正味6日間でドイツの4大メーカーを含む計6つの博物館を見学する今回の旅は、かなりのハードスケジュールだった。それぞれの博物館がある都市を巡る移動距離も相当なもので、全日程を予定通りに実行できたのは、ツアーコンダクターのK氏とコーディネーターのアレックスによる極めて入念な準備の賜物だ。それとは別に今回の旅を可能にした重要な要素が2つある。アウトバーンと貸し切りの観光バスだ。
朝、ホテルの正面に待っているバスに乗り込み、市中を抜けてアウトバーンに乗り、目指す博物館の入り口に到着。見学を終えるとすぐさま次の目的地に向かう。無駄な待ち時間は一切なし。ドア・ツー・ドア移動の高い効率は公共交通機関の比ではない。仮にこの旅を電車で行おうとするなら、宿泊地から最寄りの駅までの移動手段、電車の発車時間、目的地の駅から博物館までの移動手段を一つ一つ勘案しければならない。おそらく倍の日程を要するだろう。
今回の旅の足として大活躍したMANとメルセデス・ベンツの観光バス。日本ではまず乗る機会がないので感激した。ともに乗り心地は快適。MANでゆっくり移動中、先行車が無理な割り込みをしてきて軽いパニックブレーキを掛ける一幕があった。バスのドライバー氏は充分な安全マージンを確保すべく、ブレーキペダルを軽く踏んだだけだったが、空のペットボトルが前方に吹っ飛ぶほどの制動力を発揮した。全日程を通じてアウトバーンで渋滞に巻き込まれなかったのも幸いだった。どのルートも概ねスムーズに流れていた。車間距離が日本よりさらに短い代わり(つまり私の目から見ると完全に危険ゾーン)、大抵のクルマは制限速度内で走っている。ドライバーの法を守ろうとする意識も高いのだろうが、監視の目が厳しいのがおもな理由だろう。時々、追い越し車線をカッ飛んで行くのがいるとは言え、前車の後ろにピタリと着いて威嚇するシーンは見なかった。また追い越し車線を走行中に後方から速い車が迫ってくれば、すみやかに右の走行車線に移るのもスムーズな流れに貢献していると感じた。
この写真は2月18日午後5時、シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ博物館から撮影した。ヘッドライトを点けているクルマがあるように、そろそろ夕方のラッシュアワーに差し掛かかろうという時刻だが、東京の首都高速で経験するような絶望的な渋滞ではない。一方、都市部の交通となると、事情は一転する。私は今回の旅で一度だけタクシーに乗った。BMWミュージアムからミュンヘン市内のホテルまでだった。市内に入ると途端にひどい渋滞、文字通りbumper to bumperだ。逃げようがない。タクシーの運転手氏は次第にイライラを募らせ、前の車が自分の望むタイミングで発進しないとすかさずホーンを鳴らす。動かないのがわかっていてジリジリと車間を詰めるから、メルセデスの近接センサーが作動して、ノーズ全体が前車に接触寸前だと警告する。見ているこちらがハラハラした。ミュンヘン、コペンハーゲン、マンハッタン、東京。大都市の渋滞は世界共通の悩みのようだ。
Text:相原俊樹Photo:相原俊樹ほか
【筆者の紹介】相原俊樹:自動車専門の翻訳家・著述家。月刊の自動車専門誌向けに海外のロードインプレッションや新車情報などを翻訳。自動車関連の翻訳書多数。現在の愛車はポルシェ・ボクスター。趣味は60年代のカンツォーネと藤沢周平の時代小説。
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