歴代最速のNGTC規定ツーリングカーとなったFFハッチバック勢が猛威を振るう、2025年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第5戦が6月21~22日にオウルトン・パークで争われ、予選最速トム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)が週末の緒戦でポール・トゥ・ウイン、続くレース2では巧妙なタイヤ戦略を駆使した4冠王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が勝利を奪う展開に。
しかし直前の降雨で波乱を予感させた最終ヒートでは、今季よりシリーズ本格復帰を果たした元3冠王者の“フラッシュ”ことゴードン・シェドン(トヨタ・ガズー・レーシングUK・ウィズ・IAA/トヨタ・カローラGRスポーツ)が、待望の復帰後初優勝を飾っている。
超高速トラックはFFハッチバックの独壇場に。サットンが予選最速&勝利で選手権リードを堅持/BTCC第4戦
レースウイークに入り、そのトヨタ陣営であるスピードワークス・モータースポーツ(SWM)は急きょのドライバー変更をアナウンスし、予期せぬ商業的問題によりシートを返上したローナン・ピアソンに代わり、17歳のフィン・レスリーがトヨタ・カローラGRスポーツのステアリングを握ることとなった。
「まず、BTCCで多くの成功を収めてきたスピードワークスというチームに、トヨタという一流メーカーのサポートを受けて参加できることを心から光栄に思う」と、FP1デビューを前に挨拶したTCR UK参戦中のレスリー。
「チームメイトたちの経験も加えると、このBTCCデビュー戦にこれ以上ふさわしい場所は考えられない。ここ(オウルトン・パーク)は大好きなトラックで、つねに良い成績を収めてきた。この選手権に参戦することは長年の夢で、今週末にグリッドに立つことができたのは、信じられないほど素晴らしい機会で大きな意味がある。夢が叶ったんだ!」
迎えた週末走り出しはダニエル・ロウボトム(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)がFP1でアライアンス・レーシングのワン・ツー・スリーを牽引し、続くFP2ではクリス・スマイリー(リスタート・レーシング/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)が最速タイムを計時。トップ6のなかに4台のヒョンデが絡んでくる。
続く予選でも勢いそのまま、順当にQ1、Q2を勝ち上がりシュートアウトに臨んだイングラムが、背後の2番手スマイリーに0.5秒近く差をつけ、自身のラップレコードを0.3秒以上も更新するポールポジションを獲得してみせた。
「満足しているよ。すべてがうまくいった。FP1後に微調整を行い、その変更によって多くのタイムを稼ぐことができた。マシンは驚くほど良く、最高のコンディションで走ることができている。ドライブしていて本当に楽しい」とクルマの仕上がりを称賛したイングラム。
「まさに星が揃い、すべてが正しいタイミングで繋がったラップだった。もう1度トライしたが、チェッカーフラッグが出る前にゴールラインに到達できなかった。明日に向けて何が起こるかは分からないし、どうなるか見守るしかない。天候がどうなるかは誰にも分からないから、集中してベストを尽くすよ」
そう語ったポールシッターは、終始完璧な走りでレースをコントロールし、後方からのプレッシャーをほとんど受けずにレース1を制覇。あっさりと“ライト・トゥ・フラッグ”を達成すると、2番手ダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)に続いてファイナルラップに入っていたサットンは、ここでわずかにスローとなりスマイリーを先行させ4位でフィニッシュ。これで続くレース2に向け自由なタイヤコンパウンド選択権を手にする。
そのアドバンテージを最大限に活かしたサットンは、ハードタイヤで苦しむライバルを尻目に快走。ダン・ロイド(リスタート・レーシング/ヒョンデi30ファストバックNパフォーマンス)の高速コースオフによるセーフティカー(SC)導入にも動じず、アダム・モーガン、トム・チルトン、そしてイングラムのチーム・ヴァーチュ艦隊を従える完勝を飾った。
このヒートにて、イングラムと同様にハードタイヤで走行していたトヨタのシェドンは9位に入り、リバースグリッドの優位性を確保。しかし最終ヒートのスタート直前にはチェシャー州のサーキットを激しい雨が襲い、ウエット宣言でコンパウンド選択の有利不利は解消される展開となる。
スタートから首位をキープしたカローラに対し、序盤はジョシュ・クック(ワン・モータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が仕掛けたものの、シビックはスロットルトラブルに見舞われて何度もコースアウトを喫し、リタイアを余儀なくされてしまう。
さらに中盤以降は新王者ジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330i M Sport)がシェドンへのプレッシャーを強めたものの、ここでのSC導入にもリズムを乱され、最終ラップを前にコースアウトして順位を落としてしまう。
これで楽になったトヨタのシェドンは、後方9番手グリッドから這い上がってきたサットンとロウボトム、さらにイングラムも抑え切り、本格復帰初年度で自身とSWMにとっての今季初勝利を掴んだ。
「信じられない気持ちだ。この感覚はいつまでも飽きることはないね!」と、サマーブレイク直前となる前半戦折り返しの1戦で、待望の瞬間を迎えたシェドン。
「長年の経験をすべて注ぎ込んで仕事をやり遂げた。最終ラップの最終コーナーを抜けチェッカーフラッグを通過した時に、トヨタ・ガズー・レーシングUK・ウィズ・IAAのチーム全員がピットウォール越しに見守っているのを見たときは、本当に感動した。開幕から僕たちは試練と苦難を経験してきたし、彼らも僕と同じように苦しみやドラマを経験してきた。だから、彼らとの勝利を心からうれしく思うし、夏休みに向けて皆に少しでも勇気を与えることができて良かったよ」
これでサットンが選手権リードを拡大しつつ、スタンディングではイングラムとの2強独走体制を築きつつある2025年のBTCCシーズン。続く第6戦は前出のとおり恒例のサマーブレイク期間を経て、8月2~3日にクロフト・サーキットで再開される。
[オートスポーツweb 2025年06月27日]
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