小椋藍、スプリントは好スタートで9ポジションアップ「最初のラップも良くポジティブな結果」／第9戦イタリアGP

　6月21日、2025年MotoGP第9戦イタリアGP MotoGPクラスの2日目のセッションがムジェロ・サーキットで行われ、小椋藍（トラックハウスMotoGPチーム）は予選で21番手を獲得し、スプリントは12位でフィニッシュした。

　第7戦イギリスGPのフリー走行で転倒を喫した際に右脛骨上部を負傷し、その後は手術を受け第8戦アラゴンGPも欠場となったが、今大会から復帰が叶った小椋。足の調子も順調に良くなっているようで、レース前から走行を心待ちにしていた彼は、初日から自身とマシンの調子を確認しながら走行を行った。

　初日は少しずつ自己ベストを更新し、最終的には1分45秒998まで短縮することに成功。トップとは差があったものの、「最初の目標はとにかくもう一度バイクに乗って自信をつけることだったので、初日としてはまずまずだったと思います」と振り返っていた。

　そんな初日から一夜明け、2日目はフリー走行1回目からスタートし、ユーズドタイヤを使用して計11周を完了させた。続く予選Q1はフロントにミディアムタイヤ、リヤにソフトタイヤを履いて臨むと、1度目のランでは前日の自己ベストを更新する1分45秒869をマーク。ところが、トラックリミットによりタイムが抹消となり、記録を残せていない状況だった。

　気持ちを入れ替えて臨んだ終盤、リヤのソフトタイヤのみニューのものに変えてアタックを遂行し、1分45秒802とさらに自己ベストを更新するタイムを記録。ただ、11番手にとどまる結果となり、スプリントおよび決勝は21番グリッドからのスタートが決まった。

　復帰後初となったスプリントは、絶好の蹴り出しを見せてスタート直後に15番手まで浮上すると、さらに翌周には一時12番手に姿を現す。その後は集団の中でひとつ順位を下げてしまうも、折り返しを迎える頃には再び12番手へと順位を戻し、エネア・バスティアニーニ（レッドブルKTMテック3）を追撃する。

　最終盤に一時は0.4秒ほど後方にまで迫るが、ラストラップではややミスがあったか、その差はさらに広がることに。最終的にはバスティアニーニに1.060秒差の12位でフィニッシュとなったが、好スタートから9つポジションを上げることに成功し、復帰戦としては良いスタートを切ることができた。

　日曜日の決勝レースは約2倍の23ラップで争われることとなる。予選では少々沈み、後方グリッドからのスタートとなってしまったが、小椋のレースでの追い上げぶりを見ると、決勝レースでの走りも期待できそうだ。明日22日（日）日本時間21時に行われる決勝レースでの走りにも注目だ。


トラックハウス・MotoGPチーム 小椋藍（予選：21番手、スプリント：12位）

「今日は良かったですし、スプリントもまずまずでした。昨日はとても疲れていましたが、今日はそれほど疲れを感じませんでした。でも今回はまずまずでした。最初のラップも良かったですし、ポジションもいくつか上げることができました。その後はエネア（・バスティアニーニ）の後ろをキープできました。これはポジティブな結果だったと思います」

[オートスポーツweb 2025年06月22日]