現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 海外じゃけっこう聞く「EVの発火事故」! 日本で燃えたというニュースが出ない理由とは?

ここから本文です

海外じゃけっこう聞く「EVの発火事故」! 日本で燃えたというニュースが出ない理由とは?

掲載 170
海外じゃけっこう聞く「EVの発火事故」! 日本で燃えたというニュースが出ない理由とは?

日本は安全意識が高い

ネットニュースでは、海外でEVが燃えたことがときおり話題となる。充電中に白い煙が出てきてEVがあっという間に燃えたとか、走行中に車内が焦げ臭いと思って停車したらEVはあっさり燃えてしまったとか。

いまやEV先進国! 安全面も気になる「中国」「韓国」のバッテリー性能ってどう?

さまざまなニュースがある一方で、日本でEVが激しく燃えたというニュースを聞いたことがない。

これはいったい、どういうことなのか? そんな疑問をもつ人もいるだろう。

筆者は、1980年代から世界各地で定常的にEV関連の取材をしてきた。そのなかで、時代が大きく変わったと感じたのは、1990年にZEV(ゼロエミッション)規制が始まったときだ。

アメリカのカリフォルニア州環境局が大気汚染に関する会議体であるCARBを組織し、その一環としてZEV規制が生まれた。当時、日米からアメリカ市場向けにさまざまなEVが登場したが、燃焼という観点の話題はまだあまりなかった。

それが、2000年代半ばになると、リチウムイオン電池を大量に搭載するEVの発想が広がってきた。これに伴い、アメリカでは大型リチウムイオン電池に関するカンファレンスが定期的に開催されるようになり、筆者も参加してきた。

ここでは、アメリカDOE(連邦エネルギー省)直轄の研究所関係者らが講演する機会が多かったが、彼らは必ずといってよいほど、「リチウムイオン電池は正しく使わないと燃えることを大前提に考えるべき」という基本理念を強調した。

リチウムイオン電池の発火事故は、いわゆるパソコンの電池が燃焼した事例が取り上げられることが多く、「EVとして利用する場合のリスクをいかに下げるかが、当面の課題」という説明だった。リスクを下げるためには、電池の内部構造の設計、材料の選定方法、製造時の各工程における適格な作業と安全対策などが挙げられた。

また、台湾で小型電動車に関するカンファレンスに数度参加したが、その際には、中国における充電環境の悪さから発生した小型電動バイクの発火事故事例などが報告された。

その後、初代「フィスカー」の発火事例がアメリカで何度か発生し、アメリカDOT(運輸省)とDOE(エネルギー省)では原因調査を進めた。直近では、韓国でドイツ系メーカーのEVが燃焼した話題があるが、先日韓国で業界関係者に話を聞いたところ、当該事案の詳細はいまだに公開されていないという。

いずれにしても、2010年代半ば以降、グローバルでEVを製造するメーカーが一気に増えており、全体としてリチウムイオン電池の安全性は上がっている。

だが、メーカーによって、安全性の担保のレベルには当然違いがあり、また国や地域で充電環境にも違いがあるため、最悪のケースとしてEVが燃えることが起こり得る。国や地域によっては、国などによる情報統制によって、EV燃焼事案が表沙汰にならないことも考えられる。

その上で日本では、EVの企画、設計、製造、そして充電インフラへの安全性に対する意識が高いことで、EV燃焼事例がほぼ報告されていないのではないだろうか。

むろん、情報統制もないはずだ。

ただし、今後は海外からさらに多くの種類と量のEVが日本に輸入されることが予想されるほか、出力350kWの急速充電の普及が進むことを考慮すると、EVに対するさらなる安全性の確保が必須となる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

