市場導入に向け最先端技術研究所を設立
フォルクスワーゲンAGは、Volkswagen Autonomy GmbH(フォルクスワーゲン オートノミーGmbH、以下VWAT)を設立、自動運転システム(SDS)の市場導入に向けた準備を本格的にスタートした。
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VWATはミュンヘンとウォルフスブルグに本社を置き、2020年にはシリコンバレーに子会社を設立した上で、2021年には中国にも子会社を設立する予定。新会社の責任者にはフォルクスワーゲングループ自動運転担当上級副社長であり、フォルクスワーゲン商用車ブランド(以下VWCV)において技術開発担当取締役を務めるアレクサンダー・ヒッツィンガーが就任する。ちなみにVWCVは、グループ全体のMaaS(Mobility as a Service)及びTaaS(Transport as a Service)の自動運転技術を主導する役割も担っている。
レベル4以上の自動運転システムの最先端技術研究所として設立されたVWATは、都市部における人とモノのモビリティ・ソリューションに対するSDS(自動運転システム)導入を当面は目指していくが、将来的にはすべてのグループブランドに活用可能な標準モジュールの開発が目標。
「私たちは自動車及び技術産業の専門知識を集約し、優れた機動力と高い創造性を備えた企業文化にプロセス重視の姿勢と優れた拡張性を組み合わせることによって、VWATを世界的なテクノロジー企業に育てたいと考えています」と、アレクサンダー・ヒッツィンガーは述べる。
さらに「私たちは自動運転車、高性能コンピューター/センサーのコストを削減するために、今後ともすべてのグループブランドにわたって継続的に相乗効果を発揮していきます。2020年代の半ばを目途に自動運転の商業化を大規模に開始することを目指しています」と語る。
最初の運用ケースは商業分野で計画され、VWCVはグループ内でMaaS及びTaaSを主導するブランドとしてロボタクシーやロボバンといったSPV(Special Purpose Vehicles)を開発・生産していく。VWATはユーザーとしてのVWCVと「Co-Creation」という形態により、これらのシステムを共同開発していくという。その結果、フォルクスワーゲンの小型商用車ブランドはVWATの自動運転システムを最初に応用搭載するユーザーになる。
VWATが本社を構えるミュンヘンには、既にグループ企業のAID(Autonomous Intelligent Driving GmbH)が所在する。この拠点はフォルクスワーゲンが自動運転分野でフォードと協働し出資する、自動運転のソフトウェア開発に特化したARGO AIのヨーロッパ本社としても機能することになる。
「自動運転は自動車業界全体にとって大きな課題となっています。それらは高い開発コスト、極めて高度なセンサー技術の必要性、法整備の問題、地域によって異なる要件への対応です」とアレクサンダー・ヒッツィンガーは説明する。「私たちの目標は、市場に導入可能な自動運転システムを実現するノウハウを備え、優れた機動力と高い開発能力を持つチームを構築することです」
現代のクルマは多くの運転支援及び安全システムによって既に高度な安全性を実現しており、これによって特定のドライバーが致命的な事故を引き起こす可能性は、走行距離にして平均6億kmにまで延長されたと言う。SDSの導入は事故件数をさらに削減する可能性をもつが、そのためにはシステムの堅牢性が重要となり、これを達成し検証する方法も大きな課題となっている。
VWATはシステムの開発、確認、検証に関する作業に加え、フォルクスワーゲングループ内のレベル4以上の自動運転システムに関するあらゆる活動を統括してくという。
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