ホンダの日本向けミニバンではフラッグシップ的な存在の「オデッセイ」がビッグマイナーチェンジを受けました。ボンネットを70mmも高めるなど、シルエットに手を入れたことで、ひとクラス上のミニバンのトヨタ アルファード/ヴェルファイアや日産 エルグランドに迫るスタイルを手に入れたほか、前後のウインカーがシーケンシャルタイプとなったこともゴージャスなイメージにつながっています。
内装はインパネデザインを一新。ソフトパッドを多用したことで上質感を高めつつ、助手席前のリッド付きボックスや運転席の格納式ドリンクホルダーを新設するなど使い勝手も向上させました。メーターも左半分が液晶ディスプレイ(7インチ)となり、インパネ中央に置かれるカーナビ(ディーラーオプション)の画面サイズも従来の7インチから10インチにサイズアップしています。
そんな中、今回もっとも特徴的な装備といえるのが全グレードに標準装備された「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」でしょう。手のジェスチャーによってドアに触れずに開閉できる、本邦初といえる装備です。
その仕組みは、サイドウインドウ下部に内蔵された静電センサーとLEDライトによるもので、外からスマートキーを持った状態で近づくと、ドアハンドルに近いサイドウインドウに埋め込まれたライン状のLEDが点灯、そこに手をかざすとLEDが流れるように明滅するので、その流れに合わせて手のひらを動かすというもの。まるで手品のようなジェスチャーに反応してドアが開閉する様子はなかなかインパクトがあります。
とはいえ、手をかざすよりドアハンドルを操作したほうが素早く確実に開閉できるし、両手に荷物を持っているような状況であれば、よくある足の動きによるハンズフリーシステムのほうが利便性は優れます(ちなみに、新型オデッセイのリアゲートは足の動きで開くことができます)。はっきり言ってエンターテインメント以外の意味はない機能で、ホンダのエンジニアも「光の流れる様やジェスチャー操作という新しさ、楽しさを第一に考えました」というように演出的な要素が大きい機能です。
そして、この「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」は、すでに海外モデルでは採用済みで、それが中国向けの「エリシオン」(オデッセイの兄貴分といえるミニバン)。この機能に関わってきたエンジニア氏によれば、中国版エリシオンは1年ほど前にジェスチャーコントロールを搭載しているそうですが、かの地ではエンターテインメント要素として高く評価されているのだとか。便利なこと、機能性だけを求めるのではなく、こうした遊び心のある装備は、クルマにステータスを求める市場マインドにも合致しているのかもしれません。果たして日本のユーザーはこうした遊び心をどう評価するのでしょうか。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
ドアのボタンをワンプッシュで開く方がはるかに使い勝手良くないか。
余計な事に余計なお金をかけないでほしい。