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ダイハツ初の量産EVは軽商用で登場! 見た目はエンジン車と同じでも中身は別物 後発なのにライバルより価格が高い理由とは?

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ダイハツ初の量産EVは軽商用で登場! 見た目はエンジン車と同じでも中身は別物 後発なのにライバルより価格が高い理由とは?

ダイハツ初のEVは商用車で登場

2月2日、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)は軽商用車の『ハイゼット・カーゴ』と『アトレー』をベースにしたダイハツ初の量産バッテリー電気自動車(BEV)、『e-ハイゼット・カーゴ』と『e-アトレー』を発売した。

【画像】ダイハツ初のEVは軽商用車!『e-ハイゼット・カーゴ』&『e-アトレー』発売開始 全119枚

そう、ダイハツ初のEVは、商用車として登場したのである。そこで、本稿では軽商用EVにフィーチャーして話を進めたい。

まず、バッテリー容量、WLTCモードの一充電走行距離、価格を軽商用EVのライバルと比較してみよう。

●ダイハツe-ハイゼット・カーゴ/e-アトレー
36.6kWh 257km 314万6000円~346万5000円
●三菱ミニキャブEV
20kWh 180km 243万1000円~248万6000円
●ホンダ N-VAN e:
29.6kWh 245km 269万9400円~291万9400円

こうして見るとライバル車より価格は少し高めだが、やはりバッテリー容量(一充電走行距離の長さ)の違いが大きな要因なのだろうか? ダイハツで商品企画を担当する荒川史郎氏に伺ったところ、もちろんその違いが主ではあるが、装備や仕様、パッケージの違いもあるという。

商用バンの平均走行距離は1日50km程度

ユーザーがEVを安心して使うために、航続距離は大きなポイントだ。

ちなみに、商用バンのユーザーが1日に平均的に使う距離は50km程度だが、業者によって大きな差があり、地方の配送業者などでは1日で100km以上、建設関係でも年に何回かは100~150kmも走るユーザーもいる。

そうした点を鑑みて、またエアコン使用での航続距離の落ち込みなども考慮し、今回のバッテリー容量(航続距離)を決定したそう。

なお、軽商用車からEV開発を進めたのは、カーボンニュートラル化を進めるにあたり、軽自動車の6割を占める商用車から進めるのが効果的だから。そして大手配送会社など企業からのEV要望が強く、それに応えるためでもあったようだ。

商用車としては、軽トラックのEVも検討中だ。短距離での移動が多く、ガソリンスタンドまで遠いといった使用状況を考えると、軽トラックとEVの親和性は高い。となると、『e-ハイゼット・トラック』が登場する日は遠くないかもしれない。

1960年代から電気自動車を研究開発

今回のプロジェクト責任者である、齋藤寛主査にも話を伺った。

ダイハツの電気自動車研究開発自体は1960年代から始まっている。1970年の大阪万博では会場用EVを275台も走らせており、その後も1990年代には多摩ニュータウンにおける『ハイゼット・バンEV』やゴルフ場の電動カート(累計で約8000台)など、ダイハツは今回の『e-ハイゼット・カーゴ/e-アトレー』にいたるまで、FCV(燃料電池車)も含めて様々な電動化への開発を進めてきた。

ダイハツにとっては、三菱が2011年に発売した『ミニキャブミーブ MiEV』(現行型はミニキャブEV)の登場が、軽商用EVの開発に拍車をかけたようだ。

齋藤氏は2018年ごろからEV開発に参画し、それまで実験部で培っていたNV、操縦安定性、乗り心地、熱、燃費といった問題を凝縮して、今回の軽商用EVに反映されている。

とはいえ、ベース車がある中でのEV開発。重いバッテリーをエンジン車と同じプラットフォームに搭載して、いかに性能を保ち、しかも荷室容量を変えないという点には苦労したという。

ブランニューでEVを作ったほうが楽なのでは? とも思えたが、ハイゼット・カーゴという好評を得ている商用車を使ったほうが、ユーザーに違和感なく乗り替えてもらえるという点も考慮したそうだ。

見た目はエンジン車と変わらないが下まわりは別もの

実は、ダイハツは既に先代ハイゼット・カーゴからEV化を検討しており、現行型でも基本の考えは出来上がっていた。そのためトヨタ、スズキとの3社共同開発でも、レイアウトなどの再検討はダイハツが行った。

見た目はエンジン車と大きく変わらないが、車両重量増に対応させるため、タイヤ、ホイール、ブレーキをはじめ、足まわりも全部進化させている。

サスペンションではバネ定数や減衰力を上げているが、車両重量が重くなったぶん収まりが良く、むしろ乗り心地は良くなっているという。商用車によくある、空荷状態で走行したときの突き上げ感などもないそうだ。

リアサスペンション形式はエンジン車と同じ3リンクだが、ド・デオンアームの採用でバネ下を軽くし、乗り心地向上に寄与しているという。サイドメンバーとロッカーの配置は生産上の問題でエンジン車と同じとなるものの、両者をブラケットで繋いでバッテリーを搭載しているので、下まわりの剛性はかなり高められた。重心高も80mm下げられて同じダイハツのムーヴ並みになった。

なお、ワンペダルではないが、アクセルペダルを戻せば回生ブレーキが作動する。ただし回生の切り替えは備わっておらず、ATセレクターはP-R-N-Dのみ。軽商用EVでは街中走行が中心となるので、この設定で問題ないとしている。

「一丁目一番地」に配したAC100V外部給電

もうひとつ齋藤氏が強調していたのは、1500Wまで対応するAC100V外部給電の使いやすさだ。

他社のEVではラゲッジルームや車外に設置されているが、ダイハツはダッシュボード中央という「一丁目一番地」に配した。これはパソコンなど室内の作業で必要なものを充電するため。また、1500Wに対応することで、例えば、万が一の災害時に避難所で電子レンジを使って暖かい食べ物の供給もできるという。

『ドライバーが安全に帰れる』、『人を救える』といった、『ものづくり』から『ことづくり』にも対応するダイハツの軽商用EV。そんなクルマに仕上がったと語る、齋藤氏の顔は誇らしげだった。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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