この記事をまとめると
■ランボルギーニ・ウラカンはまもなく生産を終了し次期モデルへと進化を遂げる
レーシングドライバーでも操れない! 運転が難しすぎる市販車3選
■ウラカンのラストモデルとなる「STJ」が発表された
■STJは特別なカスタマーに向けわずか10台のみの販売となる
ウラカンのラストモデルであるSTJが発表された
これまでランボルギーニのセールスに大きな成功を生み出す原動力のひとつとなっていた、V型10気筒エンジンをミッドに搭載するスーパースポーツの「ウラカン」。そのウラカンがまもなく生産を終了し、次期モデルへと進化を遂げることは、ランボルギーニのみならず、スーパースポーツのファンにはすでに良く知られたところだったが、そのラストモデルに関してランボルギーニは、これまで正式なメッセージを発信してはいなかった。
「Last Huracan」、それはどのような特徴を秘めたモデルとなるのか。その答えがついに明かされた。
ウラカンのラストモデル。それに続く称号は「STJ」という。「ST」とはランボルギーニがこれまでオーガナイズしてきた、世界最速のワンメークレースともいえる「スーパートロフェオ」の意。その後の「J」は、「イオタ」、すなわちFIAによるレーシングカーのホモロゲーションにある付則J項に由来する、もはや幻にすぎぬ「J(イオタ)」や、ミウラからのモディファイによる「SVJ」、あるいはアヴェンタドール「SVJ」などにも掲げられた、伝統とパフォーマンスの象徴ともいえるイニシャルだ。
STJのベースとなっているのは、2021年後半にデリバリーが開始されたウラカンのホットモデル「STO」だ。このSTOの開発にはランボルギーニのレース部門であるスクアドラ・コルセが密接に関係しており、ウラカン・スーパートロフェオやGT3などのレーシングモデルと同様に、スパルタンでそしてもちろんスーパースポーツの頂点にあると評してもよいパフォーマンスを体験することが可能だった。その運動性能を可能にするためにスクアドラ・コルセでは、ボンネットとフロントフェンダー、そしてフロントバンパーを一体化したコファンゴ(これはcofano=ボンネットとParafango=フェンダーを組み合わせた造語である)を開発するなど、じつに積極的な進化策を展開した。
今回発表されたSTJにもまたこのコファンゴを始め、リヤウイングの角度を通常の市販モデルより3度大きくすることでダウンフォースを10%増加させるなどの、新たなセッティングが施されている。
専用のサスペンションや20インチタイヤが装着される
ミッドに搭載されるエンジンは、もちろん5.2リッターのV型10気筒自然吸気。7速デュアルクラッチの後輪駆動のみがパワートレインの構成で、最高出力は640馬力、最大トルクは565Nmと、このスペックはSTOのそれと変わらない。
前後のサスペンションは、スタンダードなアクティブコンポーネントに代わる、4ウェイのショックアブソーバーを備えるのが大きな特徴。高周波と低周波の両方で、伸びと縮みのセッティングを最適化でき、ドライバーはサーキットの特性に合わせたセッティングを選択できる。
さらにより低いスプリング剛性を使用することができるため、ステアリングの精度も高まるということだ。装着されるタイヤは専用開発された20インチ径のブリヂストン製ポテンザ・レース・タイヤ。特別なハイグリップ・コンパウンドを採用し、センターロック・ホイールに装着される。
スクアドラ・コルセによれば、これらのチューニングの結果、イタリアのナルド・テクニカルセンター・ハンドリングトラックのラップタイムはSTOと比較して1秒以上向上したということだ。
カラーリングは2タイプ。ルーフはいずれもネロ・ノクティス(ブラック)となるが、ボディカラーはロッソ・マーズ(レッド)とビアンコ・イシ(ホワイト)のディテールを組み合わせたグリジオ・テレスト(グレー)のボディワーク。
もうひとつはブルー・エリアディ(ブルー)のボディーカラーに、前者と同じディテールカラーをあしらった仕様となる。
コンフィギュレーションではもちろんカスタマーの好みを十分に反映させることが可能だが、もっとも大切なパートはカーボンファイバー製のシリアルプレート。ここに刻まれるのは「1 of 10」の文字で、それはこのSTJがわずか10台の限定車であることを意味している。
ランボルギーニ・ウラカン、2万5000台以上ものセールスを誇った大ヒット作の最後を締めくくるのは、わずかに10台の、おそらくは特別なカスタマーのもとへとデリバリーされるモデルにほかならなかったのだ。
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