オークション 次々と中止に
text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】コロナ禍で値落ち パームビーチ・セールの落札結果【日本円も併記】 全19枚
photo:RM Sotheby’s
いま、世界はヒトと新型コロナウイルスとの戦いのまっただ中にある。
欧米では外出制限令が始まってヒトとモノの動きが止まり、その影響は自動車業界全体に及んでいる。ダメージは、コレクターズカー・オークションにまで飛び火してきた。
3月初旬にアメリカで開かれたアメリアアイランド・オークションを最後に、開催自体が見合されている。
そうした中で日本のBHオークションは、3月末に予定していた東京マーチ・オークションの延期を同月初旬に発表。イギリスのオークションハウスであるボナムスは、3月半ばに「4月15日までの会場で行われるオークションを中止する」とアナウンスし、5月末からオンライン・オークションを開くことを予告している。
アメリカのRMサザビーズも5月までのオークションを中止し、その後のオークションは状況を見ながら開催の可否を決めると発表した。
パームビーチの結果 半額に値落ちも
こうした中で、RMサザビーズが新たな試みとして3月20~28日にオンラインで開催したパームビーチ・セールは、驚きの結果だった。
今年に入ってからのオークションは下落傾向にあったが、入札期間がちょうどニューヨークで感染者数が急増した時期と重なったこともあり、これまでの相場と比べて、半額から2割ほどに下がっていたのである。
一方で市場原理の法則通り、人気モデルの下落はわずかで、車種によっては値上がりもしていた。
具体的な例を挙げると、下記のようにまとめられる。
・1967年マセラティ・ギブリ-I:8万4700ドル(915万円)
・1997年フェラーリF355スパイダー5万2800ドル(571万円)
・1976年ポルシェ912E:3万800ドル(333万円)
・1999年ベントレー・アズール:3万3000(357万円)
・1971年ジャガーEタイプ・シリーズ2 4.2Lロードスター:6万4900ドル(701万円)
・1964年メルセデス・ベンツ230SL:3万9600ドル(428万円)
・1963年オースチン・ヒーレー3000 Mk-II BJ7:3万7400ドル(375万円)
・1973年シトロエンSM:2万9700ドル(321万円)
あたかも20年前にタイムスリップしたような額で終えたのである。
今後の展望は?
これまでのバブル崩壊やリーマン・ショックは、経済面のみの影響だった。今回の新型コロナウイルスの脅威は、ヒトとモノの動きを止めてしまったことが大きな違いだ。
あらゆる生産活動にブレーキがかかり、終息の見通しも立っていないだけに大きな影響は避けられない。
生活に不要不急なコレクターズカーの需要は一時的に消滅しよう。
前述のパームビーチ・セールの結果は序章に過ぎず、これからさらに破壊力をました大波が来ることは明らかだ。資金繰りに窮したオーナーやショップが、投げ売りを始めてもおかしくない状況になるだろう。
30年以上にわたりオークションの動向を追いかけてきたが、個人的な予想では、これまでにない大暴落が始まり21世紀初頭のレベル以下まで下がると考えている。
ただし、本当に価値のある貴重なクルマの下落幅は少ないはずだ。
新型コロナウイルスの問題が収束した後も経済の先が見通せない状況が続くだけに、しばらくは様子を見るのが正解となろう。
しかし、どのような状況であっても、コレクションの極意である「じっくり待って、良いものが出ればスパっと買う」という鉄則は変わらない。
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