2012年4月、ブランドの中核モデル「アウディA4(セダン/アバント/S4とも)」がビッグマイナーチェンジされた。アウディ自身は「全面刷新」と呼んでいた「大幅改良」によって、「A4」はどう進化したのか。今回は導入後まもなく、東京都心の首都高速を中心に行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年6月号より)
新デザインのシングルフレームグリルを採用、テールライトの造形も更新
ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
日本市場でも世界の市場でもこのところは全アウディ販売台数中の4分の1ほどを占め、前身であるアウディ80シリーズを含めれば、生産累計台数はすでに1000万台を突破、そんなベストセラーモデルであるA4シリーズと、スポーツバージョンであるS4に、今回リファインの手が加えられた。
本国資料によれば「8世代目」と紹介され、日本の試乗会でのプレゼンテーションでは「全面刷新」と表現されるが、そのボディ基本骨格や、一部を除いたアウターパネルの造形が踏襲されている点、そして何よりも、これまでのモデルのデビューが2007年の秋であったことなどを考慮すれば、今回導入されるのはこれまでの従来型モデルをベースとしたビッグマイナーチェンジ版と紹介するのが適切だろう。
日本に導入されるバリエーションも、従来のそれから変更はない。すなわちボディバリエーションは、4ドアセダンと、アウディでは「アバント」と称されるステーションワゴンの2タイプ。搭載されるエンジンは、A4が2Lのターボ付き4気筒で、S4が3Lのメカニカルスーパーチャージャー付き6気筒。それらいずれもアイドリングストップ機構が付加された直噴ユニットとなるが、前者には最高出力が180psと211psの2つの仕様が用意され、これがCVTと組み合わされるFFシャシと、7速DCT(Sトロニック)と組み合わされる4WDシャシのそれぞれに搭載・・・と、少々複雑な展開となっている。
実は今回のA4のリファインに際しては、欧州市場に向けては新たにツインインェクション方式を採用し、170psという最高出力にしてCO2排出量がわずかに134g/kmと表示された新たな1.8Lエンジンの誕生がトピックと報じられている。だが残念ながら今回は、まだ新エンジンの日本導入はナシ。ただしこれは、FFシャシにCVTという組み合わせが可能とのことなので、いずれ日本市場に導入される可能性もゼロというわけではなさそうだ。
新型であることが、エクステリアの上で顕著にアピールされるのは、フロントマスクと言えそうだ。すでにA1やA5、A6などでも導入済みであるために、率直なところそこにさほど新鮮な雰囲気が漂うというわけではない。だが、昨今のアウディ車のもっともわかりやすいアイコンであるシングルフレームグリルには、左右上端に「隅切り」が施された最新のバージョンが採用され、バイキセノン式ヘッドライトユニットの形状もこれと合わせて変更されると同時に、内部LEDポジショニングランプのレイアウトも新たになって、点灯時の表情も新しくなっている。
加えてリアビューも、新しいフロントマスクとバランスを取るように新たな表情をアピール。テールライトの造形はヘッドライトユニットのそれを反復するように更され、LEDテクノロジーが用いられての点灯時の印象は、むしろフロントよりも大きく変わったようにも感じられる。
ところで、アウディ各車のインテリアクオリティの高さは定評がある部分だが、その高い質感には今回さらに磨きがかけられた。
各部に用いられた昨今流行のピアノブラック色とクロームの組み合わせが、クールでモダンな雰囲気を演出。インストルメントパネルも新設計のワンピース構造とし、グレイ仕上げが標準とされている。また、全車に標準装備された本革巻きステアリングホイールの質感なども「さすがはアウディ」と納得のいく仕上がりだ。オプションとしてSラインパッケージも用意されている。
スタートストップシステムなどの導入で燃費を向上
そうした変更を受けた新しいA4は、2.0TFSIクワトロセダンでテストドライブを行った。テストドライブとは言っても、試乗会プログラムの関係から、東京都心の首都高速を中心に短時間の走行のみだった。
このような走りのモードの中でまず好印象を受けたのは、まるでメカニカルスーパーチャージャー付きのように、低回転域でもアクセル操作に相応して太いトルクを発する2L TFSIエンジンのキャラクターと、微低速域でもトルコンATに匹敵する滑らかな変速動作を行うDCT、Sトロニックのコントロールだ。
一方、走行速度によって大きく操舵感が変わる電動式パワーステアリングのフィーリングや、振動ダンピングがやや甘いばね下の動きにはやや不満の残るところ。停止/再始動時にわずかに身震いを感じるアイドリングストップの動作も、プレミアムモデルとしては今一歩の洗練を期待したくなる。
ただしこのモデルは、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズといったライバルにいまだその設定がない中では、貴重な4WDモデル。それもまた個性ということになる新しいアウディA4である。(文:河村康彦)
アウディ A4 2.0TFSI クワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4720×1825×1440mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:1680kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:155kW(211ps)/4300-6000rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1500-4200rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●車両価格(税込):523万円(2012年当時)
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みんなのコメント
後継B9.0世代はこれをシャープな方向で引き継ぎ、より清潔な都会的センスを高めた(悪くいえば無味無臭)デザインでした。マイナーチェンジ版B9.5世代は少し記号の多いデザインで、年を追うごとにチグハグな印象が私にはあります。
踏まえるとB8.5世代のグレイシアホワイトなど今でもチラホラ見かけますし、落ち着きあっていいなと思うデザインです。
但し、内装はインフォテイメント中心に流石に古さと重厚感を否めません。日進月歩の世界ですし、内装はB9世代には大きく劣ると思います。インフォテイメントに敏感な若い世代でなければ、内装イメージの重さを落ち着きととらえて、ギリギリ受入可能でしょうか
休日の夫婦のデートカーとして、3.0V6のS4など最高の1台だと思います。