アウディ『A1』をショップデモカーとして製作した奈良県のBREEZE(ブリーズ)。大きな加工を施すことなく高音質を味わえるオーディオカー作りを目指した1台だ。
◆純正内装を崩さずフロント2ウェイスピーカーで高音質を実現
オーディオプロショップでは、ショップ独自のサウンドやシステムの方向性をユーザーに体感してもらうため、デモカーを用意している場合が多い。奈良県のブリーズも時代に合わせたデモカーを展開するショップだ。そんな同ショップのデモカーがリニューアルしたことから取材に訪れた。
BREEZEが用意したデモカーはアウディA1。コンパクトなボディを持つ上質な欧州車として人気のモデルである。ブリーズがこのクルマで目指したのは「大きな加工を施すこと【なく】高音質を得られる仕様」だ。インテリアは純正イメージのままで、内装加工を好まないユーザーにとっても導入しやすい車両となった。
その手法は実にスマートだ。クオリティの高いフロント2ウェイスピーカーを工夫を凝らしたインナー取り付けとすることで、高音質を引き出しているのが特徴。さらにサブウーファーをデッドスペースに収め、DSPアンプで緻密に調整することで、完成度の高いサウンドを実現している。
中でも注目したいのはフロントスピーカーの取り付けだ。ツイーターはAピラー、ミッドバスはドアに、それぞれ純正位置へインナー取り付けされている。内張りの加工は一切なく、純正内装をそのままキープ。インテリアの加工を望まないユーザーにも受け入れやすい、高音質カーオーディオの好例と言えるだろう。
◆アウディA1のドア純正位置にジュラルミンバッフルで高精度取り付け
ブリーズがデモカーのフロントスピーカーに選んだのは、イートンのGRAPHIT28(ツイーター)とGRAPHIT16(ミッドバス)の2ウェイだ。セレクトの理由を代表の木村さんが紹介してくれた。
「このスピーカーはミドルハイのグレードにあたります。少し背伸びをすれば手が届く価格帯なので選びました。このスピーカーの魅力は、とにかく音数が増えることをわかりやすく体感できる点です。また中高域の滑らかなサウンドも特徴です。スピーカー交換による音の向上がしっかり感じられるユニットとして、デモカーで聴いてもらうことにしました」
そんなスピーカーの取り付けにも注目したい。まずドアの純正位置に16cmサイズのミッドバス、GRAPHIT16をインストールしている点が同ショップならではの見どころだ。インナーバッフルとして用いているのは、オリジナルのジュラルミンバッフルであるMX-AUDI。その名の通りアウディ専用に開発されたバッフルで、取り付け精度などの面で有利な取り付け方法となっている。
「ジュラルミンの高い剛性によってスピーカーをしっかり固定できるため、ユニット本来のサウンドを引き出せます。また素材にジュラルミンを使うことで適度な重量も確保でき、不要な振動を抑え込めるのもメリットです。この効果は想像以上に大きく、結果的にドアデッドニングを施したのに近い環境を作れます。このようにジュラルミンバッフルの長所は多岐にわたります」
◆純正ブラケットを活用してAピラーにツイーターをスマートに装着
一方でツイーターの取り付けにも注目したい。こちらは純正スピーカーがAピラーに取り付けられているが、その純正位置を使ってツイーターをビルトインしている点も特徴だ。Aピラーを外して裏側を見ると、その取り付け方法は一目瞭然。純正ツイーターを固定するための専用ブラケットが取り付けられているが、その構造をそのまま活用するのがブリーズ流である。
純正ツイーターは樹脂のツメを使ってブラケットに固定されている。そこでイートンのGRAPHIT28(28mmツイーター)に合わせたリングパーツをワンオフ製作し、純正ツイーターの位置にぴったりフィットさせている。裏側から見ても純正ツイーターとしか思えないほどスマートな取り付けを実現しているのだ。
インテリアを一切変更せずに2ウェイスピーカーを取り付けたブリーズのデモカー。ドアのミッドバス取り付けに加え、Aピラーのツイーター取り付けも純正デザインと装着位置を尊重しながら精度を高め、スピーカーのポテンシャルを存分に引き出していた。
さらにDSPアンプを使ったサウンドチューニングを施すことで、帯域バランスや定位のコントロール性能も高めている。シンプルな取り付けでありながら、ここまでの音質向上を狙えることを体感できるデモカーに仕上がった。気になる読者はショップを訪れて試聴してみるといいだろう。次回の後編では、サブウーファーの取り付けやDSPアンプ、さらには音楽プレーヤーなど、システム全体を紹介していく。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後、出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務した。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連など幅広い分野でライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請け負った。現在もカーオーディオをはじめとしたライティングを中心に活動
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