現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまプジョー/ルノー/シトロエンが絶好調! フランスブランドに人気が集まる理由とは

ここから本文です

いまプジョー/ルノー/シトロエンが絶好調! フランスブランドに人気が集まる理由とは

掲載 更新 11
いまプジョー/ルノー/シトロエンが絶好調! フランスブランドに人気が集まる理由とは

■プジョー・シトロエン・DSは魅力ある新型車の導入が好調の要因

 日本自動車輸入組合(JAIA)が、2020年度(2020年4月~2021年3月)の新規登録台数を発表した。

日本でも人気が出そう!? 右ハンドルのコンパクトSUV ルノー新型「キガー」登場

 コロナ禍で揺れた2020年度の輸入車の販売実績となる。それを見ると、輸入車全体の前年比は99%。なんと、ほとんど前年と同じだけ売れているのだ。

 しかし、これには裏がある。輸入車には外国メーカー車以外も含まれるのだ。つまり、海外で生産された日本車がある。その数字は前年比169.9%。とくに前年比503%と日産が数字を伸ばした。内訳はハッキリしないが、2020年6月に発売となった新型キックスがタイで生産されており、その販売分が輸入車としてカウントされているのが大きいだろう。

 そうした日本メーカーの分を抜いた、外国車ブランドの2020年度の新規登録台数は25万5518台で、前年比は87.5%となる。やはりコロナ禍の影響もあってか、販売を12%ほども落としているのだ。ちなみに2020年1~12月の統計では、前年比85.5%。2021年になって、状況はほんの少しは上向きになっているようだ。

 とはいえ、発表された数字を見ると、すべての外国車ブランドが苦戦しているわけではないことに気づく。

 目立つのは苦戦するドイツ勢に対して、フランス勢が堅調であること。プジョーは、1万2010台で前年度比116.2%。ルノーは6295台の同99%。シトロエンは5612台で同127.2%。DSは951台で同103%。外国メーカーで平均マイナス12%なところ、ほぼ前年以上の売り上げを確保できているのだ。

 では、なぜ、フランスブランドは堅調なのだろうか。まずはプジョー、シトロエン、DSを販売するグループPSAジャパンの広報担当者に話を聞いてみた。

 すると、回答一番が「クルマの出来が良かったことですね」という。

 2020年にプジョー・シトロエン・DSは、数多くの新型モデルを日本に投入していたのだ。その筆頭が、プジョー新型「208」と、そのSUV派生モデルである「2008」だ。この2台のBセグメントモデルは欧州でも人気が高く、2021年2月までの2か月で、208が販売台数1位、2008が4位に入っている。

 もちろん日本での人気も好調で、プジョーの販売を牽引する存在だという。また、ミニバンのプジョー「リフター」と、その兄弟車となるシトロエン「ベルランゴ」を導入した効果も大きいという。

「じつはベルランゴをきっかけに、初めてシトロエンというブランドを知った方が非常に多かったんです。なんと7割が新規客でした。しかも、その方がディーラーに来て初めて、ベルランゴが3列シートじゃないことに気づくことも多かったようです。でも、横を見ると、3列シートのグランドC4スペースツアラーがあると。“あ、それならこちらでいいか”と、グランドC4スペースツアラーを買うというケースも多いようです。ベルランゴの登場で売れなくなると覚悟していたら、逆に両方が売れるようになっています」とグループPSAジャパンの広報担当者は説明する。

 ちなみにDSブランドには、2020年7月にコンパクトSUVタイプのEV「DS3 CROSSBACK E-TENSE(DS3クロスバック Eテンス)」を投入した以外はニューモデルはなかったが、「これまで地道なコミュニケーションやマーケティング活動が実を結んだと思います」とか。

 出来の良い新型車を投入したことで、ブランドの知名度が高まり、全体としての販売がアップしたというのがプジョー、シトロエンの成功の理由だというのだ。

■ルノーはモデル末期の「カングー」が販売台数を後押しした

 では、ルノーはどうであろうか。

 こちらも2020年秋に新型「ルーテシア」、2021年2月にSUVの新型「キャプチャー」を投入している。

「ルーテシアとキャプチャーの2モデルは、確かに新型車ならではのインパクトがありました。ただ、日本市場向けに潤沢な数が用意できたわけではありません」とはルノー・ジャポンの広報担当者のコメントだ。

 数多くの注文はあったけれど、それが新車登録台数に反映できずに、多くがバックオーダーになってしまったというのだ。

 さらに新型2モデルの導入は、ルーテシアは2020年10月、キャプチャーは2021年2月と年度の後半だった。ニューモデルの投入はあったけれど、年間の販売台数への貢献は、それほど大きくなかったようだ。

 では、何がルノーの2020年の販売を支えたのか。

 それは意外な答えだった。「カングーが、よく売れました」とルノー・ジャポンの広報担当者は語る。しかも「コロナがなければ、もっと数多く売れていたはずです。2020年は夏にフランスの工場が停止していたので、注文された数ほど新車登録できませんでした。カングーもバックオーダーを抱えています」ともいう。

 ちなみにカングーはルノーの人気モデルだが、現行モデルが登場したのは10年以上も前の2009年のこと。モデル末期もよいところで、フランス本国では次世代モデルも発表されている。

 普通、新型モデルの登場が予告されると、現行モデルの販売は悪くなるものだ。しかしカングーは、それが反対になるようなのだ。

「どうも、新型が出ることで、現行モデルが買えるのは今しかないと、販売が伸びているようです。じつは初代モデルから、現行型の2代目モデルに変わるときも同じことがありました」とルノー・ジャポン広報氏。また、最近のキャンプ人気の高まりも、カングーの人気を後押ししているかもしれない。さらに、数多く用意されたカングーの限定車も貢献しているといえるだろう。

* * *

 PSAは魅力ある新型車が投入されたのが好調さの理由であったが、ルノーは新型車の「情報」だけで販売が伸びたというから驚くばかりだ。

 情報だけでなく、本当の新型モデルが投入されれば、さらにルノーの販売も上向きになるはず。2021年もフランスブランドは期待できるのではないだろうか。

こんな記事も読まれています

今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
ベストカーWeb
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
乗りものニュース
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
AUTOSPORT web
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
ベストカーWeb
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
Auto Messe Web
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
AUTOSPORT web
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
AUTOCAR JAPAN
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い  1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い 1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
乗りものニュース
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
AUTOSPORT web

みんなのコメント

11件
  • 新車で買った205に乗っています、部品出してくれている日本法人さんには感謝です。
    買った当時はインチケープでしたが、インポーターが安定しているのは本当に助かります。
  • カングーは・・新型が残念です。
    おそらく、国産ミニバンからの乗り換え検討の方には一定の需要があると思いますが、カングーtoカングーを考えていた方の中には、うっかりベルランゴ辺りに目を向けちゃう方も居そう・・
    リアなんて観音開きもなくなり、何ならトヨタのノアっぽい造形になってしまって・・お尻フェチが多かっただけに心配です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

302.3372.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.3349.0万円

中古車を検索
208の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

302.3372.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.3349.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村