2020年WRC(世界ラリー選手権)第5戦ラリー・トルコが行なわれた。波乱のラリーを制したのはエルフィン・エバンス(トヨタ)だった。
初日の2ステージを終えた時点でベテランのセバスチャン・ローブ(ヒュンダイ)が首位に立つという展開でスタートしたラリー・トルコ。大会は2日目から荒れ模様となり始める。
■WRCエストニア:タナク母国で勝利。トヨタ勢は3位オジェが最上位
前年チャンピオンで、今季も地元戦であるラリー・エストニアで勝利して流れに乗っていたオット・タナク(ヒュンダイ)は、SS3でステアリングトラブルにより土手に突っ込んでしまい、マシンにダメージを負った。これでタナクはデイリタイアとなった。
その後はトヨタのカッレ・ロバンペラ、セバスチャン・オジェにパンクが発生。これにより、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が2番手以下に33秒の大量リードを築いた状態で最終日を迎えた。
しかし、波乱はこれでは終わらなかった。大会最終日、この日最初のステージかつ最大の難所、SS9の“チェティベリ”で首位ヌービルのタイヤがパンク。ここではオジェ、そしてローブまでもパンクに見舞われるという波乱の展開となった。さらにオジェは“チェティベリ2”ことSS11でマシンから煙が上がり、ここでリタイアとなってしまった。
上位陣のほとんどにトラブルが発生する中、慎重な走りをしてノートラブルで切り抜けたエバンスが、SS9を終えて2番手以下を46秒突き放す形で一躍トップに躍り出た。
そしてエバンス圧倒的優位の状況で迎えた最終パワーステージ(SS12)。2日目デイリタイアとなったタナクは、パワーステージでのボーナスポイント獲得に全力を注いだ。スペアタイヤを1本しか積まず、あえて柔らかいラバーのタイヤで走行したタナクは、4分20秒8という脅威的なタイムをマークして、ライバルたちの走行を待つ形となった。
エバンスはパワーステージを4分22秒2と危なげないタイムで通過し、ラリー・トルコでの優勝を決めた。これでエバンスは今季2勝目となったが、オジェとタナクが相次いで不運に見舞われたこともあり、ポイントランキングで首位を独走する格好となった。
ヌービルはタナクが叩き出したタイムをさらに上回り、4分20秒4でパワーステージを制し、総合でも2位に入った。これでボーナスポイントも合わせて23点を加算したヌービルは、ここ数戦の不振を取り返すことができた。総合3位はローブ、同4位はロバンペラだった。
タナクもパワーステージで2位に入ったことで、辛うじて4点を追加。ロバンペラとポイントで並び、エバンス、オジェに次ぐランキング3番手につけた。
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