなかったり、ゴムやプラスチック部品がずっと同じ形のままになるため、部品が崩壊したり、油膜切れで致命的なトラブルになることもあるようです。
「仮に30年前のクルマの実走行が2万キロだったとしましょう。お客様が当店で購入を決められる前に、おおよその『乗り出し価格』をお伝えします。
乗り出し価格とは、『クルマの購入金額+可能な限り問題なくお乗りいただけるコンディションまで引き上げること』です。そのときには、購入金額並みの費用が掛かってしまうこともあります。
なかには『買えば何とかなる(何とかする)』とおっしゃるお客様もいらっしゃるのですが、そういった方ほど半年もしないうちに『やっぱり無理だった』と手放してしまうケースが多いんです。
そこまでのご予算、そして覚悟がおありなのか、もういちど冷静になって考えていただくようにしています」
正しく走っていれば、経年で交換が必要な部品がしっかり変えられているケースが多いですが、極端に走っていないと、もしかしたら「新車から40年たったままの燃料ホース」がついているかもしれません。
そうすると、故障を招くだけではなく、大火災や事故につながる可能性もあります。旧車およびネオクラシックカーともなると、走行距離の少なさだけで飛びつくのはリスクが高いといえそうです。
むしろ「多少健康体を維持するために走っている」クルマのほうが安心でしょう。
もし超低走行の旧車・ネオクラシックカーを検討している場合、購入後も費用が掛かるということを肝に銘じる必要がありそうです。
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みんなのコメント
一万キロ未満ないのにハンドルやキー差し込み口のヘタりが結構あったり、シートサポートのシワがクッキリ付いてたり内装のヘタリがある怪しい車は避ければ良い。