■クロスオーバー4ドアクーペという新提案
レクサスは2025年10月31日から11月9日まで開催の「ジャパンモビリティショー2025」において、「LSクーペコンセプト」を世界初公開しました。
【画像】超いいじゃん! これがレクサス新「最上級クーペ」です!
同時に発表された6輪ミニバン型の「LSコンセプト」とともに、レクサスのフラッグシップモデルである「LS」が、もはや従来のセダンという枠にとどまらない存在へと進化する可能性を強く示唆する内容となっています。
今回、発表されたLSコンセプトシリーズの中でも、LSクーペコンセプトは最も現実的なモデルといえるでしょう。
一方で、インターネット上では「LSがセダンでなくなるなら、レクサスそのものの価値が薄れる」「フラッグシップセダンは残すべきだ」といった、従来のセダンスタイルを望む声も多く見られました。
LSクーペコンセプトは、「DISCOVER DUALITY(二律双生の発見)」をテーマに開発。
「走る楽しさと後席の快適性」「スポーティな外観と広い室内空間」など、相反する価値の融合を目指しています。
エクステリアは、クロスオーバースタイルの4ドアクーペ。大径タイヤ(推定21~22インチ)と張り出したフェンダーが力強さを演出し、最低地上高もやや高めに設定されています。
最大の特徴は、観音開き(スーサイドドア)を採用した4ドア構成である点です。フロントマスクはグリルレスデザインとされ、中央に「LEXUS」の文字が配されています。
インテリアは「乗員一人ひとりが自分の体験を楽しめる空間」を目指して設計されました。
運転席は臨場感を高めるコックピットデザインとし、助手席にはダッシュボードに格納式のディスプレイを装備。左右非対称のシートデザインが採用されています。
後席にはシートと一体化した大型モニターを搭載。このモニターでは、前席の顔を映しながら会話したり、フロントカメラ映像で走行中の景色を共有したり、地図を開いて目的地選択をサポートするなど、多様な用途に対応します。
また、後席は竹(バンブー)素材を多用したモダンなソファのような造りで、広々とした空間が広がります。
装備面では、ルーフ後端にドローンを搭載できる機能が注目を集めました。車内からドローンを離陸させ、自車の空撮を行うことが可能です。
さらに、トランクは床がスライドして荷物を引き出せるユニークな構造となっています。
パワートレインの詳細は未発表ですが、従来のガソリンエンジンやハイブリッドから、EV(電気自動車)を想定したコンセプトへと移行していることがうかがえます。
そもそもレクサスLSは、1989年1月に北米で発表され、同年8月から販売がスタート。同年10月には日本で「セルシオ」として発売されました。
初代LSは北米で、圧倒的な静粛性と高品質が高く評価され、メルセデス・ベンツ「Sクラス」の販売台数を上回るなど、業界に衝撃を与えました。
この現象は「セルシオ・ショック」と呼ばれ、トヨタが高級車市場で成功を収めた象徴的な出来事となりました。
4代目(2006年)からは日本でもレクサスLSとして販売が開始され、現行の5代目モデルは2017年にフルモデルチェンジを受けています。
これまでのLSが4ドアセダンであったのに対し、今回のLSクーペコンセプトはクロスオーバー4ドアクーペとして再構築されました。
車名の意味も「Luxury Sedan(ラグジュアリーセダン)」から「Luxury Space(ラグジュアリースペース)」へと刷新。
センチュリーブランドの独立によって自由度を増したレクサスが、新たな方向性を示す第一弾となります。
同時に出展された6輪仕様のLSコンセプトが「空間ボリュームの最大化」を狙ったのに対し、LSクーペコンセプトは「走りとくつろぎの両立」をテーマとしており、異なるアプローチで未来のLS像を提示しました。
現行LSはアメリカ市場で販売台数が減少しており、海外メディアでは2026年以降の生産終了が報じられるなど、従来型セダンのLSの将来は不透明です。
しかし、レクサスはLSを「LSファミリー」として展開する戦略を描いているとみられ、今後はセダンにとどまらず、多様なボディタイプをラインナップする可能性が高いでしょう。
次期LSがどのような姿で登場するのか今後の動向に注目です。(佐藤 亨)
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みんなのコメント
ちょっとした収納部の稼働とか質感とか
そういうの忘れたらアカンよ
コストカットの悪例が現行のRX
なにあのデザイン、そしてコストカットしすぎた内装