12気筒フェラーリの世界に足を踏み入れる最適な1台…?
2025年2月6日、ボナムズがフランスで開催した「Les Grandes Marques du Monde à Paris」オークションにおいてフェラーリ「456M GT」が出品されました。左ハンドルのマニュアルモデルは、688台しか生産されていません。現在のオーナーに456M GTが渡ったのは2024年のことで、オドメーターの数字は6990kmとローマイレージな1台でした。
1000万円以下で手に入れる初めてのフェラーリ…「456GT」の中古価格が上昇気味? ただしMTに限ります。いまなら跳ね馬V12も間に合う!?
ピニンファリーナによる曲線的なデザイン
1989年に412の生産を終了して以来、長く2+2GTのニューモデルをラインアップに加えていなかったフェラーリ。再び高性能な12気筒2+2GTを発表したのは、1992年10月に開催されたパリ・サロンでのことだった。
「456GT」とネーミングされ、フロントに5.5LのV型12気筒DOHCエンジンを搭載するもので、最高出力は442ps。このスペックは当時、F40を除けばフェラーリがオンロードに送り出したモデルの中で最もパワフルな数字となる。組み合わされる6速MTはリアに搭載され、前後の重量配分を最適化。フェラーリとしては初の電子制御式セルフレベリングサスペンションを採用するなど、そのメカニズムはきわめて先進的だった。
ピニンファリーナによるエクステリアデザインも、456の大きな見どころだった。先代モデルの412が直線を基調としたシャープなライン構成が特徴だったが、456では一転、曲線で構成された優秀なエアロダイナミクスを予感させるスタイルが完成されている。
出品車は6速マニュアルの左ハンドル
そのスタイルはデビュー当初から高く評価され、実際に305km/hという最高速まで安定した走りを実現したのだから、ライバルメーカーにとって、456の存在は大きな脅威だったに違いない。さらに1997年には4速AT仕様の「456GTA」が、また1999年にはモディフィカータ、すなわちマイナーチェンジ版の「456M GT」と「456M GTA」が誕生している。
オークショネアのボナムズが先日パリで開催した、「LES GRANDES MARQUES DU MONDE À PARIS」に出品した456は、6速MTを組み合わせるモディフィカータ版の456M GTだ。
定期的にメンテナンスされてきた1台
ちなみにマニュアル・ギアボックス、左ハンドルという仕様の456M GTは、フェラーリの記録によれば688台が存在するにすぎず、今回オークションに出品されたモデルは2000年12月にパリの著名なフェラーリ・ディーラー、シャルル・ポッツィによってファースト・オーナーに売却され、パリ近郊の会社名義で登録されていた。
さらにポッツィには3204kmまでサービスを行っていた記録が残るが、その後2004年には所有者が変わりメンテナンスはフィオラノ・レーシングへ。2017年に行われたサービスでも走行距離は5166kmを記録するのみだった。
そして現在のオーナーにこの456M GTが渡ったのは2024年のこと。オドメーターの数字は6990kmに増えたが、それでもまだまだ新車に近いコンディションであることは確かだろう。
フェラーリが456M GTで見せた改良策。それはじつに積極的なものだった。エクステリアではフロントグリルの面積がさらに拡大されたほか、ボンネット上のエアアウトレットを廃止。ヘッドランプのカバーもフェンダーラインに合わせて、より立体的なデザインに改められている。アンダースポイラーが固定式となったのも興味深いところだが、じつはフェラーリは、この456M GTから自社の風洞実験装置による空力実験を開始している。エクステリアでのさまざまな変化は、それに実証されたものなのだ。
走行距離の少なさはおおきなセールスポイント
インテリアでも改良の跡は数多く見受けられる。それまでの456ではセンターコンソール上にあった水温計と油圧計は、視認性を高めるためにメーターパネル内に移動。550マラネロから受け継がれたマルチファンクション・ディスプレイもこのパネル内に装備されることになった。シフトレバーの位置やシートデザインも、より良好なドライビングスタイルを生み出すために改良された。
搭載されるV型12気筒エンジンの、442psという最高出力は不変だったが、エンジン・マネージメントは最新世代のものに改められた。フェラーリが456シリーズに新たに付けたMの称号、それは決してセールスのための飾りではなかったのである。それでは今回のオークションの結果はどうだったのだろうか。一般的にはやや人気薄ともされる456シリーズだが、Mモデルの6速MT仕様、しかも走行距離の短さはおおきなセールスポイント。グリジオ・チタニオのボディカラーにも、またベージュのレザーインテリアにも目立った傷みはない。
ボナムズがオークション前に掲げた予想落札価格は、9万ユーロ~13万ユーロ(邦貨換算約1140万円~2080万円)。そして実際の落札価格は12万750ユーロ(邦貨換算約1935万円)という結果だった。12気筒フェラーリの世界に足を踏み入れるのならば、それはとても魅力的な存在だったと評価できるのではないだろうか。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
盗難車のトヨタ「アルファード4台」を“輸出寸前”でギリ発見! 「告発しました!」 「コンテナ詰め車」タイへの不正輸出を阻止! “最後の砦”横浜税関が「ファインプレー事例」公開
ホンダ新「“3列7人乗り”ミニバン」発表! “ひろびろ内装”と「3列目シート」の快適性がスゴイ! 新「ステップワゴン」乗って体感した“乗り物酔い”防ぐ仕組みとは!
新車253万円! マツダ「小さな高級車」が凄い! 全長4.2m“ちょうどイイサイズ”×豪華「白&ブラウンレザー」インテリアがサイコー! 精悍ブラックがカッコいい「CX-3」とは
自衛隊「F-35乗りの数が大台を達成!」発表の英企業「GCAP」まで睨んだ“日本にメリット大”な新サポート体制にも言及
【米国】レクサス新型「スポーティSUV」発表! ド迫力の400馬力“爆速仕様”がスゴイ! まるで「MT」な新システム搭載で進化した「新型RZ」登場!
相次ぐ逆走事故で「最強の防止装置」に話題殺到!? 消極的な政府に「国の怠慢」「弱腰じゃ一生事故消えない」の声も…逆走で「タイヤに刺さる」対策なぜ導入されないのか
日産「新型スカイライン」登場へ! 高性能な「セダン」!? SUVモデル「クロスオーバー」復活!? 話題の「新モデル」登場説なぜ浮上した? どんなクルマになる?
【転売ヤー涙目】「フェアレディZ」納期改善で中古車価格が大暴落。損切り者続出で今後の展開は?
「長く乗るほど損」税金9種が重なる日本のヘンテコ自動車税制! 8割が「理不尽」と回答、自動車税米国の23倍、なぜ世界一高いのか
ガソリンの新たな支援制度開始、最終的に最大10円「定額」補助[新聞ウォッチ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント