■300馬力の最強V6エンジン×豪華インテリア採用!
中国で人気のホンダ車に「エリシオン」というミニバンがあり、5代目「オデッセイ」の姉妹車でスタイリッシュなデザインと使い勝手の良さが評価されています。
日本では導入されていないモデルですが、実は初代エリシオンは日本でも販売されていました。
エリシオンはホンダが2004年に国内で発売したミニバンです。当時、ホンダでは「ラグレイト」という北米向けラージサイズミニバンを逆輸入する形で販売していましたが、その後継という位置付けで開発されました。
ボディは全長4845mm×全幅1845mm×全高1810mmと、ラージサイズミニバンならではの大きめサイズ。しかし、当時新開発の低床プラットフォームを採用することにより、大きなボディながらも、安定した走行性能を生み出していました。
エクステリアは、サイドまで伸びるシャープな形状のヘッドライトや逆三角形のグリル部など、全体的にスタイリッシュかつ先進的なデザインにまとめられています。また、木目調パネルを使用したインテリアは上級ミニバンらしく、高級感のある造りでした。
室内はフラット構造で乗り降りがしやすく、3列目シートでも足元スペースが十分にあるほど広く快適。クッション性が高くゆったりとくつろげるシートも評判でした。
エンジンは2.4リッターと3リッターの2種類。最高出力は前者が160馬力、後者が250馬力となっており、トランスミッションは5速ATでした。
2005年には「エアロバージョン」が追加されフロントグリルのデザインを変更。「G AERO HDD NAVIエディション」などの特別仕様車も追加され、年々その性能を向上させました。
そんなエリシオンを語る上で欠かせないのが、2006年に追加された上位モデル「プレステージ」です。
プレステージはエクステリアをよりスポーティなデザインものへと変更し、走行性能も高めているのが特徴。
具体的にはヘッドライト、フロントグリル、リアコンビネーションランプが専用タイプに変わっており、特にグリルは存在感のある大型タイプに変更。リアコンビネーションランプは特徴的な一文字型になりました。また、ホイールサイズも18インチに変更されています。
パワーユニットには、最大出力300馬力という強力なスペックの3.5リッターV型6気筒エンジンを採用。サスペンションも専用のチューニングが施されていました。後に、2.4リッターエンジンを積んだ廉価モデルも追加されています。
ほかにも、横滑り防止装置やスノーモードスイッチ、アクティブノイズコントロールなどの装備も充実。HDDナビシステムや大型コンソール、パワースライドドアを備えた「HDDナビ スペシャルパッケージ」も用意されていました。
プレステージは、力強さとスポーティさを兼ね備えたエクステリア、豪華なインテリア、強力なエンジン、充実の装備というスキのない一台として人気となり、今でも「最高のミニバン」と評価する人もいるほどです。
エリシオンは残念ながら2013年10月で販売を終了。後継モデルも登場しませんでした。
中国では5代目オデッセイの姉妹モデルにエリシオンと名付けられ、実質2代目となっています。
2025年8月にマイナーチェンジがおこなわれ、新たなデザインの巨大縦型フロントグリルを備えるなど、フロントフェイスが一新されました。
もしもエリシオンが日本で復活するのであれば、先代と同じラージサイズミニバンを期待したいところです。(大西トタン@dcp)
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