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フェラーリのクビサ、ル・マンを前に“レースでの強さ”を懸念「6つのメーカーが表彰台を狙っている」

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フェラーリのクビサ、ル・マンを前に“レースでの強さ”を懸念「6つのメーカーが表彰台を狙っている」

 WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスでAFコルセの83号車フェラーリ499Pを駆るロバート・クビサは、6月8日に行われたル・マン24時間レースのテストデー後、フェラーリ499Pのパフォーマンスを軽視し、250km/hを超える領域ではハイパーカーのなかで最低のパワーしか発揮できないことから、このイタリア車の「レースでの強さ」を心配している。


■レースウイークの暑さに対応できるか

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 ポーランド出身の元F1ドライバーであるクビサは、テストのオープニングセッションで最速タイムを記録。午後には3番手タイムを記録したが、トヨタのブレンドン・ハートレーが樹立した最速タイムには0.656秒及ばなかった。

 フェラーリの最高峰マシンは、ファクトリーマシンの51号車で、ジェームス・カラドが午後のセッションでトヨタの8号車に0.531秒差の2番手タイムを記録している。

 直進性能は、過去2回のル・マン24時間レースで勝利を収めた499Pの強みと考えられていたが、今回の性能調整(BoP)では、ハイパーカーにおいて全般的に250km/hを超える領域、いわゆる『パワーゲイン』値の幅が広がっている。

 499Pは、250km/h以下で昨年に比べてパワーアップしているにもかかわらず、しきい値を超えると500.1kWとなり、最高値が与えられているBMW Mハイブリッド V8よりも約20kW低い。

 クビサは、レギュレーション策定者が最高速を可能な限り均衡させるという目標を認めつつも、250km/hを超えると499Pが相対的にパワー不足となることが、レースにおいてフェラーリにとって問題となる可能性があることを認めた。

「純粋に最高速の数値だけを見ても、結論を出すのは難しい」とクビサはSportscar365に語った。

「もっとも大きな違いを生むのは、そこに到達するまでの過程だ。正直なところ、250km/hを超えるとパワーが大きく変動するのはあまり好ましくない。自分がおそらくもっとも効率的なマシンを運転していることは分かっているが、レースにとっては難しい状況だ」

「最高速がもっとも速いマシンが、必ずしも直線で最速のマシンとは限らない。空気抵抗が大きいマシンでも、最後の20km/hに到達する速度ははるかに速い。ここでは純粋なパワーが重要になるが、(空力)効率も別の要素としてある」

「レースでは状況が少し異なり、250km/hを超えるとパワーがもっとも弱いのは僕らだ。これは僕らにとって不利だが、一方でACOは可能な限り平等にしようと努力している」

「まったく同じになることは決してない。自分のマシンでは、必要なものと、自分が速く感じるものの間で、最適なバランスを見つける必要がある」

 テストデーのペースについて、クビサは83号車の挙動には満足しているものの、日曜日の走行が比較的涼しく曇り空だったため、暑さが予想されるレースウイークの状況を反映できていない可能性があると指摘した。

「マシンのフィーリングにはかなり満足している」とクビサ。

「これが土曜日のレーススタートに反映されるかどうかは分からない。比較的クリーンな路面で好調なコンディションにある時、それが良い兆候ではないことは何度も経験しているからね!」

「そうならないことを願っている。路面状況と天候の変化を見守りたい。日曜日は比較的涼しかったけど、これから気温が上昇していくだろう。これは大きな影響を与えるはずだ。昨年の経験から言うと、気温が高い時はリヤのデグラデーションに苦戦した」

「とはいえ、マシンは改善し、マシンへの理解も深まったので、このようなコンディションでどれだけのパフォーマンスを発揮できるか、興味深いところではある。この分野で本当に優位に立てたかどうか、良いテストになるだろう」

 水曜に始まるプラクティスに向けての勢力図をどう見ているかと問われたクビサは、LMDhメーカーであるBMW、キャデラック、アルピーヌ、ポルシェが、昨年フェラーリとトヨタの直接対決となった時よりも大きな脅威になるだろうと答えた。

「今年はマシンの集団がかなりコンパクトで、特に短い時間の中で、少なくとも5~6メーカーが非常に競争力を発揮するだろうと考えている」とクビサは語った。

「24時間というさまざまなコンディション、そしてレースのさまざまなステージで、マシンのパフォーマンスはより大きく変化するだろう」

「LMDhマシンは昨年のル・マン以来、大きく進歩した。昨年のBMWは、1周では最強ではないにしても、最強のマシンのひとつだったと言えるだろう。そして、24時間でのマシンのタイムウインドウも改善していることは知っている」

「キャデラックも競争力を発揮してくるものと予期している。(開幕戦の)カタールでは彼らが非常に競争力があることが分かったし、アルピーヌも非常に高いポテンシャルを秘めたマシンだ」

「そしてもちろん、ポルシェもいる。つまり、すでに6つのマニュファクチャラーが、表彰台を狙っているということだ」

[オートスポーツweb 2025年06月11日]

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みんなのコメント

1件
  • ari********
    これまでも、今もまだフェラーリは充分優遇されてると思うけどね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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