自転車用「電動改造キット」急増? 設置わずか60秒で時速32km──天使か悪魔か? 事故リスクの現実を考える
自転車用「電動改造キット」急増? 設置わずか60秒で時速32km──天使か悪魔か? 事故リスクの現実を考える
Merkmal
EVを蓄電池代わりにして電気代を浮かして得する……のは不可能! V2Hに経済的なメリットを求めるのは間違いだった
EVを蓄電池代わりにして電気代を浮かして得する……のは不可能! V2Hに経済的なメリットを求めるのは間違いだった
THE EV TIMES
自動車の「脱出用ハンマー」が標準装備されない根本理由――水没時で命を救えるのに、なぜ?
自動車の「脱出用ハンマー」が標準装備されない根本理由――水没時で命を救えるのに、なぜ?
Merkmal
トランプ大統領の次なる標的は「CHAdeMO」! 日本独自のEV充電規格はアリかナシか?
トランプ大統領の次なる標的は「CHAdeMO」! 日本独自のEV充電規格はアリかナシか?
WEB CARTOP
オワコン化した世界のモーターショーが身の丈にあった提案で復活しつつある! いまのモーターショーの役割とは?
オワコン化した世界のモーターショーが身の丈にあった提案で復活しつつある! いまのモーターショーの役割とは?
THE EV TIMES
なぜEVは「日本で嫌われる」のか? 充電インフラ・航続距離だけじゃない「アンチ」の根深さ! 語られない不安の正体とは
なぜEVは「日本で嫌われる」のか? 充電インフラ・航続距離だけじゃない「アンチ」の根深さ! 語られない不安の正体とは
Merkmal
欧州が「日本の軽自動車」にひれ伏す日! 1.5万ユーロ以下が絶滅寸前、市場を壊した“制度疲労”の正体とは
欧州が「日本の軽自動車」にひれ伏す日! 1.5万ユーロ以下が絶滅寸前、市場を壊した“制度疲労”の正体とは
Merkmal
EV乗りにとって恐怖の電欠! EVオーナーが語る地獄を見ないための5箇条
EV乗りにとって恐怖の電欠! EVオーナーが語る地獄を見ないための5箇条
THE EV TIMES
ランクルもびっくり!? 最近「軽トラック」もパクられまくる根本理由
ランクルもびっくり!? 最近「軽トラック」もパクられまくる根本理由
Merkmal
中古車の販売業は「警察」の管轄! なぜ新車のように国交省や経産省じゃない?
中古車の販売業は「警察」の管轄! なぜ新車のように国交省や経産省じゃない?
WEB CARTOP
【累計販売台数70万台】大量生産型EVのパイオニアがプライドをかけて挑む!日産リーフが満を持して7年ぶりのフルチェン
【累計販売台数70万台】大量生産型EVのパイオニアがプライドをかけて挑む!日産リーフが満を持して7年ぶりのフルチェン
AUTOCAR JAPAN
岡崎五朗のクルマでいきたい Vol.191 日本企業よ、したたかであれ
岡崎五朗のクルマでいきたい Vol.191 日本企業よ、したたかであれ
ahead
XiaomiやHUAWEIの新車に熱視線!深圳モーターショーの主役になった〝走るスマホ〟
XiaomiやHUAWEIの新車に熱視線!深圳モーターショーの主役になった〝走るスマホ〟
@DIME
外国人がビックリする日本のタクシーの「自動ドア」 ただし自動ドア由来の事故が無視できないほど多い現状
外国人がビックリする日本のタクシーの「自動ドア」 ただし自動ドア由来の事故が無視できないほど多い現状
WEB CARTOP
自分でいうのもなんだけどナゼ小さな島国に世界に名を馳せる自動車メーカーが8社もある? 日本が自動車大国になったワケ
自分でいうのもなんだけどナゼ小さな島国に世界に名を馳せる自動車メーカーが8社もある? 日本が自動車大国になったワケ
WEB CARTOP
いよいよペダル踏み間違い加速抑制装置が義務化!! 2028年9月発売以降に発売される新車が対象!!! はたして高齢者の踏み間違い事故がなくなる?
いよいよペダル踏み間違い加速抑制装置が義務化!! 2028年9月発売以降に発売される新車が対象!!! はたして高齢者の踏み間違い事故がなくなる?
ベストカーWeb
中国の勢いが止まらない! シャオペンが超最先端ADASを搭載したのに200万円台の激安EVが登場
中国の勢いが止まらない! シャオペンが超最先端ADASを搭載したのに200万円台の激安EVが登場
THE EV TIMES
どんなもんだい日本の軽自動車! もはやガラパゴスではない!! 欧州でも軽自動車導入の動きあり!! 世界基準になる日はもうそこまで来ている?
どんなもんだい日本の軽自動車! もはやガラパゴスではない!! 欧州でも軽自動車導入の動きあり!! 世界基準になる日はもうそこまで来ている?
ベストカーWeb

みんなのコメント

170件
  • RIZZO
    日本は安全意識が高い、ってところが理由になるんですか?
    具体的な理由を何も書かないこんな記事に意味があるんですか?
  • ari********
    燃えてるの韓国と中国製です!だから買うのであれば国産です!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村