学生が自動車とものづくりを身に感じて体感する「学生フォーミュラ」。日産自動車大学校もEV部門で出場したのだが、今年は外的要因で”災難”に見舞われた形になってしまった。学生の奮闘をお届けすると共に、この一大イベントの現地ルポをお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産京都自動車大学校学生広報部、編集部
【画像ギャラリー】まさに青春、日産自動車大学校学生フォーミュラチーム「Natck-F」に密着!! 「サスがなぜそこに!?」なマシンにも注目!!(14枚)
「なにが起きているのかが分からない」
学生フォーミュラは全国の大学、自動車専門学校、海外大学などがエントリーし、内燃機関とEVで車両の走行性能などを競う。
もちろん学生の努力はかなりのもので、車両設計は当然のこと、EVであれば電気的な知識も求められるかなりハイレベルな競技会だ。当然ながらこのイベントの第一義は学生が切磋琢磨し、自動車をベースにした技術の研鑽を進めることにあるが、その背景は自動車メーカーやサプライヤーのリクルーティングの場でもある。
実際に会場にはかなり大規模な出展エリアが存在しており、各社がお菓子やノベルティなどの差し入れを持って回るなど採用活動の場としても有効に活用されている。
しかし、なんだか分からないのが、観客として見に行っても「どこで、誰が、なにをしている」かがまったく分からないということ。スーパーGTやスーパーフォーミュラであればタイムスケジュールなどが掲載されているから追えるのだが、公式サイトを見てもいったいなにがなんだか……。
ましてや取材日はなんとEVの走行審査がキャンセルされたと現地に到着して知ることになった。
海外チームのマシンが発火で周囲は混乱
取材受付に行くと「昨日バッテリーからの発火がありEV走行がキャンセルとなっています」と真っ先にお知らせをもらった。公式SNSでお知らせもなく観客の立場からすればなぜ、という状況だろう。この状況に翻弄されたチームがあった。
そのなかで編集部が取材したのがEV部門に挑む日産京都自動車大学校の学生フォーミュラチーム「Natck-F」だ。前述した発火事故により競技走行スケジュールが大幅に変更されてしまったこともあり、せっかく準備してきたドライバー全員の走行が叶わない可能性があるという。
学生フォーミュラでは「アクセラレーション」「スキッドパッド」「オートクロス」という基本走行種目があり、その後に耐久性を確かめる「エンデュランス」という合計4つの競技がある。しかし競技の特性上、走行が丸1日キャンセルとなれば、基本走行種目の3つか「エンデュランス」のどちらかを選択するしかない状況だった。
参加チームによる協議が行われるが、それに先立ち各チームがどの種目を希望するかを選択する。その時にちょうど取材に行ったのだが、学生たちが悔し涙を流している。
「チームとして先輩の代から”エンデュランス”の完走を目標にしてきました。メンバーのなかで走行の準備をしてきた学生もいますが、チームの決定としては”エンデュランス”をメインに選択したいと思います。でもそれだとドライバー全員が走れないことにもなります……」。
こう語ってくれたのはチームリーダーだ。苦楽を共にした友に諦めを強いる決断ではあったが、彼らが選んだのはチームとしての目標達成だった。
波乱の展開も若き知能が躍動する
そして全参加チームの協議によって結果的に競技種目は「アクセラレーション」「スキッドパッド」「オートクロス」の3つになった。チームとして「エンデュランス」に挑めないのは残念だったが、それでも各種目に全力を尽くすしかない。
車検も合格し、プレゼンテーションやデザインの審査も終えてついに走行。そして結果は13位となった。もちろん技術的な成長もあると思うのだが、精神的にも、そして人間力の成長も見られる競技なのだなとつくづく感じた。
最後にひとりの自動車メディアの戯言にすぎないのだが、今後の学生フォーミュラへの希望を書きたい。ぜひもっと情報をオープンにしてほしいし、決して業界団体だけの内輪の催しにしてはならないと感じる。今年の車両火災は確かにネガティブなニュースだが、いくら安全に留意していても残念ながらモータースポーツにアクシデントはつきものだ。
なぜ起きてしまったのか、どこが反省点なのかなど、運営側がしっかりとステートメントを出して、次回以降繰り返さないようにするのが大切ではないだろうか。
モータースポーツとものづくりの共通点は弛まない「トライ&エラー」。EVだけに過敏になるのもわかるが、これに臆せず、若き学生の、青春の熱気をまた見れる日を楽しみにしたい。
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みんなのコメント
日本や世界の自動車業界を将来担う若者達だけに、安全にはとにかく気をつけて欲しいですね。
競技の専門用語の解説も無く
学生が何か悔しい思いをしたらしい事以外
何の事やらさっぱり分からんかった