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高速域では想像以上の熟成感 最新 ヒョンデ・インスター(2) 固定概念を覆すひと押しが欲しい

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高速域では想像以上の熟成感 最新 ヒョンデ・インスター(2) 固定概念を覆すひと押しが欲しい

発進直後は活発 114psでも余裕は感じにくい

新しい小型バッテリーEVの、ヒョンデ・インスター。試乗車は大容量バッテリーを積むロングレンジだったが、最高出力は114psで、1423kgの車重に対して余裕あるパワーとはいえないだろう。0-100km/h加速には、10.6秒を要する。

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発進直後は、ノーマル・モードでも不満なく活発。速度域の低い市街地なら、充分キビキビ走り回れる。しかし、その勢いは速度上昇とともに衰える。

スポーツ・モードへ切り替えると、加速力は1段増す。それでも60km/hを超えると、少しの息苦しさは拭えない。同クラスのエンジン車と比較して、数100kg多い車重が影響していることは明らかだ。

高速域では想像以上に熟成されたマナー

ステアリングホイールやペダルなどの重み付けは良好で、反応も予想通り。回生ブレーキの強さは、パドルで数段階から切り替えられる。

全幅は狭めで、市街地での取り回しの良さは明確な強み。路肩の駐車車両の脇を、スルスルすり抜けられる。流れの速い郊外や高速道路では、想像以上にマナーは熟成されている。ボディの動きは若干大きめながら、安定性は高く快適と呼べる。

乗り心地は全体的に優しく、大きな段差では跳ねるような挙動を示すが、アスファルトのツギハギなどを柔らかくこなす。カーブでのグリップ力も充分以上。試乗車には、ミシュラン・パイロットスポーツ5が組まれていた。

多くのユーザーが好印象を抱くであろう、滑らかさを叶えている。一方で、ステアリングはレシオがスローで、フィードバックは薄め。運転が楽しいとまでは表現しにくい。

走りの印象は薄味 航続距離はカタログ値へ迫る

小さなエンジン車の場合、軽さと充分な馬力の組み合わせが生む、小気味良さが強みになる。敏捷な身のこなしが、運転の楽しさへ結びつく。マニュアル・トランスミッションを操るという行為も、クルマとの相互関係を深めてくれる。

他方、インスターに限らないものの、軽くない車重とシングルスピード・トランスミッションの組み合わせは、走りの個性や高速域での余裕を薄めがち。このクラス全体の課題といえるだろう。

とはいえ、少なくない競合と比べて、インスターの走りは洗練度が高い。試乗時の電費は、カタログ値の6.6km/kWhを平均で超えており、効率の良さも売りになる。主張通りの航続距離を、現実的に得られそうだ。

急速充電は最大85kWまでと、速いわけではない。残量10%から80%までの回復には、30分ほど必要になる。

固定概念を覆せるもうひと押しが欲しい

快適な乗り心地と充分な航続距離、広々とした車内空間が明確な長所といえる、インスター。フィアット500eよりひと回り大きいことへ、惹かれる人もいるだろう。他方、ルノー5 E-テックと比較すると、英国での価格競争力は劣るかもしれない。

装備は間違いなく充実している。クラス上のモデルへ並ぶ、柔軟な実用性も備わる。反面、英国価格はやや強気。高速道路での上質さは褒められるが、動力性能は高くなく、走りの印象は淡白でもある。

小型車の場合、価格価値に対する考え方は大きなモデルより厳しい。装備を簡素化し、2万ポンド(約390万円)を切る仕様も、ヒョンデは検討しても良いかもしれない。

あるいは、特徴のある運転体験を獲得できれば、訴求力は高まるだろう。小さなプレミアムとして、固定概念を覆せるようなもうひと押しがあって良い。

◯:実用的で柔軟な車内空間 市街地で扱いやすいサイズ 充実した装備
△:やや高めの価格設定 操縦性を鈍らせる軽くない車重 安っぽい部分がある内装 反応の遅いインフォテインメント・システム

ヒョンデ・インスター 02(英国仕様)のスペック

英国価格:2万6745ポンド(約522万円/試乗車)
全長:3825mm
全幅:1610mm
全高:1575mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:10.6秒
航続距離:368km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1423kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:49kWh
急速充電能力:85kW(DC)
最高出力:114ps
最大トルク:14.9kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(前輪駆動)

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みんなのコメント

6件
  • kim changmin
    補助金の額を倍増するように関係各所に申し入れたい気分です。
  • kar********
    ヨンセ・・・どうした?、孤軍奮闘も疲れたか?。
          それとも兵役逃れがばれてビビったか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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