現行型は13年近いロングセラー商品
現行型となる13代目V37型『日産スカイライン』は、2013年11月に日本で発表されているので、実に13年近いロングセラー商品となった。
【画像】現行V37型日産スカイラインの集大成!ベースの『400R』と特別仕様車『400Rリミテッド』 全48枚
これはスカイラインの歴史上、最も長いものだ。もちろんSUV、ミニバンが主役の昨今、セダンの需要はかなり少なくなり、まだ売られているという事実に驚く方もいるかもしれない。
ただご存知のように、2001年に登場した11代目V35型以降は、北米市場を中心とする高級車ブランド『インフィニティ』できょうだい車が展開されており、現在も『インフィニティQ50』が販売されている。
そんなスカイラインの車名が今年、何度か話題となっている。それは日産が正式に次期モデルのティザー画像を発表し、フルモデルチェンジを予告しているからだ。
7月30日には『開発期間短期化の取り組みについて』と題したメディア向け説明会も開催され、その開発プロセスを経たパイロットモデルとして登場するのが、次期スカイラインだという。量産車デビューは早ければ今年後半との予想だ。
この取り組みはプロジェクト開発期間を約50ヵ月から約30ヵ月に短縮するというもので、第一弾のリードモデル、つまり次期スカイラインは約37ヵ月を実現するとしている。
日産車はどうしても贔屓になってしまう
スカイラインという車名は昭和40年代男である筆者にとって、やはり特別なもの。テレビドラマ『西部警察』で活躍したR30型、GT-R復活で沸いた1989年のR32型などが代表的なものだ。もちろん年代が違えば、ハコスカ、ケンメリ、ジャパンなども憧憬の対象となるだろう。
しかも、当コラムでは以前書いたことがあるが、実家がY31型グロリア・グランツーリスモを所有していた時期もあり、日産車はスカイラインに限らずどうしても贔屓になってしまうのだ。というわけで、昨年10月に登場した2026年モデルの『400R』はずっと気になっていて、先日ようやく取材することができた。
この時に行われた商品改良では、『ワンガンブルー』を追加設定。安全装備の最新法規適合、グレード体系および価格改定が行われた。
そこで登場したのが、『現行スカイラインの集大成』となる400台限定の『400Rリミテッド』だ。こちらは持ち込み登録車で、日産モータースポーツ&カスタマイズ扱い。価格は400Rの649万5500円に対し、693万5500円となる。
400Rリミテッドのエクステリアでは、各所にカーボンパーツが採用され、トランク部分に専用バッジを装着。インテリアでもセンターコンソールがカーボンフィニッシュとなり、シリアルナンバープレートが装着される。
走りの部分では、19インチアルミホイールと専用タイヤとなるダンロップSPスポーツ・マックスGT600を採用。フロントは+0.5J、リアは+1.0J幅広化した。
また、フロントサスペンションのバネ定数を4%、タイヤの幅広化に合わせてリアスタビライザーのバネ定数を44%向上。『ロールを抑えた気持ちの良いハンドリング』としている。ブレーキも耐フェード性が高いパッドを使用し、『高温でも安定した制動性能を実現』したとする。
白眉はやはり『VR30DDTT』
さて、久しぶりに乗ることになったスカイラインだが、まずはワンガンブルーのボディカラーでテンションが上がってしまった。当コラム#80で『ワンガンブルーの日産フェアレディZに乗りたくて』と題しているほど、好きな系統の色だからだ。
コクピットに座ると、昨今のSUV、ミニバン取材に慣れた身体には、低くコンパクトに感じるボディサイズが心地よい。参考までに全長4810mm、全幅1820mm、全高1440mmで、車両重量は1760kgとなっている。
現行型スカイラインの白眉は、やはり今どき電動化されていないVR30DDTTと呼ばれる3LのV型6気筒ツインターボだろう。この400Rの最高出力は405ps/6400rpm、最大トルクは48.4kg-m/1600-5200rpmとなり、7速ATを組み合わせる。駆動方式はFRだ。
そのエンジン音やエキゾーストノートを始めとするフィーリングは、とにかく気持ちがいい。ドライブモードをスポーツやスポーツ+にして調子に乗って楽しんでいたら、みるみるガソリンが減って笑ってしまったほど。
足まわりは硬さもありつつ不快さはなく、セッティングが旨いなあとその熟成度に感心。コーナリングの気持ちよさは、4輪個別にブレーキをかけるインテリジェントトレースコントロールがいい仕事をしているようだ。
新車で購入できることに歓迎の意
2014年導入当初は違和感のあったバイワイヤ式のダイレクトアダプティブステアリングも、すっかり意識させないレベルになった。さすがにシャシーまわりの剛性が低く感じるのは、年代を考えれば当然だろう。
室内のインターフェイスも古さを隠せない。メーターデザインは普通だし、足踏み式のサイドブレーキは発見するまでに時間がかかったし、立派なシフトノブの向こうには灰皿! もあるではないか。だからといって、それらは古臭いわけでなく、逆にこれを新車で購入できることに歓迎の意を表したくなる。
確かに丸形テールランプではなく、V35型以降はスカイラインじゃない! という意見もあるだろう(現在はそう見せてはいるが)。しかし、かつてスカイラインに憧れた方であれば、SUV、ミニバン、そして電動車全盛の昨今こそ、この400R、あるいは400Rリミテッドが響くに違いない。かくいう筆者もそのひとりだ。気になっている方は騙されたと思って、ぜひ一度乗ってみて欲しい。
次期スカイラインが話題になるのは、約13年間こうして作り続けてきたからだ。そして最近の日産車の仕上がりから想像すると、新型には相当期待できると思っている。しかし、必ずしも新しいことが是ではなことを、最終形となる可能性もある2026年モデルの『400R』が教えてくれたのであった。
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